▽優勝争いから残留争いまで手に汗を握る接戦、熱戦が続いた2018シーズンの明治安田生命J1リーグ。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブ通信簿(トピックチームMVP、補強成功度、総合評価)をお届けする。第12弾は7位のセレッソ大阪を総括!

シーズン振り返り

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▽J1復帰初年度の昨シーズンYBCヴァンカップ天皇杯を制覇、J1リーグでも3位躍進と桜旋風を巻き起こしたC大阪。だが、尹晶煥体制2年目を迎えた今シーズンは、優勝候補にも挙げられていたはずが、昨シーズンのような戦いを継続することができなかった。

▽今シーズンはポゼッションの向上を掲げた中、その軸として期待がかかったMF清武弘嗣の負傷もあり、4戦未勝利と苦しいスタートを切った。堅実な戦いで徐々に軌道修正すると、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)こそグループステージで敗退したが、リーグ戦の第5節から4連勝。続く第10節から5戦無敗で4位まで順位を上げ、ワールドカップによる中断期間を迎えることができた。

▽しかし、ハードワークや攻守の切り替えを武器とするチームは夏場のパフォーマンス低下や前半戦に見え隠れしていた前線の得点力不足が顕著となり、リーグ再開7試合で勝利から遠ざかった。その後、尹晶煥監督は[3-4-2-1]を採用し、ポゼッションをより高めることにシフトしたが、効果は一過性に。肝心の前線の得点力不足は最後まで解消されず、一時はMFソウザやDFマテイ・ヨニッチ、DFオスマルといった外国人選手の一発やセットプレーに依存。それでもリーグ5位の失点数に抑えるなど守備陣の健闘があり、7位で終わることとなった。

MVP
DFマテイ・ヨニッチ(27)
明治安田生命J1リーグ33試合出場(先発33試合)/2得点
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▽SBながらチームトップの6得点を記録したDF丸橋祐介の貢献が光ったシーズンでもあるが、リーグ5位の失点数に抑えた守備陣の中心であるマテイ・ヨニッチを評価したい。今シーズンは攻撃陣が不発に終わった中で、昨シーズンと変わらずエアバトルでの強さを発揮し、気迫溢れる守備で安定したディフェンスを披露。それは相棒がDF山下達也やDF木本恭生でも、システムが4バックでも3バックでも変わらなかった。複数失点はわずか5試合。マテイ・ヨニッチのシーズン通した奮闘がなければ…。それを想像すれば、いかにこの選手に助けられたかがわかるはずだ。

◆補強成功度《D》※最低E~最高S
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▽開幕前の補強はJ1とACLの二兎を追うだけの陣容を整備したかに思えた。しかし、ゴール数という形で一定の結果を残した選手はチームトップタイの6得点を挙げたFW高木俊幸のみ。オスマルはユーティリティ性を生かして17試合2ゴールの成績を収めたが、2016年Kリーグベストイレブンに選ばれた実力を発揮したとは言いがたい。また、尹晶煥監督の教え子であるヤン・ドンヒョンもわずか1ゴールで終了。MF片山瑛一や、MF田中亜土夢に至っては、ほとんど試合に絡めず、期待外れに終わった。

◆総合評価 《D》※最低E~最高S
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▽前年の2冠王者としてシーズンインしたC大阪だが、結果は無冠。初制覇にも期待が高まったJ1でもACL争いに名乗りを上げるにとどまる7位終戦と残念な結果だ。

▽その要因としては、天皇杯優勝から2週間経たずしての早期始動や新戦力の不調、ポゼッション向上の失敗と様々だが、まず1つは前線の得点力不足だろう。昨年22得点の杉本は5得点、左サイドハーフから最前線にポジションを戻した柿谷は4得点。最多得点者は6得点の丸橋と高木だ。ゴールゲッターの役割を担うはずだった選手が軒並み不振に陥ったことも、昨年の65得点から39得点にチームの総得点が大幅ダウンした最大の原因になったに違いない。

▽また、今シーズンピッチ外でも慌ただしかった。中断期間中にはC大阪シンボルナンバーである8番を継承する柿谷を巡り、ガンバ大阪移籍の報道が浮上。最終的に実現しなかったとはいえど、クラブの顔を巡るそういった動きもチーム全体のムードに水を差す出来事だった。

▽そして、今シーズン限りで尹晶煥監督に別れを告げたC大阪だが、現在は主将のMF山口蛍や杉本、MF山村和也に移籍決定的との報道が相次いでいる。来年からミゲルアンヘル・ロティーナ氏が就任するが、これまでの主力がいない可能性がある。今オフシーズンの強化部は例年以上の仕事量が求められそうだ。
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