「僕はスタートダッシュ派」と自己分析する「熱男」こと福岡ソフトバンクホークス松田宣浩選手と、「先行日本一」と称されるガールズケイリンの女王・奥井迪(おくいふみ)選手が異色?の対談を行った。

 戦う舞台は違えど、35歳と36歳、同じくプロスポーツの第一線で活躍する二人。円熟期を迎えた今、長く一流であり続けるための葛藤やこだわりを語り合った。

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先行逃げ切り


奥井:私は大学を卒業して中学校の保健体育の先生になりました。そこから競輪学校に入り、プロになったので、まだプロとしては5年目なんです。

松田:でも、ガールズケイリンでの勝利数が日本一なんですよね?

奥井:一応、今のところそうですね。でもその分走っていますからね。一年間で90走くらい。競輪選手の場合、基本年棒とかはないので、極端な話、1回もレースに出ないと収入はないです。レースに出れば賞金はもらえますが、最下位を続けていると点数が低くなって辞めざるを得なくなりますけどね。

松田:先行逃げ切りで勝ち続けるのって大変ですよね?

奥井:男子の場合、風の抵抗を受けて走る人がいて、その人の後ろで温存して最後まくりで勝つ、そういうチーム戦のようなところがあるのですが、女子ではそれをやっていないので、完全に個人の戦いです。

松田:じゃぁ奥井さんはそれを一人でこなす、ガチの先行逃げ切りタイプなんですね!

奥井:そうですね…。でも私はその戦法にこだわりを持っていて。勝ち方というか。気持ちで走りたいというか、気持ちが伝わる走りをしたいと思っていたので。松田選手は気持ちの伝わるプレーをされるので、憧れの存在でした。今回機会をいただいて嬉しいです。

実は繊細派…

松田:いや、僕は繊細派ですよ(笑)。

 というのは冗談で、気持ちでやっています。やっぱり、スポーツって気持ちが大事だと思っていて。プロになって、スマートに野球をしたいと思った時期もありましたけど、結果が出なくておかしくなったので、もっとガツガツいこうと思い直したら結果が出てくるようになって。

 このスタイルができなくなたら現役終わりだと思っていますけど、まだまだやれると思っています。

 プロ野球には40歳も18歳もいるけど、ベテランが声出さずに若い選手だけ声を出すっていう時代ではないと思っています。最近は元気に頑張っているベテランの方が結果を出して、若い選手が気持ちで負けているところもあるかなと思いますね。

気持ちから溢れてきた、成功した者だけが味わえるパフォーマンス

奥井:頑張りとか熱い気持ちって、見ている人に伝わりますよね。

松田:そうですね、僕も結果出した時は体で表現しますからね。奥井選手もガッツポーズしそうなタイプだと思いますけど、どうなんですか?

奥井:そうですね、派手にやりすぎて注意されたこともありますけど…。

松田:それは僕もありますよ。

 2017年のWBCホームランを打った時、「熱男~!」のパフォーマンスをしたんですよ。国際試合だからそういうのはやらないと決めていたのに、ダイヤモンドを回ってベンチに帰って小久保監督とハイタッチした時に思わず出ちゃいましたね(笑)。

 日本のホームだったので、他球団ファンも含めたジャパンを応援してくれる球場全体で一緒にやってくれて、すごく嬉しかったんですよ。

 確かに表現をオーバーにすると言われることもありますよ。でもそれって気持ちから溢れてきたもので、成功した者だけが味わえるパフォーマンスなんでね。

奥井:(WBCの映像を見ながら)すごいお客さんの数ですね!

 この状況でホームランなんて絶対熱くなりますよ。私はなるべくガッツポーズとかはやらないようにしてきましたけど、でもやっぱり気持ちが溢れてきてしまう時はそのまま出してしまいますね。やっぱりそういう選手熱いになりたいですね。

松田:お互いベテランの域に入りましたけど、熱く頑張りましょう!

(続く)

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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