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音楽界きってのガジェットマニアと称される☆Taku Takahashiが、アップルの話題をディープに語る連載。
iPad Pro』と『Apple Pencil』の新モデルが同時発表され、購入待ったなし状態の☆Takuに、その収められない購買衝動を聞いた。

新型『iPad Pro』と『Apple Pencil』がたまらなく欲しい、いや買う!
──今回のイベントでは新製品が3つも発表されましたが、まずは最大の盛り上がりを見せた新型『iPad Pro』(☆1)について感想を聞かせてください。

今まで、なんとかしてほしいと思っていたところが一通り直っていて感心しました。特に新しい『Apple Pencil』(☆2)が良かったです。充電しにくかったり、キャップをなくしそうだったりという弱点が見事に解消されました。磁石でカチッとくっつけるというのも体験的に素晴らしいと思います。これはぜひ、同様に充電しにくい問題を抱える『Magic Mouse 2』に導入してほしい。

☆1 新型『iPad Pro

『iPhone XR』同様、全画面液晶ディスプレイを採用した新デザインモデルが登場。生体認証もFaceIDに変更となった。ほか、USB-C搭載や新型『Apple Pencil』など全面的に進化。11型と12.9型が用意される。

☆2 『Apple Pencil

細かな使い勝手で不満の多かった『Apple Pencil』(別売)がついに改善。新型『iPad Pro』の側面に磁石でくっつけて充電する方式となった。側面ダブルタップでの機能切り替えや、滑りにくいマットな表面加工も◎。

──その発想はありませんでしたが(笑)、確かに『Magic Mouse 2』にも導入されてほしい仕組みですね。

本体側はホームボタンがなくなってスッキリしたと思います。ただ、ミニマリズムを追求しすぎてアップル製品であるという主張が弱まってしまっているようにも感じています。それは専用の『Smart Keyboard Folio』もそう。閉じた時の“iPad感”がなくなってしまっているのがもったいないと思いませんか? かつて『iPod』が出た時、付属のあの白いイヤホンで、周りの人に「あれは何だ?」と興味を持たせることができていたのですが、今回はそういったところがないように感じました。

──ライバル製品が『iPad』に寄せてきているということもあって、たしかに一目でパッとわからないようにはなっていますね。『Apple Pencil』をカチっと付けるところなんかは白イヤホンと同じく、注目を集めそうですけど……。というか、☆Takuさん的にはイヤホンジャックがなくなったことをどのように受け取っていますか?

音楽を聴くことに関してはだいぶ前にBluetooth接続に移行しているので何も困っていません。ただ、音楽アプリを使う際の遅延がどうなるかは気になりますね。もっとも既にオーディオインターフェイスなど、多くの周辺機器がLightning対応になっているので、それをUSB-C(☆3)アダプタ経由で繋げるなら問題ないはず。

☆3 USB-C

高速通信対応でコンパクトな次世代インターフェイス。給電能力も向上しているため、様々なガジェットでの採用が進んでいる。新型『iPad Pro』では、充電やPCとの同期のほか、カメラ画像の取り込みなどに利用できる。

──そのUSB-Cへ移行したことについてはどのようにお考えですか?

以前から言っているように、僕はUSB-Cが大好きなので、『iPad』がUSB-Cに移行したことを喜んでいます。出張時などに、『MacBook Pro』とACアダプターを共有できるのが便利そうです。『iPhone』も早くUSB-Cになってほしいです。あ、あと、新型『iPad Pro』で実現した横向き時のFaceID対応もお願いします。

──新型『iPad Pro』は“買い”ですか?

はい。“買い”だと思います。価格が高いという人がいますが、“Pro”という名称を考えれば、充分に許容範囲でしょう。もちろん、似たようなスペックでもっと安い選択肢があることは知っています。でも、新型『iPad Pro』には、使い勝手を良くする工夫がたくさん詰まっていることを忘れてはいけません。ノートPCと比較して高価だと言う人もいますが、『iPad』は今やPCの代用品ではなく、オルタナティブな選択肢。もはや直接比較するものではないでしょう。僕も、アイデアなどをまとめたい時は、手元に『MacBook Pro』がある場合でも、『iPad』と『Apple Pencil』を取り出すようになりました。

──では、☆Takuさんお買い上げですか?

まだ発注はしていませんが、近いうちに11インチモデルのほうを買おうと思っています。内蔵メモリは今回は512GBかな……1TBは必要なさそうです。

──続いて、新型『MacBook Air』と『Mac mini』(☆4)についても感想を聞かせてください。

新型『iPad Pro』のせいで霞んでしまいましたが、良いアップデートだったと思います。『Mac mini』をスタッキングして使う提案は面白かったです。どちらも登場当初の価格より割高になってしまいましたが、今は世界的に物価が上がっている時期。その中で充分にがんばっているんじゃないでしょうか。今の僕には必要のないハードなので買う予定はないのですが、ターゲットとなる人たちには良い選択肢だと思います。

☆4 新型『MacBook Air』と『Mac mini

新型『iPad Pro』と同時に、長らく更新されていなかったMacの2モデルがリニューアル。USB-C対応など、最新テクノロジーに対応した。ただし、双方、最低価格が数万円ずつアップ。iPhone同様高価格路線に。

──最後に、今回の発表の総括をお願いします。

新社屋の建設にかかりきりになっていた最高デザイン責任者のジョナサン・アイブの手が空いたからなのか、今回の新製品はどれも素晴らしかった。今後は、今回登場した磁石式の充電システムやBluetoothUSB-Cなどのテクノロジーをより発展させていってほしい。特にワイヤレス。充電のほか、映像の伝送などにも活用して、アップルならではの優れたエクスペリエンスで、普及を牽引していってほしいと考えています。

Taku Takahashim-flo,block.fm)/音楽家、DJ。1998年VERBALm-floを結成。m-floデビュー20周年となる2018年はオリジナルメンバーのLISAが復帰し、今夏は『FUJI ROCKFESTIVAL 2018』などに出演。先日「MARS DRIVE」「Piece of me」をリリースした。個人では加藤ミリヤMINMIなどのプロデュースを務め、テレビドラマ信長協奏曲』『人は見た目が100パーセント』などの劇伴を担当するなど、その活動は多岐に渡っている。自身が運営するダンスミュージック専門インターネットラジオ「block.fm」は、開局7年目の今も音楽の新たなムーブメントを発信し続けている。

※『デジモノステーション』2019年1月号より抜粋。

text山下達也(ジアスワークス)
(d.365
掲載:M-ON! Press