取材を行なった数日後、吉報到着!! “夢は紅白!親孝行!”を合言葉にグループ結成から11年。純烈が本当に夢を叶え、『第69回NHK紅白歌合戦』出場を決めた。今年の紅白初出場組のなかでも、とびきり異彩を放っている純烈。戦隊ヒーロー出身の俳優を中心にグループを結成し、その長身・イケメンなルックスを武器に、昭和テイストのムード歌謡を歌って踊って、トークも達者。そんなサービス精神とプロ根性の塊のようなパフォーマンスで各地のスーパー銭湯を巡り、“スーパー銭湯アイドル”なるポジションを確立したコーラスグループ。現在はマダム層から絶大なる支持を獲得し、今年リリースしたシングル「プロポーズ」の売り上げはすでに10万枚を突破。その大ヒットを記念して、2019年1月9日には『プロポーズ~ありがとうBOX~』発売も決まっている彼らの、紅白初出場者決定を間近に控えたある日のインタビューをお届けしよう。

ハマっちゃったんです。こっちが、マダムとかおばちゃんに。

――まずは、自己紹介を交えながら自分が思う純烈の魅力を教えてもらえますか?

友井雄亮:私からいきたいと思います。純烈のなかでは一番背が小ちゃい身長178cm、振り付けを担当している友井雄亮(ともい・ゆうすけ)と申します。純烈の魅力を一つ挙げるとしたら、完璧すぎない、ちょいユルなところです。

白川裕二郎:主に歌を歌わせていただいてます、白川裕二郎(しらかわ・ゆうじろう)と申します。純烈の魅力は平均年齢が高いところです。僕は今年12月で42歳になるんですけど、“アイドル”と呼ばれています。僕たちがつけた訳ではありませんので。これは世間の方々につけていただいたネーミングです。

後上翔太:最年少の後上翔太(ごがみ・しょうた)です。純烈の魅力は、誰彼かまわず気軽に話しかけていただいても全然大丈夫なところです。スーパー銭湯でライブをやるとき、僕たちがお風呂に入りに行くと、見たことがあるファンの方はお風呂のなかでも話しかけてきます。地元のおじさんとかも「俺の方があの歌うめぇんだよ」って普通に話しかけてきますから。普通に会話できて、それを僕らも喜んでいるところが魅力だと思います。

小田井涼平:純烈の小田井涼平(おだい・りょうへい)でございます。純烈の魅力は“~と思われている”ところですね。“背が高いと思われている”ところ、“距離が近いと思われている”ところ、“アイドルと思われている”ところ。でも実際は違うんです。アイドルだと思われてますけど、実際は“老いドル”ですし。背が高いと思われていても、実際に一番背が高いのは195cmあるマネージャーですし。距離が近いと思われているのは、お客さんが勝手に距離が近いと思ってるだけで、僕らは歩み寄ってはないんですよ(笑)。そういうところが魅力じゃないですかね。

酒井一圭(さかい・かずよし):リーダーです。純烈の魅力は、スターじゃないところかな。スターって距離を置かざるを得ない理由があるじゃないですか? 純烈の場合はないですから。

小田井:スターは隙がないですけど、僕らは隙だらけですから。パンツ一丁の姿も見られてますし、リーダーなんて全裸も見られてますから。

純烈/酒井 一圭 撮影=鈴木恵

純烈/酒井 一圭 撮影=鈴木恵

“入院中も純烈聴きながら頑張れました。ありがとうございます”とか書いてある手紙を見ると、こっちが“ありがとうございます”だし“俺ら辞めへんからな”ってなる。そういう人との心のキャッチボールが純烈の本質の部分です。

――みなさんは年間200本以上ステージをやられているんですよね?

白川:いま何本目?

酒井:今年は200どころじゃないよ?

白川:300本いってる?

後上:今日(11月9日)みたいに1日2ステージとかもありますし。リリースキャンペーンだと1日3カ所のレコード屋さんをハシゴしてCDを売るのが歌謡界の習わしですから。

友井:今年は少なく見積もっても300日は稼働しているはずなんで。

――ということは、お休みは?

