株式会社東洋経済新報社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:駒橋憲一)が、全上場企業に対して2019年の事業環境にとって最大の懸念材料となる米中貿易摩擦に関する調査を実施したところ、長期化すると考えている企業が37%だった一方、早期に終息すると見る企業は6%にとどまりました。調査結果の詳細は12月14日発売の『会社四季報2019年新春号』に掲載します。
 調査対象は全上場企業3720社、有効回答企業は1446社(回答率39%)でした。米中貿易摩擦の業績影響については80社が大きなマイナス影響があると回答しました。構内放送設備やセキュリティシステムを手掛けるTOAが「米国販売品の一部を中国で生産」、トヨタ系で自動車の内外装部品やエアバッグが主力の豊田合成は「主要顧客の輸出減少による生産減少、原材料高によるコスト増」を理由に挙げるなど、中国で製造、生産した製品、商品を米国に輸出している企業や、そうした企業と主に取引している企業が目立ちました。小さいながらマイナス影響があると回答した企業も581社あり、米中貿易摩擦が2019年の業績に悪影響を及ぼすと考えている企業は半数弱に達していることがわかりました。
 一方、プラス影響があると回答した企業は27社ありました。電子機器の受託製造・開発を行うユー・エム・シー・エレクトロニクスは中国以外の「ベトナム、タイ、メキシコ拠点の活用にポジティブ」を理由に、大きなプラス影響があるとみています。もっとも、自社製品、商品が追加関税の対象外であることや先行き不透明を理由に、影響なしと回答した企業が約半数を占めました。
 米中貿易摩擦への対策については、電動工具トップで海外売上高比率8割超のマキタや、放送用ケーブルなどを手掛けるカナレ電気など38社が生産拠点や調達先、販売先の見直しを実施済みで、168社が対策を検討中と回答しました。
 また、2019年の事業環境見通しについても尋ねたところ、69%が2018年とほぼ変わらず、13%が良くなる、18%が悪くなると回答。2019年10月実施の消費増税前に自社製品や商品、サービスに対する駆け込み需要が大きいと回答した企業は28%、小さいと回答した企業は50%でした。

配信元企業:株式会社東洋経済新報社

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