このほど米ニューヨークで、誘拐されそうになった11歳少女を近隣住民らが救出するという出来事が起こった。幸いにも少女に怪我はなく、犯人の男も逮捕された。『CBS New York』『Inside Edition』などが伝えている。

12月15日の午前8時頃、ニューヨーククイーンズ区で学校に行こうと歩いていた11歳の少女が、あわや誘拐されそうになるという事件が発生した。

レイリン・エストラーダ(40歳)は乗っていた車から少女に声をかけたが、少女が逃げ出したためエストラーダは車で追いかけて少女の行く手を遮った。さらにバットを持って車から出ると、エストラーダは通学かばんを掴んで少女を路上に転倒させ、後部座席に無理やり押し込もうとした。

「助けて! 助けて!」という少女の叫び声を聞いた近隣住民のアレクサンダー・サラスさんが自宅の窓から外をうかがうと、少女が男に拉致されようとしていたのだ。妻に警察を呼ぶよう指示したアレクサンダーさんは、野球バットを持って外に出て、エストラーダに向かって「少女を放せ!」と叫んだ。

するとエストラーダは、アレクサンダーさんに「なんだ、お前。スーパーヒーローか」と馬鹿にしたように言い放ち、バットを手に対抗しようとしてきた。この騒ぎを聞いたアレクサンダーさんの大家エドウィンゴンザレスさん(59歳)も、騒動に加担。アレクサンダーさんは隙を見て少女を車から逃がし、エストラーダを取り押さえた。その後、駆けつけた警察官によってエストラーダは逮捕されたという。エドウィンさんは次のように語っている。

アレクサンダーさんの『子供を放せ!』という叫び声を聞いて、私も楢の木でできた杖を犯人に振り上げたんだ。この杖は丈夫で折れないからね。私達はとにかく犯人に対抗して、少女が誘拐されないようにしなきゃと思ったんだよ。」

しかし少女が誘拐未遂で終わったのは、なんといってもアレクサンダーさんのおかげだろう。後の米メディアの取材で、アレクサンダーさんはこのように明かした。

「誘拐犯は当初、少女を横から車に押し込めようとしていました。少女が抵抗したので今度は少女の頭を押さえて車の中に入れようとしたんです。私が駆けつけた時には、少女は激しく抵抗し犯人に蹴りかかって叫んでいました。電話を使って必死に歯向かっていましたよ。私ではなく、少女が自分の命を自分で救ったのです。」

幸いにも無傷で済んだ少女は、無事に家族のもとへ戻された。逮捕されたエストラーダは、前科13犯という犯罪歴の持ち主で2001年には性的虐待を含む複数の犯行で性犯罪者として登録されている。今回エストラーダは、誘拐、不法監禁、武器所有、無謀な危険行為、有害な行為及び子供の福祉を危険に晒した罪、また性犯罪者として住所変更を届け出ていなかった罪に問われることになるという。

なお、エストラーダの母親ジャスミンさんは「息子は精神疾患を抱えているが、最近は薬を飲むのを止めていた」と話している。

画像は『CBS New York 2018年12月15日付「Bat-Wielding Good Samaritan Stops Kidnapping Of 11-Year-Old Girl In Queens, Sources Say」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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