白川:月に2回あればいいほうですね。

酒井ブラック企業ですね。いわば(笑)。

――過重労働、休日出勤は当たり前(笑)。

酒井:そういうブラックにも耐えられるメンバーを集めました。だからね、ほんっとに凄いと思いますよ、純烈のメンバーは。マネージャーも含めて、みんなめっちゃ耐えますから。僕らは、キャバレー、銭湯、いろんなところに行くんですけど、行く先々でみなさんが純烈に良くしてくれるのは“コイツらより自分はましだ”って思えるからだと思うんですよ。それぐらい、苦労人の集まりです。一度きりの大事な人生を純烈のために犠牲にしてくれてるすごい人たちなんですよ。

友井:だって、最初に給料もらったときなんて、年収2万円ですよ? だから半端なかったですよ。曲を出せば憶えてもらうためにキャンペーンでいろんなところのデパートやファッションモールに歌いに行くじゃないですか? それはギャラにならないものなんですね。でも、バイトしたくても忙しくてバイトもできないし。生活は超大変でした。

――いまは大丈夫なんですよね?

友井:いまは給料制になりまして、ちゃんと食べれてます。

酒井:芸能界は浮き沈みの波がありますから。

――そういう意味では、純烈はいま、かなりいい波がきているんじゃないですか?

後上:ざっば~んという大きな波はまだきてないですよ。引き潮の後の、波が徐々にきてる感じですかね。

白川:そのまま流されないようにしなきゃ。

友井:波がくるようになったのも、ここ2年ぐらいですかね。テレビの情報番組に出させていただいて。ある番組が“スーパー銭湯アイドル”という名前をつけてくれたんですよ。僕らが元スーパー戦隊出身で、スーパー銭湯で営業しているのに引っかけて。番組で取り上げてもらったのも、僕らはなにもやってないんですよ。ファンの人たちが“純烈、1回でいいから観に行こうよ”って友達を連れてきてくれて、シニアの奥様たちがお風呂に行列を作って並ぶのはなんでなんだ? っていうところから、テレビ局が取材に来てくれたので。だから、ファンの人たちなんですよね、僕らを盛り上げるきっかけを作ってくれたのは。

――ここに至るまでは長かったですか?

後上:僕らは結成して11年、デビューして9年目ですから。

友井:すでにいいおっさんですから(笑)。

酒井:でも、ちょうどよかったんじゃない? 僕らは俳優さんとかをやってたメンバーがいきなり歌い出したので、最初はなんの素養もなかったんですよ。だから、この10年はいい練習時間だったんじゃないかなと思います。

純烈/後上 翔太 撮影=鈴木恵

純烈/後上 翔太 撮影=鈴木恵

去年までは”紅白、スケジュール空けて待ってます“と言っても軽いギャグみたいにとられてたのが、“期待してるよ”と本気で思ってくれるお客さんが増えた。紅白出場はいまやお客さんの夢にもなってます。

――純烈はお客さんとの触れ合い、スキンシップも話題ですけど。そこにはなにか純烈なりの流儀はあるんですか?

酒井:一人ひとりの個性になんとなく合わせていく、かな。例えば、写真撮影とか、会場で握手するとかあるじゃないですか? そういうときにパッと見て、ステージで僕らはコーラスだから、コイツ(白川)が前で歌ってる後ろで“ワワワワー”って歌ってると分かるんですよ。“俺を観てないな。ああ、裕二郎(のファン)ね”というのは。そこで対応を変えるとお客さんは“なんで分かったんですか?”って驚くんですけど、“ずっと裕二郎を見てたやんか!”って言うと、コミュニケーションも広がっていくんです。

後上:人によって対応は変わりますよね。

酒井:一人ひとり親切対応!(笑顔)

白川:例えば、言葉遣い一つとっても、演歌、ムード歌唱の清く尊い歌を聴きに来ましたっていう人には“ありがとうございます”と敬語で返すし。“よかったじゃん!”って言ってくれる人には“ありがとう”で返すし。同じありがとうでも、違うんです。平等じゃないって言われたらそうなんですけど、僕らはそこで相手のテンションとかお客様の求めているものに応じて、言葉のかけ方一つまで変えるんです。それは、別に心がけている訳ではなく、人と人がちゃんと向き合ったら自然とそうなる。そういう人間らしい付き合い方が、たぶん純烈流なんだと思います。

