みかんを食べる父と娘の会話を描いた漫画がSNS上で話題となっています。大好きなみかんを「いかん」と発音する娘。ある日、父と娘でみかんを食べているときの会話を耳にした母は…という内容で、「素敵なパパとママ」「ほほ笑ましい」「キューンとします」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

優しい目で物事を見る夫にほれた

 この漫画を描いたのは、グラフィックデザイナーのやまぎし みゆきペンネーム)さん(32)です。娘ちーちゃん(2)とおなかの中にいる第2子を育てながら、漫画を描いています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつ頃からですか。

やまぎしさん「娘が生後3カ月の頃から、日々の娘の仕草や子育てに対する自分の気持ちの変化を記録したいという気持ちで描き始めました。あとは、単純に絵がうまくなりたいという理由です(笑)」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

やまぎしさん「普段はバタバタしていて夫のことは後回しになりがちでしたが、『こんなふうに優しい目で物事を見るところにほれたんだったな』と思い出して、自分のこういう気持ちも忘れたくないなと思ったからです」

Q.インスタグラムに育児日記をアップすることで、何か変化はありましたか。

やまぎしさん「育休中は孤独を感じることが多かったのですが、“いいね”やコメントを通じてたくさんの方とコミュニケーションを取ることができ、新しい世界が広がったような気がしました。育児に関する悩みや、ちょっとした気づきに対して共感やアドバイスをもらえることは、すごくうれしいことだと改めて思いました」

Q.ちーちゃんの「小鼻プク~」は気づいていたのでしょうか。

やまぎしさん「気づいてはいましたが、特に意識して見ていませんでした。夫が改めて、デレデレしながら言ったことで、愛らしいポイントだったことに改めて気がつきました。普段から一緒にいると、見えていても気に留めないことが案外多いと実感しました」

Q.パパの「溺愛エピソード」があれば教えてください。

やまぎしさん「私は娘と遊ぶとき、『こう接したら教育やしつけにいいのではないか』と頭のどこかで考えているフシがあるのですが、夫は積み木でもぬいぐるみ遊びでも純粋に一緒に遊びを楽しんでいる感じがします。

たとえば、アンパンマンのぬいぐるみを踏んだときの声かけは、私は『踏んだらアンパンマンがかわいそうでしょ』ですが、夫は『踏んだらアンコ出てきちゃうよ』(笑)。娘は夫の声かけの方が納得できるようで、休日はキャッキャしながら遊んでいます」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

やまぎしさん「『うちの子はミカンをこんなふうに言うよ』『うちの子もミカン大好き』というコメントが多かったです。さまざまなご家庭の様子を知れるのはうれしいですし、とても新鮮だなと感じました。あとは夫を褒めていただいたり…恐縮です(笑)」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

やまぎしさん「気づいたことや悩んだことがあったら、気軽に発信できればと思います。今は思ったことをツラツラ描いている状態ですが、もう少しうまい言い回しやツッコミができるようになりたいです。東村アキコさんが好きなので、あんなふうに、ズバリとしたツッコミや笑いが描けたらとひそかに研究中です」

オトナンサー編集部

みかんを食べる父と娘を描いた漫画のカット=やまぎし みゆき(yukiyama_27)さん提供