“お兄ちゃん“との久しぶりの再会だった。ザンクト・パウリに所属するFW宮市亮は10日に行われたブンデスリーガ2部第16節のボーフム戦で、韓国代表MFイ・チョンヨンとの再会を果たした。

 2人は今から約7年前に当時プレミアリーグにいたボルトンで出会った。当時19歳だった宮市は2012年冬にアーセナルから出場機会を求めてボルトンにレンタル移籍した。同年2月11日のウィガン戦でプレミアリーグデビューを飾ると、2戦目で先発デビューしたチェルシー戦ではDFブラニスラヴ・イヴァノヴィッチとDFガリー・ケイヒルを圧巻のスピードで置き去りにするなど、強烈なインパクトを残してレギュラーに定着。半シーズンで公式戦14試合に出場した。

 そんな宮市の活躍を支えたのが、2009年からボルトンに在籍していた4歳上のイ・チョンヨンだった。当時23歳の韓国代表MFは、右足の骨折で長期離脱を強いられていたものの、シーズン途中に入ってきた宮市をサポート。ピッチでの共演が叶わないまま、別々の道を進んでも交流は続いた。それから約6年半が経ち、イ・チョンヨンはクリスタル・パレスを経て、今シーズンからボーフムに加入。宮市の3年後にドイツでの挑戦をスタートさせた。

「ホントもうめちゃめちゃ話しました」。宮市はまるで誇らしい兄を自慢する弟のような満面の笑顔を見せた。「イ・チョンヨンは本当のお兄ちゃんって言ってもいいぐらい、ボルトンで本当にお世話になった。電話とかメールとかはしていたけど、彼がイングランドにいて、僕がドイツにいてなかなか会う機会がなかった。久しぶりに会って話が尽きなかったし、また今からちょっと会います」。

 しかし不運にもピッチでの対戦は叶わなかった。イ・チョンヨンは移籍後レギュラーの座をつかんでいたが、累積警告による出場停止処分で欠場。試合はザンクト・パウリが3-1で勝利したが、宮市は「彼は韓国でレジェンドだし、今日も彼がプレーしていたら、流れも変わっていたと思う」と振り返った。

「次回やるときはピッチの上で戦いたい」。ザンクト・パウリが次にボーフムと対戦するのは2019年5月12日の第33節。5カ月も先のことだが、ケガから復帰したばかりの宮市もその頃には完全復活を遂げているだろう。次は本気の“兄弟対決”に期待だ。

約7年前にボルトンで同僚だった宮市亮(左)とイ・チョンヨン(右)[写真]=Getty Images