――それはファンの方も嬉しいですよね。

酒井:リアクションとかがいい人だと“なにがおもろいねん!”ってこっちはいろいろいじれるんで盛り上がるんですよ。でも、その次に並んでた人がおとなしい人で“(小声で)ありがとうございます”という雰囲気の人だと、その前はめっちゃ盛り上がってたのにそこで対応の差が出ちゃって、後の人ががっかりしっちゃうというパターンもあるらしくて。

――ああー。お客様のキャラクターに合わせていると、見た目に対応の差が出ちゃうということですね。

酒井:でも、そこはもうしょうがないな、と。

白川:うん、しょうがない。

酒井:たまたま僕らの目の前でつまずいて、おっとっとっとーってなったお客さんがいたとしたら“足大丈夫?”っていうところから、次に会ったときも“あのとき足、大丈夫やった?”ってなり、“え? なんで憶えてるんですか?”っていうところから会話が弾むし。

友井:波長だよね、そこは。別に俺らはえこひいきとかしてないんですよ。平等にその人その人に合わせた対応をしてるだけなんで。

小田井:だからあれやね。総じて、そういうときは味の濃い人の方が得するんすよ。

酒井:あぁー、そういうことやね。

小田井:それは、性格とかしゃべり方とか行動とか、見た目も含めてね。例えば、明らかに芸能人に似ている人とか、変なしゃべり方の癖がある人とかね。そういうほうが目立つから、こっちもいじりやすい。なんでかっていうと、僕らが結成してからずっとライブをやってきた環境、フィールドが、目の前にいるお客さんと向き合わないとやれない場所ばっかりやったから。大きなホールやコンサート会場では、お客さんも一つの客席として全体で見るやり方やと思うんですけど。僕らはずっと目の前のお客さん一人ひとりを見ながらやってきたんで、どうしても目の前のお客さんを見てると、味濃い人が光って見えるものなんですよ。髪の毛のある人よりも無い人のほうが光って見えるように。

酒井:まぶしいぐらいにね(笑)。

小田井:そうそう。それを、さっきメンバーが言ってたみたいに“私のときは盛り上がらなかった”っていう人も中にはいるんですけど。自分はいじられなくても、その味濃い人と僕らのやりとりを見てるのが楽しいという人もたくさんいる。そういうやりとりに巻き込まれたくないわっていう人も中にはいるんですよ。“私には構わんといて”オーラを出してる人には、そういう対応をするし。それは、僕らがやってきたキャバレーだったり健康センターもそうなんですけど、そういう、ステージが一段高くないところにある場所ばかりでやってきたから養われた部分だと思います。

――スーパー銭湯のステージも客席から少し高いぐらいの設定ですもんね。

小田井:そうなんですよ。ステージが低いというだけで、心の中は完全なるバリアフリーになるので、最初に言ったみたいに“距離が近い、と思われてる”し。だから、スターじゃないし。みんなタメ口でしゃべりかけてきますからね、お客さんは。お年寄りの方も、下手したら年下の方でも。だから、最初の頃はそこは悩みましたもん。なんで客にタメ口でしゃべられなあかんのか、なめられてんのちゃうか? って。

酒井:ふはははっ(笑)。

小田井:自分はスターに“ねぇねぇ!”ってしゃべりかけたりできへんわって思うけど。そこを平気で乗り越えられる環境を作ったのは自分たちなのかなと思うと、致し方ないのかなと。

