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順天堂大学は、医学部入試をめぐり「女子は、コミュニケーション能力が高い」ことを理由に一律減点していたことが明らかになり、批判が相次いでいる。

 

■女子受験者の一律減点、続々判明

遡ること今年2月、東京医科大学が実施した医学部医学科の一般入試で、女子受験者の点数を一律に減点し、合格者数を調整していたことが判明した。

今月8日には、文部科学省が実施した緊急調査で不適切な事案を指摘されていた、金沢医科大学・福岡大学・岩手医科大学で、現役生や地元出身者への加点など、不適切な扱いがあったことを公表した。

 

■「女性のほうが精神的な成熟が早い」

これでもまだ「氷山の一角」と言われている中、順天堂大学医学部入試をめぐり、第三者委員会から「合理的な理由なく、女子や浪人回数の多い受験生を不利に扱っていた」と指摘されたことを公表した。

「大学受験時点における男女を比較すると、女性のほうが精神的な成熟が早く、男性より相対的にコミュニケーション能力が高い傾向があり、また、大学入学後において男性側の成熟が進み、男女間のコミュニケーション能力が縮小され、解消される傾向がある」

 

との理由で、とくに面接が行われる2次試験において「女子はコミュニケーション能力が高いため、補正する必要がある」として点数を一律に下げていたそうだ。

■「はぁ?」「すべての受験生をバカにしている」

「女子はコミュ力が高い」ことを理由としたことには、各方面で大きな衝撃を与えている。ネットでは「はぁ? 意味不明」「言い訳になっていない」「全ての受験生をバカにしている」と現在も批判が相次いでいる。

産婦人科医の宋美玄氏は「どういう根拠で言ってるの?順天堂大学、大丈夫??」ライターの武田砂鉄氏は「こんなに、失礼で、ふざけた言い訳、聞いたことがない。なんだこれは」と呆れとともに、怒りを滲ませたツイートをしている。

 

■20代男女は、新たな環境に馴染めない?

しらべぇ編集部では、全国20〜60代の男女1,361名に「人との交流について」の調査を実施している。「新しい環境にもすぐになじめるほうだ」と回答したのは、32.8%。性年代別では、男女共に年代が上がるほど高い割合へと変化している。

新しい環境にもすぐなじめるグラフ

新たな環境に馴染むには、コミュニケーション力も必要になってくるが、約7割の人間は、男女問わず「新しい環境に戸惑ってしまう」と感じているのだ。学生、新社会人の年代である20代は2割程度と少ない上、男女別では女性のほうが少ない結果になっている。

10日、順大は会見を開き、今後の対応について説明するとともに、調査報告書をウェブサイトで発表。2017、18年春の入試では、2次試験で不合格となった48人(女子47人)を追加合格にする方針だという。不正な減点は、どんな理由でも許されるものではない。

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(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2018年3月23日~2018年3月27日
対象:全国20代~60代の男女1,361名 (有効回答数)

女子の減点理由は「コミュニケーション能力が高いから」 順天堂大の発表に批判相次ぐ