老後などに向け、資産運用のため、また将来に備えて二人以上の世帯ではどの程度の金融資産を保有しているのでしょうか。老後資金の準備は、早ければ40代、また50代ともなれば誰しも気になったり、準備をし始めるのではないでしょうか。今回は2018年11月に発表された知るぽると(金融広報中央委員会:事務局 日本銀行情報サービス局内)「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](2018年)のデータを参考に見ていきましょう。

金融資産の平均はいくらか

各世帯で金融資産の平均はどのくらいなのでしょうか。

同調査によれば、2018年の金融資産の保有額の平均値は1151万円となっています。

「えっ?!みんな1000万円も金融資産を持っているの?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。ちなみに、中央値は450万円となっており、その金額を聞くとほっとしている方もいるのではないでしょうか。

この金融資産は、調査においては「定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または将来に備えて蓄えている部分とする。ただし、商・工業や農・林・漁業等の事業のために保有している金融資産や、土地・住宅・貴金属等の実物資産、現金、預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えている部分は除く」とされており、いわゆる運用資金ということも言えるでしょう。

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金融資産の中身は何か

また、金融資産といっても金融機関の預貯金というわけではなく、保険や有価証券も含みます。その内訳も見ていきましょう。

以下、平均値の中身の内訳となります。

  • 預貯金:505万円

  • 保険:382万円

  • 有価証券:221万円

  • その他金融資産:43万円

こうしてみると、「日本人は貯金好き」といわれるように、預貯金の比率が高く、また保険もそれに次いで多いことが分かります。「日本人は保険好き」というのも預貯金と同様にその傾向は指摘されます。

国や証券業界では「預貯金から投資へ」と掛け声をかけ続けて久しいというのは皆さんもご存知かと思います。とはいえ、有価証券投資はまだ主力とはなっていません。

貯金がない!さて、どうするか

さて、金融資産を保有しない世帯はどれくらいあるのでしょうか。

今回の調査では、金融商品を「いずれも保有していない」と回答した比率は1.6%となっています。運用のために預貯金を含めて金融資産を持っていない世帯が約2%もあるということが分かります

今後は世代にもよりますが、老後に自分が思ったよりも長生きすることなどの状況を含めて資産形成には注目が集まってくるのではないでしょうか。

資産運用としての預貯金がいまだ比率が高いこともわかりましたが、保険に関しても終身保険や養老保険といった貯蓄型保険などが好まれる傾向もあります。

金融資産のリスク度はそれぞれ異なるものの、老後資金の準備にどのような資産配分(アセットアロケーション)をすればよいかに注目が集まりそうです。

【参考資料】

知るぽると(金融広報中央委員会:事務局 日本銀行情報サービス局内)「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](2018年)