白川:でも、親しみやすさは生まれますから。

小田井:だから、慣れるとこのスタイルは楽ですよ。こっちは気負わなくていいんで。

酒井:しんどいときは“小田井さん、いましんどいんや”って分かってくれたりするし。

小田井:しんどいときは、しんどいって顔しますから。こっちも。疲れてて機嫌悪いときも機嫌悪い顔しますし。そうすると、向こうもそっとしておいてくれるんです。

後上:人間だから、僕らも疲れてるときもあるので。

白川:そうしたほうが、次回そのお客さんといいお付き合いができるんです。

純烈/白川 裕二郎 撮影=鈴木恵

純烈/白川 裕二郎 撮影=鈴木恵

相手のテンションとかお客様の求めているものに応じて、言葉のかけ方一つまで変えるんです。人と人がちゃんと向き合ったら自然とそうなる。そういう人間らしい付き合い方が、たぶん純烈流なんだと思います。

――ライブ中に客席を練り歩くラウンドと呼ばれているパフォーマンスも、人気だとお伺いしましたが。

酒井:先輩がそれをラウンドと言ってたので、僕らもそう言ってますけど。だいたい60分のステージだと10分ぐらい。2~3曲をみんなのなかで歌う、というか握手しまくる。そういう時間がありまして。

酒井:自分たちは背が高いし、おばちゃんはちっちゃいじゃないですか? 隣りに行けば“うわーデカい!”ってなるし、握手をすれば“こんなに手、大きいんだ”ってなって楽しんでもらえるし。あとは“ありがとうね”というのが僕のなかではすごく強いんです。こんな我々のところにわざわざ来てくれて、って。歌や踊りはまだまだ全然たいしたものではないので、それだけだと申し訳なくて“はい終わり”って完結できないんですよ。そこまでの技量はまだないので、じゃあこっちがステージから降りて、みんなで少しでも楽しい時間を作っていこうという感覚なんです。

――ああー。なるほど。ということは、ラウンドも純烈のステージの一部である、と。

酒井:そうです。僕らは、あのステージ上だけがステージという感覚ではないんです。

小田井:そこもね、元々始めたところがキャバレーやったというのがあるからそうなっちゃったんでしょうね。最初から1万人が入る会場でやれるグループだったら、お客さんのところに降りたりしないだろうし。

酒井:純烈はいまでもデカい会場でやりたくないのは、客席を全部回れないからなんですよ。デカい会場でやっても、お客さんはほとんどの時間(ステージの)画面を観てるでしょ? 出るほうとしては、顔も見れないでどうなの? って思ってしまうので。だから、ライブをやるときは端っこの人とか後ろの奥の人、ごめんなさいって思うんですよ。なので、純烈は早くから並んで前のほうにいるファンの方じゃなく、離れてるところに(ラウンドしに)行っちゃうんですよ。よくね、お客さんに“苦労してディナーショーのチケット一番前の席をとったのに、なんで私を素通りして奥に行っちゃうの?”みたいなことを言われるんですけど(笑)。

小田井:これはさっきの話と逆ですね。ラウンド行ったときは味濃い人のほうが損をするんです。

――おぉー、なるほど。

純烈/友井 雄亮 撮影=鈴木恵

純烈/友井 雄亮 撮影=鈴木恵

ファンの人たちが盛り上げるきっかけを作ってくれた。“1回でいいから観に行こうよ”って友達を連れてきてくれて、奥様たちがお風呂に行列を作ってるのはなんでなんだ? ってテレビ局が取材に来てくれたので。

小田井:ラウンドは僕らも歌いながらやってますから、話しかけられたりしても困るんです。歌ってるから話し相手はできないので。濃い人ほどしゃべりかけてくるんで、そこを避けるために奥に行くんです。

友井:うん。それもあるね(笑)。

小田井:いつもいる常連さんのところにはほとんど行かず、一見さんを目掛けて行きますから。常連さんのところやと引っ張られるわ触られるわ叩かれるわで。

酒井:自然とそうなるんです(笑)。もちろん握手には行くんですよ? でも比率としては“今日も奥まで行くね~”っていう感じで。

小田井:ステージから降りてもそそくさと前の方は通り過ぎて、すぐに奥に行きますから。

酒井:みんながみんな奥に行きすぎるときがあるから、俺、戻るときあるもん(笑)。

友井:みんなが後ろにいてね。あるある。

小田井:前の方の常連さんとは、普段から散々会話してるから。

白川:ラウンドのときはなるだけ後ろに行ってあげないとね。

酒井:だから、お客さんの顔を見ながら歌う。そこに僕らは魅力を感じてしまったんですよ。いつも大会場でやってる人たちは気づけないところに気づいちゃったんだと思うんです。そこで、ハマっちゃったんです。こっちが、マダムとかおばちゃんに。

