iStock-846982640_e

istock

 近年のライフスタイルの変化により、学校の始業時間の見直しが迫られている。

 始業時間を遅くさせた方が、学力や幸福度の向上につながるとする研究結果が報告されていたが(該当記事)、またしてもその結果が裏付けられたようだ。

 アメリカワシントンシアトルの高校2校で、始業時間をほぼ1時間遅らせてみたところ、生徒の睡眠時間が30分ほど長くなり、成績の向上にもつながったそうだ。

 さらに、低所得層の家庭の生徒らは遅刻が減り、出席率が向上するという効果まであった。

―あわせて読みたい―

早起きは三文の徳ではなかった?10代の子どもたちにとって早起きは体に良くないという研究結果(米研究)
学校の始業時間を遅くすることで、生徒の幸福度が改善される(シンガポール研究)
朝早い授業は睡眠不足を引き起こすだけ。米医師会が中高生の始業時間を8時半以降に設定するように勧告
ニューヨーク市の公立学校の学生の約10人に1人がホームレスであることが判明(アメリカ)
睡眠不足はあなどれない。睡眠不足が引き金となって起きた5つの世界的大惨事

高校生は慢性的な睡眠不足にある

 高校生くらいにもなると、夜更かしをすることも多く、専門家が推奨している8時間から10時間という睡眠をとることはあまりない。

 そうした学生の慢性的な睡眠不足が常態化していることを受けて、専門家からは学校の始業時間を遅らせてはどうかという提案がなされていた。

 こうすることで自然な就寝時間、つまり体内時計によって生物学的に決められた就寝時間をずらすことなく、生徒に長く眠っていてもらえるようになるはずだからだ。

 しかし学校の就業時間を遅らせると、それで睡眠時間が長くなり、さらに成績まで向上することになるという具体的なデータはなかった。

iStock-828469186_e

istock

睡眠時間が長くなり、成績が向上することが判明


 そこで2017年シアトルの学区では高校2校の始業時間を2週間だけ55分遅らせて(7時50分 → 8時45分)、学生の睡眠時間にどのような変化があるのか確かめてみる実験が行われた。

 睡眠時間の測定には手首に着用する測定機器が利用された。

 その結果、確かに睡眠時間に改善が見られ、2016年比で平均睡眠時間が34分長くなり、これによって成績が平均4.5パーセント向上した。

 遅刻の回数や出席率については、実験に参加したうちの1校では特に変化が見られなかった。

 しかし所得の低い家庭の学生が多いもう1校の方では、遅刻が減り、出席率も向上したことが確認された。

 こうした低社会経済層の子供たちへの効果を鑑みると、恵まれた子供たちと恵まれない子供たちの間にある学習格差を埋めることにもつながるだろうと研究の著者は述べている。

References:Delayed high school start times in Seattle increase sleep, grades and attendance/ written by hiroching / edited by parumo

 ライフスタイルの変化により、現代人は概日リズムは変化している。学生だけではなく会社員に関しても、就業時間を遅らせた方が良いとする研究結果もある。

・午前10時前の就業開始は拷問に等しく、従業員を病気にする(英研究) : カラパイア

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52268804.html
 

こちらもオススメ!

―料理・健康・暮らしについての記事―

悪いニュースを伝えるなら朝と夜どちらが良いのか?心理的ストレスは朝の方が大きい(日本研究)
目からウロコのライフハック。サランラップの保管場所を変えるだけで、失敗しても簡単に剥がしやすくなる
ここにもそこにもあそこにもクマー!巨大テディベアに占拠された街(フランス)
香港の住宅地高騰。駐車場1台分のスペースと同じ広さしかないアパートが5500万円もする件
フリーマーケットで購入し歯ブラシ置きとして雑に使っていた陶器、実は4000年前の貴重なものだった(イギリス)

―知るの紹介記事―

アナログ写真に写る少女の口から入り込もうとしている発光する霊的物体
母の気持ちは母ならわかる。むずがる2人の子供を連れて飛行機に乗ろうとしていた女性を助けた3人の女性(アメリカ)
この人ならいける!あたたかな女性の胸に飛び込んできた野良の子猫、家族として迎え入れられる(カナダ)
悪いニュースを伝えるなら朝と夜どちらが良いのか?心理的ストレスは朝の方が大きい(日本研究)
300年前の海賊の幽霊と結婚した女性がスピード離婚していた!?「幽霊には迂闊に手を出すな」と人々に警告
高校の始業時間を1時間遅らせたら生徒の成績の向上。睡眠時間が長くなり出席率も上がる結果に(アメリカ)