PC事業の再編が続いている。2014年にはソニーのPC事業が独立し、VAIO社が誕生。11年にはレノボNECのPC事業を、18年5月には富士通のPC事業を買収した。国内の老舗PCブランドが再編を余儀なくされる中、東芝のPC事業も今年10月にシャープが買収。来年にはPCの「TOSHIBA」ブランドが消えることが決まった。

オリジナルで読む

 シャープ12月3日、東芝のPC事業、東芝クライアントソリューションの中期経営計画を発表した。まずは19年1月1日に社名を「Dynabook」に変更することを明らかにした。

 シャープの副社長と東芝クライアントソリューションの会長を務める石田佳久氏は「シャープが80.1%の株式を取得している中で、東芝(TOSHIBA)という名前を残すことに違和感がある」と説明。さらに「そもそもdynabookは、ハードウェアに対する期待が込められた言葉だった。今、時代とともに環境が変化し、技術が進化する中で、dynabookという言葉も進化させたいと考えている」と説明し、新たな社名「Dynabook」の姿を模索していく考えだ。その上で「21年までに株式公開を目指す」とした。

 中期経営計画の具体的な戦略については覚道清文社長兼CEOが説明した。

 まずはハードウェアとサービスを融合し、新たな価値を提供することを目指すという。19年から20年にかけてはハードウェアの強化とラインアップの拡大に注力する。現在、ノートPCが中心になっているラインアップに、デスクトップPCやワークステーション、サーバーなどを加える。さらに欧米、アジアへの再展開を見越した「プレミアム機」や「アジア攻略機」をノートPCカテゴリーに用意する計画だ。

 ソフトウェアでは、シャープのAIoTクラウドサービス「COCORO+」との連携や、PC暗号化ツールのSmart DEやdynaCloudの充実、運用一括請負をするライフサイクルマネジメントサービスの強化を進める。こうしたハードウェアとソフトウェアの融合を進めながら、シャープの拠点やインフラを有効活用したグローバル展開にも着手する。

 覚道社長兼CEOは現在の売上状況について「日本市場への依存度が高い」とし、今後は海外事業の比率を引き上げていく。18年度の22%を19年度には35%、20年度には42%まで拡大する目標を掲げた。

 新生Dynabookが、日本・海外で利益持続事業に転身することができるか注目したい。(山下彰子)

(左から)石田佳久 会長、覚道清文 社長兼CEO