――自分たちが虜になっちゃった、と。

酒井:そうそうそう。だから、健康センターでのステージは今後もやめないし。杖ついたり車椅子で来てくれる人が、本当に愛おしい。そういう感覚になっちゃったんです。でね、女性って、歳とっても面白いんですよ。好きだからこそ“全然無理無理無理っ!! ”という人もいれば、グイグイくる人もいて。

後上:最初は“無理”っていってた人がどんどんグイグイに変わっていく様とか、見てて面白いですよ。そうしてやがて“バックハグでお願いします”とかいってくるんですよ(笑)。

――えぇーっ!! すごい変わり様ですね。

酒井:80歳のおばあちゃんが“バックハグ”という言葉を憶えて帰ったら純烈のせい(笑)。

後上:抱擁とか言ってる世代の人が“ハグしてください”って言ってくるんですよ。

酒井:撮影会とかあるときは、すごいですよ。撮影前は目がどんよりしてるのに、撮影でハグとかすると、みんな目がキラキラしだすんです。おばちゃんたちの目が。

小田井:あのおばちゃんたちの“圧”を肌で感じて欲しいですね、取材でいらっしゃるみなさんにも。あのおばちゃんたちがいかに怖いか、いかに恐ろしいか。それはそれはすごい圧ですから。

純烈/小田井 涼平 撮影=鈴木恵

純烈/小田井 涼平 撮影=鈴木恵

ステージが低いというだけで、心の中は完全なるバリアフリーになる。慣れるとこのスタイルは楽ですよ、気負わなくていいんで。しんどいときは、しんどいって顔しますから。そうすると、向こうもそっとしておいてくれるんです。

――小田井さん、さっきから発言にトゲを感じるんですけど。

小田井:僕はそういうキャラなんで。

酒井:今日はまだましなほうです(笑)。

小田井:でもなにも盛ってないですよ? ノンフィクションですから。向こうの圧が凄いと、こっちは死んだ魚の目のになるんすよ。圧倒されて。

――いいんですか? そこまで言っちゃって。

酒井:自己紹介のときでも、会場を見渡して“今日はブッサイクばっかやなぁ”とか平気で言いますからね。

小田井:いいえ、ブッサイクとはいわないです。“顔の具合が悪い方が多いですね”とは言いますけど。

(一同笑)

後上:これは本当に言ってます(笑)。

酒井:言われたおばちゃんのほうも“そうだよね。そういうところあるわよね”と思って、そのやりとりを楽しんでるところもあるんで。


――こういう風にマダムを中心に人気が広がっていったことについては、どう思っているんですか?

酒井:狙い通りです。僕らのことを面白がってキャッキャしてくれるのは、僕らの10歳上、10歳下ぐらいの世代の方々だと思うんで。それでも“まだ私はムード歌謡とか聴く世代じゃないわ”といってる方々が多いと思うので、そういう方々が“もう私はおばあちゃん。認めるわ。純烈――っ!! ”て大量発生するときこそ、僕らの勝負のときだと思ってます。ヤバイから、あの世代は。

小田井:そうそう! あの世代でまた青春に目覚めるとタチ悪いんですよ。育児が終わって、旦那さんが生きてはったら旦那さんと余生を過ごすという人生のなかに、光を見つけた人って、すごいエネルギーなんですよ。だって、60歳超えたおばあちゃんが、例えば白川くんのファンだとした場合。白川くんが別のファンの人に優しくハグするのを見たときの嫉妬や妬みや嫉み。すごいですから。

酒井:ぐははははは(笑)。

小田井:自分は旦那さんもいて幸せな家庭があるのに、そこまで嫉むか? って思うぐらいにね。

酒井あれ? 今日は小田井さん、ここくる前に私生活でなんかあった?

