人とコミュニケーションを取るときには、会話の中身も大切ですが、顔の表情も重要です。顔のパーツの中で感情が出やすいのは目元や口元ですが、実は日本人と欧米人では感情を表現する際、どちらを重要視するかに違いがあります。その違いは、使われる顔文字のバリエーションにも現れているようです。

顔文字に現れる、日本と欧米の違いとは?

皆さんはメールやチャットを送るとき、顔文字を使っていますか? 顔文字絵文字、スタンプは、言葉だけでは冷たい印象になりがちな文章に、表情や気持ちを乗せられる便利なアイテムですよね。例えば「ありがとう」と言葉だけ送るよりも、「ありがとう(^_^)」と顔文字を添えたほうが、喜びの感情が伝わりやすいものです。

しかし、日本人と欧米人とでは使う顔文字が少し異なるそうです。日本人は (>_
欧米の顔文字は横倒しで表記されます。例えば、怒っている表情 :‐( や笑っている表情 :-) 舌を出している表情:-P といった具合です。欧米人は日本人とは違い、目のパーツではなく口のパーツを変えて表情を表現するのだそう。さらに欧米では、感情を強調する場合、口のパーツを重ねます。例えば、喜びの感情を現す :) という表現が、すごくうれしいときには、 :))))) となるのです。

目元の表情を重視する日本人と、口元の表情を重視する欧米人

顔文字を比べてみると、日本でも欧米でも主に目と口を使って構成するところは共通していました。しかし、目のパーツに変化をつけて感情を表現する傾向が強い日本人に対し、欧米では口のパーツで表情を変化させることが多いのです。

このことから、日本人は感情を表現するときに口よりも目元を重視し、欧米人は目よりも口元を重視するという傾向が見えてきますね。

アニメのキャラクターも、日本は目が大きく、欧米は口元が大きいことから、目と口のどちらの表現が重視されているかが分かります。この傾向は、顔を隠さなければならないときに、目と口どちらを隠すかという行動にも現れます。顔を隠したいときにマスクをすることが多い日本人に対し、欧米人はサングラスをかけることが多いといいます。これも、日本人が目を重視し、欧米人は口元を重視していることの現れでしょう。

異文化コミュニケーションには、文化の違いを知ることが大切

これらの違いは日本人と欧米人の感情の表し方が関係しています。感情をストレートに表現することが良いとされている欧米人は、相手の口元で判断します。しかしそれほど感情を表に出さない日本人は、内心が反映されやすい目元から感情を読み取るようです。

こうした違いを知っておくことは、異文化コミュニケーションを図る上で大切だということが分かりますね。あなたが心から喜んでいたとしても、口が笑っていなければ、そのうれしさが欧米人には伝わらないかもしれません。円滑なコミュニケーションを行うには、言葉だけではなく、顔の表情や動きも大切です。

海外の人たちと円滑にコミュニケーションをしたいなら、今回のような、感情の読み取り方の違いなどについても学ぶ必要があります。もし将来グローバルに活躍したいと考えているならば、コミュニケーション学を学んでみてはいかがでしょうか。コミュニケーション学ではどうすれば正確なコミュニケーションを図ることができるかに焦点を当てた学問なので、さまざまな場面で役立つかもしれません。


【出典】
weblio英会話コラム|英語と日本語の「顔文字」に見る英語コミュニケーションのコツ
https://eikaiwa.weblio.jp/column/knowledge/tourism/cultural-difference-from-emoticon

プレジデントオンライン|日本の顔文字が海外より""表情豊か""なワケ
https://president.jp/articles/-/22882