飼っていた犬が飼い主の子供を襲う悲しいニュースをつい先日お伝えしたばかりだが、このほど再びイギリスで、飼い犬が家の敷地内から出てしまった後に複数の通行人に襲いかかるという出来事が起こった。犬はその後、安楽死処分となった。『Liverpool Echo』『Mirror』などが伝えている。

12月13日の午後1時頃、リバプールのフォームビーでセオドロ・ティリモウさん(Theodoro Tirimou)が飼っていたコーカシアン・シェパード・ドッグの“シンバ”が、風で開いた自宅庭の門扉から外に出て、通行人ら5人に襲いかかった。

オオカミやチベタン・マスティフの血を引く大型犬コーカシアン・シェパード・ドッグは体が丈夫な犬種といわれ、家畜をオオカミや家畜泥棒から守る護畜犬として使われてきた。セオドロさん宅でも「番犬」として飼われていたシンバはこの日、通りに出ると15歳の少女を含む5人に次々と襲いかかり、それを目撃した人は「叫び声が聞こえ、1人の通行人は大きな犬に襲いかかられて道路に押し倒されていた」と話している。シンバは翌14日に安楽死処分となった。

セオドロさん一家は、シンバを番犬として飼っていたほか、敷地を高い壁で囲み電子ゲートを設置するなどセキュリティ面では万全だった。しかしまさか飼い犬が外に勝手に出て人を襲うとは予想もしておらず、セオドロさんはこのように悲しみを口にした。

「なぜこのようなことが起こってしまったのかわかりません。私の母が犬小屋を掃除していた間、シンバは庭で遊んでいました。風で開いてしまった庭の門扉から勝手に抜け出して通りを歩いていたようですが、歩いてきた女性に襲いかかりました。番犬だから、直感で家族を守ろうとしたのかもしれません。ですが、シンバは子供たちが周りにいる環境で育ってきましたし、これまで一度も人間に対して凶暴になったことはないのです。私は毎晩2時間シンバを散歩に連れて出ていましたが、犬の躾を誤ったことはありませんでした。誰かを傷つけるつもりもなかったし、事故を防ぐことができればどれほど良かったか。怪我をした被害者の方々には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。」

マージーサイド州警察によると、5人の被害者は幸いにも軽傷で済んだという。セオドロさん宅には数台のパトカーが駆けつけ、数時間にわたる事情聴取が行われた。結果としてセオドロさんは罪に問われず、逮捕に至らなかったそうだ。同警察は、今回の事故が起こるまでシンバが過去に何か問題を起こした記録などはなかったと述べている。

このニュースを知った人からは「家族を守ろうとしただけって…通りに飼い主無しで勝手に出たんでしょ。それは単なる言い訳では」「よく訓練された番犬はこんなふうに人を襲ったりしないもの。ちゃんと躾けていないからこういうことが起こるんだ。風で開いた門扉から出たって…どんな状況でも躾けていれば犬は勝手に表に出ないだろう。飼い主のせいで、犬の人生が決まるから気の毒なもんだ」「躾さえきちんとしていれば、素晴らしい番犬だっただろうけど、これは飼い主が悪い」「犬の態度が悪いのは、通常飼い主に原因があるからね」「生まれつき危険な犬なんて存在しないよ。全ては飼い主によって犬はどんなふうにも変わる」といった声があがっている。

画像は『Liverpool Echo 2018年12月15日付「First photo of dog which attacked five people as owner shares heartbreak」(Image: Theodoro Tirimou)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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