アル・アインが0-3から追いつきPK戦勝利 マミッチ監督は塩谷の追撃弾を勝因に挙げる

 FIFAクラブワールドカップ(W杯)は現地時間12日に開幕戦を迎え、開催国代表のアル・アインUAE)がオセアニア代表チーム・ウェリントンニュージーランド)と対戦。アル・アインは0-3から同点に追いつきPK戦で勝利したが、ゾラン・マミッチ監督は「あのゴールでチームが復活できた」と、元日本代表DF塩谷司の一撃を称賛した。

 アル・アインは前半15分までに2点を失うと、同36分には不運もあった。元鹿島アントラーズのMFカイオがカウンターからゴールを決めたかに思われたが、その起点となったディフェンスがVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)での確認対象とされた。この試合を裁いた佐藤隆司レフェリーは映像確認の末、アル・アインファウルを認定し、ゴールが取り消された。

 さらに同44分にはチーム・ウェリントンに3点目が入り、試合の大勢は決したかに思われた。しかしその1分後、左サイドから攻撃参加した塩谷がタイミング良く敵陣でボールを奪うと、そのままペナルティーエリア内の左45度からファーサイドに低弾道の鋭いシュートを叩き込み、1点を返した。

 勢いに乗ったアル・アインは後半に2点を返し、延長戦後半の終了間際に退場者を出すアクシデントがあったものの、3-3からもつれ込んだPK戦を4-3で制した。試合後の記者会見でマミッチ監督は、勝利のポイントは塩谷のゴールにあったと語っている。

「あの状況(0-3)から復活するのは、とても厳しかった。しかし、前半のうちに1点を取れたことは神に感謝をしている。あのゴールでチームが復活できた。そして、あのゴールが後半の私たちへスピリットを与え、追いつくチャンスを生んでくれた」

CWCでは通算6試合3ゴール、日本人DFが大舞台で輝きを放つ

 サンフレッチェ広島時代から合わせてクラブW杯3度目の出場となる塩谷は、これで6試合3ゴールと大舞台で輝きを放っており、追撃の一撃が敗色濃厚なアル・アインに大きな希望を与えた。ゲームメーカーのMFモハメド・アブドゥルラフマンが退場処分を受け次戦出場停止になるのは痛手だが、準々決勝でアフリカ代表エスペランスチュニジア)に勝利すれば、昨年のアル・ジャジーラに続き2年連続で開催国UAE代表がベスト4に進出できる。

 4バックの左サイドバックとして奮闘し、延長戦終了間際には足もつっていた塩谷は、中2日となる厳しい日程のなか、チームとともにどこまで回復して臨めるだろうか。(Football ZONE web編集部)

アル・アインに所属するDF塩谷司【写真:Getty Images】