このごろ、NPO法人「言論NPO」などが行った日中両国の相互理解に関する世論調査によると、日本に「良い」印象を持つ中国人の割合が42.2%となった。これには政治面での関係改善に加え、訪日中国人の増加で日本への理解が深まったことも関係しているだろう。中国メディアの快資訊は14日、日本文化を好きになることは「外国崇拝には当たらない」と主張する記事を掲載した。なぜなら、日本には「唐の文化を見ることができる」からだという。

 日本はかつて唐へ遣唐使を送り、唐から多くを学び取り入れた。そのため記事は「唐を見たければ日本へ行けというのは少しも誇張ではない」としている。現代中国では、唐文化の面影はほとんど残っていないが、日本には面影が残っているように見えるからだという。

 記事では、唐文化の例として「刺身」、「椅子ではなく床に直接座ること」、「料理を1人分ずつ盛り分けて出すこと」、「建築物」を挙げている。記事によると「刺身」は古代唐の時代にすでにあった習慣だという。床に直接座る習慣も唐の時代の特徴で、椅子に座るようになったのは宋の時代からだとしている。

 また、現代の中国では料理を大皿に載せてみんなで取り分けるが、唐の時代では1人分ずつ盛り分けていたと指摘。これは、当時は食事の時にも序列があったほか、生産量も多くなかったため1人分ずつに分けていたが、宋の時代から生産力が向上したため大皿に盛るようになったのだという。「この方がみんなで楽しめ、平等で序列は関係ないので大きな進歩だ」と記事は自賛している。しかし、大皿からそれぞれが箸でつついて食べるのは、衛生面では不安でもある。

 記事は結論として、日本の文化を好む人が増えていて、一部の中国人は「日本文化を好むことは外国崇拝だ」と批判しているが、日本文化には学ぶに値する点も多く、「日本文化の中に中華文化の影を見ることができるので好きになるのだ」と結んだ。

 中国は悠久の歴史と素晴らしい古代文化があったにもかかわらず、権力者や政治体制が変わるたびに過去の文化が否定され、今ではほとんど残っていないというのは実に残念なことである。この点、日本は伝統や文化の保存で成功してきたと言える。これからもこうした伝統や文化は大切に残していきたいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本を好むのは「外国崇拝ではない」、なぜなら日本には「唐の文化」が息づいているから=中国