2002年のUEFAカップ決勝、フェイエノールト移籍1年目の小野が魅せた華麗パス

 日本人選手として初めて欧州カップ優勝を達成したのが、当時オランダ1部フェイエノールトに在籍した元日本代表MF小野伸二北海道コンサドーレ札幌)だ。2002年5月8日UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)決勝のドルトムント戦に先発した日本人司令塔は、鮮やかなループパスを通してゴールをアシストDAZN公式ツイッターが当時のプレー映像を公開し、さらに公式YouTubeチャンネルでは名勝負を丸ごとプレイバック。ファンから「日本の誇り」「天才がいる」と称賛の声が上がっている。

 2001年、浦和レッズからオランダの名門フェイエノールトに加入した小野は、移籍1年目ながらスタメンに定着。そして迎えたドルトムントとのUEFAカップ決勝で当時22歳の小野はボランチの一角で先発出場を果たした。

 試合は元オランダ代表の長身FWピエール・ファン・ホーイドンクが前半33分、同40分と連続ゴールでフェイエノールトが2-0とリード。一方のドルトムントも、かつてヴェルディ川崎に在籍した元ブラジル代表FWアモローゾの一撃で1点を返す。フェイエノールが2-1とリードして迎えた後半5分に小野が魅せた。

 敵陣中央でドルトムントの元ドイツ代表MFラース・リッケンがトラップミスをすると、その瞬間を老獪に狙っていた小野が素早く反応。ダイレクトで前方に緩やかなループパスを送り、絶妙なタイミングでオフサイドラインをかいくぐって突破した元デンマーク代表FWヨン・ダール・トマソンが、そのまま相手GKとの1対1を制して追加点を奪った。

“小野&トマソン”のホットラインでタイトルを引き寄せる一撃 「天才がいる」と称賛

 その後1点を返されたフェイエノールトだったが、“小野&トマソン”のホットラインで奪った一撃が決勝点となり3-2と勝利。フェイエノールトにとっては、実に28年ぶりの欧州タイトルとなり、日本人選手として初めての欧州カップ制覇となった。

 DAZN公式ツイッターでは小野の“エンジェルパス”を映像付きで紹介し、「小野が“見つけた”追加点」と言及。さらに「トマソンのゴールを演出したのは小野伸二ループパス。オンサイドの味方を見逃さずパスを届け、チームの勝利を近づけた!」と振り返っている。

 またDAZN公式YouTubeチャンネルでは当時の試合をフル映像で公開しており、小野のプレーを受けて返信欄では「天才がいる」「日本の誇り」と称賛コメントが並んだ。

 フェイエノールトに5シーズン在籍した小野は、浦和、ボーフム、清水エスパルス、ウェスタン・シドニーワンダラーズを渡り歩き、2014年から札幌に在籍。今季は7試合の出場にとどまったが、39歳のプレーメーカーが要所で見せる輝きは今も失われていない。(Football ZONE web編集部)

フェイエノールト時代のMF小野【写真:Getty Images】