平成最後の忘年会新年会シーズンがやってきました! 年末年始は、飲み会が多くなりがちです。毎週末、あるいは毎日のように飲み会の予定が入っている方もいるかもしれません。 アルコールに対する“強さ”は、人それぞれです。「いくら飲んでも酔わない」人もいれば、「ほんの一口で頭が痛くなってしまう」人もいます。飲めない人が無理に飲んではいけないのはもちろん、飲める・好きだからといって大量に飲むのも病気や体調不良の原因となります。 本記事では、お酒とうまく付き合うための7つのポイントをご紹介します。お酒をたくさん飲む人も、あまり飲まないという人も、健康とアルコールの関係について一緒に考えてみませんか?

その1:お酒は適量を楽しもう

いくら強いからといって、お酒は無限に飲んでよい飲み物ではありません。ほどよくお酒を楽しむために、「節度ある適度な飲酒」の量を知る必要があります。

また、お酒の適量には個人差があります。同じ人であってもその日の体調によって酔い具合が変わってくるため、「この量なら大丈夫」と言い切ることはできません。自分の体調とも相談しながらたしなむことをおすすめします。

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その2:二日酔いの仕組みと対策を学ぼう

お酒を飲みすぎて、翌日まで頭痛や吐き気、ほてりなどの症状が残っていたことはありませんか?

多くの人が経験しているであろう二日酔い(宿酔)は、体内で代謝しきれなかったアセトアルデヒド(アルコールの分解時にできる有害物質)によって起こる症状です。

楽しい飲み会を嫌な思い出にしないためにも、まずは二日酔いを起こさずに飲めるペースを知りましょう。念のため、二日酔いになってしまったときの対処法も覚えておくと良さそうです。

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その3:「イッキ」は絶対だめ!急性アルコール中毒は死に直結する

「イッキ!イッキ!」というコールは、1980年代には流行語大賞に選ばれたこともありました。しかし、「イッキ」は急性アルコール中毒を引き起こし、死に直結することもある危険な飲み方です。

短時間に大量のアルコールを摂取すると、血中アルコール濃度が急激に上がります。すると意識レベルが低下し、嘔吐や呼吸状態の悪化などの症状が出ます。この急性アルコール中毒は特に、大学生・新社会人などの若者に多くみられるようです。

「イッキ」は大変危険な行為ですので、絶対にしないでください。もちろん、周囲の人にさせるのも厳禁です。

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その4:習慣的な飲み過ぎは「依存症」につながることも

アルコールは、強い依存性を持つ物質です。多量の飲酒が習慣になると、少しずつ身体がアルコールに慣れてしまい、徐々に量が増えていきます。やがて、お酒を飲まないと心身に様々な症状が出るようになってしまいます。これがアルコール依存症です。

アルコール依存症になると、自分の意思で飲酒行動を制御することはできなくなります。仕事や人間関係など、それまで大切にしてきたものが壊れてしまっても、自分では対処できなくなるのです。医療機関で正しい治療を受けることが必要になります。

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その5:飲みすぎがもたらす健康への影響を知ろう

口から摂取したお酒は、肝臓で分解されます。そのため、長年かつ多量の飲酒習慣は肝臓にも負担を与えます。アルコール性肝障害脂肪肝をはじめとする病気につながりやすいのです。

このほか、お酒の飲み過ぎは様々な症状・病気の原因となりますが、こうした場合、治療では断酒が必要になるケースが大半です。美味しいお酒を楽しく・長く楽しむためにも、アルコールが健康に与える影響を知り、適量の飲酒を心がけてください。

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その6:お酒が飲めない人も多い!無理しない・させないことが大事

肝臓では、何種類かの酵素がアルコールを分解します。このうちALDH2という酵素の働きが弱いと、お酒に弱い体質になり、少量の飲酒で顔が赤くなる(フラッシング)などの症状がみられます。

日本人は半分近くがお酒に弱い体質です。これは遺伝により決まっており、練習しても飲めるようにはならないので、無理な飲酒は避けましょう。

また、未成年者の飲酒は法律で禁じられています。ほかにも、服薬中・病気の治療中などでお酒を避けている人もいます。飲めない・飲みたくない人たちに、無理にお酒を飲ませるのは禁物です。

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その7:健康にお酒を楽しむためには「休肝日」が大事

飲み会シーズンには、毎日のようにお酒を飲む機会が訪れる方もいるでしょう。お酒を飲んだ後、肝臓がそのアルコールを分解するまでには、平均で6~7時間かかるといいます(アルコール健康医学協会より)。お酒を飲み終えた後も、肝臓はしっかり働いているのです。

毎日のように飲酒を繰り返していると、酷使された肝臓はやがて異常を起こしてしまいます。また、日々の飲酒は依存症にもつながります。

こうした病気を避けるために、お酒を飲む機会が多い方は意識的に「休肝日」を設けるのがおすすめです。

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最後に

お酒は、「百薬の長」とも「万病の元」とも呼ばれます。適度かつ節度ある飲酒は人と人とをつなぐ潤滑油のはたらきを担うことがある一方で、過度の酩酊やアルコール依存症はあなたの人生を台無しにしてしまうこともあります。

お酒を長く楽しむため、またお酒で嫌な思いをしないためにも、ご自身とアルコールとの関わり方を今一度見直してみませんか?

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