大リーグニューヨーク・ヤンキースは、フリーエージェント(FA)になっていた黒田博樹投手(37歳)と新たに1年契約を結んだ。年俸1500万ドル(約12億3000万円)に出来高払いの追加報酬が用意されているという。

  今シーズン、16勝11敗の成績を残した黒田を巡っては、古巣のロサンゼルス・ドジャースをはじめ、複数の球団が獲得に乗り出していた。勝ち数、防御率、先発数、完投数などあらゆる部門の数字がチームトップ。先発として計算できるだけに、どの球団にとっても「のどから手が出る」状態だったろう。黒田にしてみても、好条件の球団を選べたはずだったが、最終的には世界一になる可能性が高いヤンキースへの残留を決意した。

  ヤンキースは今シーズン、アメリカンリーグプレーオフで敗退。伝統あるピンストライプのユニホームに袖を通した黒田もリーグ優勝決定戦に登板し、惜しくも勝利を逃した。それだけに、今度こその思いは強かった。黒田は「今年戦ったチームメートと優勝するために一緒に頑張りたいという思いが強かった」とコメントしている。来年春に行われるWBCの日本代表を断ってまで、ヤンキースの世界一奪回にすべてをささげる覚悟を固めたようだ。(編集担当:柴田亮)