「店側からお勧めしたわけでなく、自ら購入にやってくるお客様が多く、思っていた以上に売れた」。ある家電量販本部のバイヤーは、12月1日からスタートした新4K8K衛星放送で、土、日の4Kチューナーの販売が好調だったと振り返る。

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 全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」でも、放送開始15日前の11月16日・金曜日を「1」とした場合の4K/8Kチューナーの販売台数指数で、12月1日に8倍に増え、翌日の2日・日曜日も7.8倍と好調だったことが分かった。

 家電量販店では土、日や祝日に来店客が増える傾向にある。12月1日と2日を除く土曜日の売れ行きをトレースしてみると、11月17日は1.8倍、24日は3.2倍、12月7日では4.0倍と、週を追うごとに伸びている様子が分かる。

 もっともバイヤーは「4Kチューナー内蔵テレビに買い替える前に、まずはチューナー単体を購入して、新4K衛星放送がどんなものか様子見をしている可能性もある」と手放しでは喜ばない。

 新しいイベントなどの初日に一定数のアーリーアダプターが動くことはマーケティングでよく知られる行動。大多数のマジョリティー層は、新しい放送を楽しむために4Kチューナーが必要であるということをあまり知らない。4Kチューナー内蔵テレビも含めた販売台数を伸ばしていくには、店頭での一層の周知活動と、見たくなるような魅力的なコンテンツづくりが重要になってくる。(BCN・細田 立圭志)

初動は好調だった4Kチューナー