映画『ハッピーアイランド』が2019年初春に東京・渋谷のユーロスペースで公開される。

『第3回四万十映画祭2018』長編部門最優秀賞や『福岡インディペンデント映画祭2018』100分ムービー部門最優秀作品に輝いた同作は、東日本大震災原発事故による風評被害を受けたが農業を営み続けた祖父の姿を見て渡邉裕也監督が映像化した作品。福島で農作業を手伝うことになった真也が次第にやりがいを見つけていく中、福島産の野菜を毛嫌いする人々に手を上げてしまい、地元の人々との心の溝を埋められず、東京に帰ろうとするというあらすじだ。

仕事を転々とし中途半端な生活を送っていた23歳の真也役に吉村界人がキャスティング。渡邉監督は「不器用だけど、実は良い奴。この作品の中で、辛くもどかしい状況の中でも、生きなきゃいけない、という事を描きたかった。主人公もそんなまっすぐな眼を持っている人が良い」というイメージから親交のあった吉村にオファーをしたという。共演者は、震災で妻を亡くしたが農業を営み真也の成長を後押しする正雄役の萩原聖人、真也が淡い恋心を抱く保育士・里沙役の大後寿々花ら。音楽と主題歌は古舘佑太郎(2)が担当した。今回の発表とあわせてポスタービジュアルも公開。

古舘は「映像の中に出てくる景色、言葉、表情のおかげで生まれたメロディ、詞がありました。“答えは1つじゃない。もしかしたら正解なんて無いのかも知れない。それでも…”というのが、僕の個人的なテーマであり、結論でもあります。その後に続く言葉は、観た人それぞれなのかも知れません」とコメント。

また渡邉監督は「2011年夏に祖父の風評被害で野菜が売れなくても農作業を続ける姿を見ました。2015年秋に界人にカフェであってこんな話をやりたいんだとプロットを渡し、企画の話をしました。2015年年末に福島の方々に支えられ、『ハッピーアイランド』を撮影しました」と述べている。

■古舘佑太郎(2)のコメント
映画『ハッピーアイランド』公開おめでとうございます。3年前ぐらいでしょうか。監督からお話いただき、本編と睨めっこをしながら音楽を紡いだあの日々を思い出しました。映像の中に出てくる景色、言葉、表情のおかげで生まれたメロディ、詞がありました。
“答えは1つじゃない。もしかしたら正解なんて無いのかも知れない。それでも…”
というのが、僕の個人的なテーマであり、結論でもあります。その後に続く言葉は、観た人それぞれなのかも知れません。

■渡邉裕也監督のコメント
2011年夏に祖父の風評被害で野菜が売れなくても農作業を続ける姿を見ました。2015年秋に界人にカフェであってこんな話をやりたいんだとプロットを渡し、企画の話をしました。2015年年末に福島の方々に支えられ、『ハッピーアイランド』を撮影しました。そして、ようやく震災からもうすぐ8年、公開することができます。農作業を続ける祖父がかっこいいと思って作りましたが、祖父はもういません。いないけど、この映画が届けばいいと思います。
そして、世の中の方々にこの映画を観て頂き、祖父と福島で闘う農家の方々を自慢出来る事を嬉しく思います。

『ハッピー​アイランド』ポスタービジュアル ©ExPerson2019