12月4日未明、中国杭州のとある団地内で悲劇が起こった。

一台の乗用車が敷地内に駐車、助手席から妊婦が降りた直後、破損していたマンホールの下に落下した。事態に気づいた夫は消防に連絡し、妊婦はマンホール下から救出され、病院まで搬送されたが、到着後まもなく妊婦、胎児ともに死亡した。

 この悲劇は、中国のネット上ですぐに拡散され、物議を醸した。というのも、2018年は類似事件が中国各地で、多発していたからだ。事故後、マスコミも素早く事故原因を究明するために、各関係者にインタビューを行った。

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 以下はその情報を整理したものである。

住民:以前も同じマンホールが破損したことがあった。当時は団地管理部門が対処したはずだから、今回の落下事件は、団地管理部門に責任があると思う。

警備員:事故発生場所は正確には駐車場ではないです。これは団地住民に何度も通達しているが駐車場が不足していることから無視されている。本来駐車禁止の場所であった事から、被害者にも責任はあったと思う。

団地管理部:マンホール周辺には芝生があり、通常は立入も駐車も禁止の場所である。しかし、駐車場不足により、住民がたびたび緑地内に駐車をする事で、芝生は跡形も無くなった。その後、誰もが駐車をするようになった。そのせいで、今年5月にはマンホールが破損、建設業者が残していた予備のマンホールと交換した。交換後、11月中旬に点検をした際には問題は見当たらなかった。今回の事故は住民のモラルの無さとマンホールの耐強度に原因があると思う。

マンホール製造業者:今回の事故原因となったマンホールは建設業者からの依頼で作成した樹脂製のものである。樹脂製は耐強度が弱く、駐車などを行う場所では原則として金属製を使用する必要がある。また、自己検証後、マンホール下は浄化槽があることが判明したが、その場合は鉄製マンホールを使用する義務がある。これは、建設業者の責任で有り、我々に過失はないと結論づけた。

団地建設業者:今回の事故に対してコメントを拒否している。

各ネット上では、この事件に対して以下のようなコメントがあった。

「亡くなった妊婦が一番の被害者ではあるね。」
「団地管理部は普段何してるんだ!」
「樹脂の蓋を使うなんて世界中で中国だけじゃないの?」
「樹脂?意外だな。ダンボール製じゃないんだ・・・」
「鉄だったら、盗まれるぞ。中国では仕方ないことじゃない?」
「え~樹脂の蓋を使えるんだ。勉強になったわ。ありがとう~」
「中国は本当に恐るべし。エレベーターだけじゃなく、マンホールも人を食えるな。」
「建設業者がどこかだけ教えろ・・・そこが建てたビルには絶対行かない」
「今年何回目だよ!政府が責任取れ!」
「全員に責任ある気がする・・」

 関係者たちの回答から、単純に誰かが悪いというものではなく、様々な原因が重なり起こった事件と言える。

 ただ、このような事故は中国においては決して珍しくないことは確かである。そのため、中国へ行く際はマンホールを始め、道端の何気ないものにも注意する必要があるだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

中国杭州で妊婦がマンホールから落下し死亡、事故原因は誰に?