12月15日(土)より、浅田次郎の「輪違屋糸里」を原作に、花街の女性たちから見た新選組の姿を描いた映画「輪違屋糸里 京女たちの幕末」が公開される。

【写真を見る】デビューから10年を振り返った感想を聞いた

今回は主人公の芸妓・糸里(藤野涼子)の親友で、桔梗屋の芸妓・吉栄を演じる松井玲奈にインタビュー。藤野や佐藤隆太と共演した感想や、自身のデビュー10周年などについて話を聞いた。

――「輪違屋糸里―」に出演が決まって、作品からどのような印象を受けましたか?

幕末を描いた作品なんですけど、女性目線から描いているというのが、今まで私が触れてきた幕末の作品にはなかった部分だなと思いました。私が知っている新選組もすごく新鮮に映って、完成したらどういう画になるんだろうという楽しみがありました。

――完成した映像はもうご覧になりましたか?

見ました。京都での撮影で、とても色彩がきれいというのが最初の感想でした。どこを切り取っても画になるし、撮影をしてくださったのも、京都を、時代劇を熟知している撮影所の方たちで、現代劇の現場とは違った決まりごとや、お着物を着ての所作など、撮影をしながら勉強させてもらいました。もっと若い人に時代劇を見てもらえたらいいのになって思いながら撮影していましたね。

――時代劇への出演はこの作品が初めてではないと思うのですが、改めて学んだことなどはありましたか?

以前の現場でもたくさん教えてもらったんですけど、今回の映画では、お着物を着てどうやって歩くかとか、立ったり座ったりの所作とか、和楽器を演奏するシーンもあったので、その練習とか、幕末の時代の女性たちがどういう立ち振る舞いをしていたかということを一から教えていただきました。

この作品がなかったら知らなかったこともたくさんありましたし、そのおかげで別の現場で着物を着る機会があったりしても、こういうふうに歩くときれいに見えるとか、こう振る舞えば女性として美しく見えるとか、勉強したことを生かすことができました。

――糸里役の藤野さんと一緒のシーンが多い役どころですが、藤野さんとは2017年放送の「小さな橋で」(時代劇専門チャンネル)でも共演されていました。何かそういうお話はありましたか?

実は、「小さな橋で」の撮影は「輪違屋糸里―」の後だったんです。また京都の撮影所で会って、「懐かしい感じだね」って話しました。同じシーンはなかったんですけど、着物を着てかつらをかぶっている涼子ちゃんを見ると、やっぱり「輪違屋糸里―」のときを思い出すことはありましたね。

――吉栄の相手役・平山五郎を演じたのは佐藤隆太さんでしたが、初共演の感想は?

私が見てきた作品に出演されていた方だったので、一緒にお芝居できるのがうれしかったですし、現場で一番和気あいあいと喋っていたんじゃないかなって思います。

涼子ちゃんともいろんなことを喋りましたけど、楽しいシーンだけじゃなく、緊迫したシーンも多かったので、お互いにちゃんと空気を読み合って、距離感を保っていた感じですね。

佐藤さんとは“スニーカー好き”というのが共通していたので、現場に履いてきているスニーカーがかわいいとか、今何が欲しいとか、そういう話をしていました。絵に描いたような気さくな人だなって思いましたね。

――ところで、松井さんは今年デビュー10周年を迎えましたが、振り返ってみていかがですか?

あっという間だったなっていうのが一番ですね。でも、「お芝居をするようになってまだ3年目」っていう新人の感覚でいます。

――そのあっという間の中で、ご自身の成長や手ごたえを実感した出来事はありましたか?

手応えはまだ自分の中では見いだせてないですね。でも、この作品は2年前に撮ったんですが、全力で自分が取り組んでいたものを今見ると、そのときだからできた真っすぐな表現と、今だったらこういうアプローチの仕方もできたんだろうなっていう別の見方ができるというのは、自分がやってきたことは無駄じゃなく、ちゃんと実になっているのかなって思える瞬間でした。

――2019年や次の10年に向けてやりたい役や目標などはありますか?

ずっと変わらないのは“生き残っていく”っていうことです(笑)。ずっとお芝居をしていきたいと思っているし、歳を重ねるからこそ出会える役もあると思います。

いろんなことを積極的に勉強して、自分から手を伸ばさないと届かないんだろうなと思うこともあるので、一つ一つを見極めながらもっと楽しい気持ちで、自由にお芝居をやっていけたらいいなって思っています。

――2018年は放送中の連続テレビ小説まんぷく」(NHK総合ほか)をはじめ、「海月姫」(フジテレビ系)や「ブラックスキャンダル」(日本テレビ系)にも出演されていましたが、忙しい中でリフレッシュにしていることはありますか?

かき氷を食べること!(笑)。

――インスタグラムによく載せていますよね(笑)。

かき氷しか載っていないインスタみたいになっているんですけど、おいしそうなお店を探して食べに行ったり、今だったら「秋が終わりに差し掛かっているんだな」とか、かき氷を食べて季節を感じるのが楽しいです。

――秋から冬の時期だとカボチャとかあったりしますよね。

カボチャとか柿とか梨とか、今の時期はおいしいものがいっぱいだなって思います。

――松井さんが思う“かき氷の魅力”って何ですか?

魅力ですか? “おいしい”以外にないです(笑)。

――では、最後に「輪違屋糸里―」を楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。

若い人に見てもらいたいなと思っています。時代劇ってちょっと縁がないなって思いがちだと思うんですけど、現代劇のドラマを見る感じとはまた違って、若いキャストが集まった時代劇というのは、きっと時代劇を見たことのない人にとっては新しい世界に見えると思うので、その新しさを楽しんでもらえたらうれしいです。(ザテレビジョン

映画「輪違屋糸里 京女たちの幕末」で芸妓・吉栄を演じた松井玲奈にインタビュー