8日、英国のグレーター・マンチェスターで、13歳(当時)の女子生徒フェイス・ヒンドルさんが自宅で自殺しているのを母親が発見した。地元紙は、ネット上でのいじめが自殺の原因だとして、家族が警察に捜査を依頼していると報じている。
■「ネットいじめ」の証拠をスマホに保存
祖母の話によるとフェイスさんは生前、インスタグラムやスナップチャットなどの画像・動画共有アプリで暴言や侮辱の言葉を投げつけられていたという。
「このようなアプリでは時間が経つとメッセージが消滅すると聞いたわ。でもフェイスはいじめの証拠をちゃんと保存していたのよ」
フェイスさんのスマートフォンには、彼女に対する「ネットいじめ」の証拠がスクリーンショットとして残っていた。
「例えば、あの子が『ここにいてもつまらない』と投稿すると、『そんなこと言ってないで消えれば』『自殺すればいいのに』などという返信が書き込まれている。本当に恐ろしいことが起きていたの」
■亡くなる前の不審な行動
自殺の数時間前、フェイスさんは父親と夕食を食べに行くと家族に告げ外出した。しかし実際には2人の友人と会い、その後すぐに帰宅。夜遅くに仕事から帰った母親のシャーリーンさんが、寝室で娘の遺体を発見した。
フェイスさんは自宅に誰もいなくなった隙に自ら命を絶ったと見られている。
■家族の精神的なショックは計り知れず
取材に対してフェイスさんの父親は、
「娘が亡くなったなんて信じられない。まだこの現実をまだ受け入れられないでいる。フェイスは性格の明るい子で、私にとって自慢の娘だ。いつものように冗談を言ってみんなを楽しませてくれたその翌日に、自ら命を絶つと誰が予想できただろうか」
と答えている。フェイスさんは精神的な病を抱えつつも、スポーツカレッジに通うごく普通の専門学校生だった。間もなくクリスマスを迎えるこの時期に、娘の葬儀を執り行う両親の気持ちを思うといたたまれない。
■クラウドファンディングには100万円以上が
家族の知人がフェイスさんの葬儀代を集めるクラウドファンディングを立ち上げ、12月16日現在、400人以上のサポーターから目標額を大きく上回る7,900ポンド(約110万円)の寄付が集まっている。
サポーターたちからは、フェイスさんの家族を気づかうメッセージが寄せられた。
「フェイスさんの家族と友人たちのことを思うと心が痛みます」
「ほんの少しですが助けになればと思い、寄付します」
「どんな慰めの言葉も家族の痛みを癒すことはできないとわかっています。気持ちを送らせてください」
また、フェイスさんの父親のSNSには、「話し相手が必要な時はいつでも電話して」「フェイスのために祈りを捧げます」など知人や友人たちからのメッセージ投稿が続く。
ネットいじめがフェイスさんの自殺の原因である可能性と、顔も知らない多くのサポーターからの善意という相反する事実を目の前に突き付けられた今、言葉の持つ影響力の大きさを再認識する必要があるだろう。
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