8月に打ち上げを成功させたNASAの太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブが、史上最も近い距離から太陽を撮影することに成功しました。

撮影時にパーカーがいた場所は、太陽の表面からおよそ「1,690万マイル(2,720万キロメートル)」の位置。私たちにはとても遠く感じますが、史上最も太陽に近づいた快挙なのです。

上写真の中心部で光り輝いているのは「水星」で、その周囲に複数の黒い点が見えるのは、カメラのバックグラウンド補正です。そして、写真を横切るように見える明る物体は、コロナが長く伸びた部分で、「コロナ流線」と呼ばれています。

パーカーは、主に太陽における「3つのミステリー」を解くために打ち上げられた探査機です。1つ目は「なぜコロナの温度が太陽表面と比べて300倍近くも高くなっているのか」、2つ目は「太陽風が非常に高速にまで加速する仕組み」について、そして3つ目は「どのようにして太陽が半光速もの速さで粒子を放出しているのか」といったものです。

Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben

パーカーは、まだ太陽のデータを地球へと送り返し始めたばかりで、現時点では、いずれのミステリーも明らかになっていません。しかし研究者らはパーカーに対して大きな期待を寄せており、「新たなる発見へのポテンシャルはとてつもなく大きい」と語っています。頑張って欲しいものです。

さらに、2024年に計画されている最終接近では、パーカーと太陽との間の距離はおよそ「380万マイル(611万キロメートル)」にまで縮まることが見込まれています。

 

ちなみにパーカーの名前の由来は、1958年に太陽風の存在を予言したユージンニューマン・パーカー博士から。実は、NASAが存命の人物の名を機体に命名したものとしては史上初となるそうです。さらに、公募で集められた人々の名前、およそ110万人分のデータが詰まったメモリーカードも載せているパーカー。7年にわたる探査期間の中で、どれほど大きなものを地球に持ち帰ってくれるのか…今から楽しみですね。

 

ついに打ち上げ成功!史上最も太陽に接近できるNASAの太陽探査機「パーカー」の「強さ」

 

reference: dailymail / written by なかしー  / edited by Nazology staff

 

太陽を史上最も近距離から激写した画像がこちら! NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が活躍