小田井:ないけど。あのエネルギーは凄いなと思う。女性のほうが元気やなって改めて思います。だってしょうもないこと、恨みますからね。“あの曲歌ってるとき、裕ちゃんはあっちの人ばっかり見てた”って。そんなことないんですよ?

白川:うん。ないないない(笑)。

小田井:なのに、それを、興奮しすぎて声が震えるぐらい怒って本人に言ってくるんです。

白川:ありますね。

――そういうときはどう対応するんですか?

白川:(優しい声で)“ごめんね。見れなくて”って。

小田井:でもね、そうやって怒って来なくなった人はいない。いってるうちはまだ来るの。

友井:言うっていうことは、自分を見て欲しいというアピールですから。

小田井:さっき白川くんが“ごめんね。見れなくて”って言ったじゃないですか? そうやって本人に言われたら、またフニャフニャフニャフニャ~ってなるんですよ。そのクレームは白川くんとしゃべるための口実やったんかと。

後上:もう、はっきり認めましょうよ。僕らはホストなんだと。

酒井メジャーで店舗なしでやってる無店舗ホスト!!

白川:でも、それもいいかもしれないね。

酒井:またの名をドクター!!

純烈/後上 翔太 撮影=鈴木恵

純烈/後上 翔太 撮影=鈴木恵

純烈 撮影=鈴木恵

純烈 撮影=鈴木恵

――無店舗ホスト兼またの名をドクター

酒井:本当に、落ち込んだときに純烈に来ていただくと、ドクターだなというのは実感していただけると思います。

白川:実際に体が悪かった方が純烈を見に来て、例えば翔太のことが大好きで、好きすぎて純烈に通っていたら、体がどんどんよくなって病気が治っちゃったって。そういう方が本当にいらっしゃいますからね。

酒井:それを聞きつけた月刊『健康』がこの間、取材にきましたから(笑)。こういう世代ですから、がんの方もゴロゴロいるんです。“乳がんで手術いってきます”ってパーンと握手して入院して。“おっぱい取ったけど元気になりました!”って感じで純烈に帰って来るんです。元気なんだけど、お手紙には“おっぱいがなくなって女としてせつないんです。でも入院中は純烈聴きながら頑張れました。ありがとうございます”とか書いてあると、こっちが“ありがとうございます”だし。“じゃあ死ぬまで面倒みたるわ。俺ら辞めへんからな”ってなる。そういう、対人との心のキャッチボールが純烈の本質の部分ですね。

純烈 撮影=鈴木恵

純烈 撮影=鈴木恵

――素敵です(感動)。では、そんな純烈の夢でもある大晦日の『NHK紅白歌合戦』ですが。純烈としては、スケジュールを開けて吉報を待っている状態?

酒井:もちろん! 本番の31日だけじゃなく、記者会見がありそうな日程も無理くり開けて待ってるところです。

後上:去年までは”紅白、スケジュール空けて待ってます“と言っても軽いギャグみたいにとられてたのが、“期待してるよ”と本気で思ってくれるお客さんが増えたのが、ここ数年の変化なのかなと思います。去年、紅白がダメだと分かったとき、その次の日にライブだったんですけど。1曲目で幕がバーンと開いたら“来年頑張れ”みたいな横断幕が客席にあって。なかには大号泣しているお客さんもいたんですね。なので、紅白出場はいまやお客さんの夢にもなってるので。叶えたいですね。

――紅白出場の夢がかなった後も、スーパー銭湯アイドルは続けるんですか?

全員:もちろん。

酒井:当たり前です。まだ行けてないところ、全国を回りたいですね。

――2019年も『純烈ディナーショー2019』、『純烈LIVE 2019』などホールでのショー開催も次々と決定しています。こちらはどんなライブにしたいですか?

酒井:はじめましての方がまだまだ多いので、テレビで知った方々、CDでしか知らなかったという方々と直接お会いできるチャンスなので、できるだけみんなと握手をして、仲良くなれるようにしたいです。

取材・文=東條祥恵 撮影=鈴木恵

純烈 撮影=鈴木恵

純烈 撮影=鈴木恵

 
純烈 撮影=鈴木恵