大きなおむつ用のバッグを手に、ケルシー・ズウィックさんが、生後11カ月の娘ルーシーちゃんを連れて飛行機に乗り込んだのは12月6日のことだった。

その日、母娘はひとりの寛大な紳士と出会った。

赤ちゃんのために動いた男性

赤ちゃん連れでの長旅はそれだけでも大変なものだが、ケルシーさんにはほかのお母さんが持ち歩かない荷物を引きづっていた。それが酸素ボンベだ。

未熟児として生まれたルーシーちゃんは、在宅酸素療法を行っている。米オーランドからフィラルフィアまでの飛行機に乗ったのも、フィラルフィアの小児病院へ行くためだ。

エコノミーの自分の席に座ったケルシーさんは、やってきたフライアテンダントに思いがけない言葉をかけられた。

それはフライアテンダントの後ろに立っている男性が、自分の席とケルシーさんの席を交換すると申し出ているというもの。

男性が座っていたのはケルシーさんの席よりもはるかに快適な、ファーストクラスだった。

温かい提案を受け入れ、移動中には涙があふれたというケルシーさん。飛行機を降りた後、男性を探したが見つけられなかったという。

フェイスブックに投稿されたお礼の言葉

翌日、ケルシーさんはお礼の言葉を伝えるために、「2Dの男性へ」というメッセージを自身のフェイスブックに投稿した。

アメリカン航空588便の2Dの男性へ。あなたの寛大さには、本当に心動かされました。

この投稿は数日間であっという間に78万件のリアクション、そして49万件のシェアを受けた。

アメリカン航空の協力で男性が判明

ABCニュースが伝えているところによると、ケルシーさんの投稿を知ったアメリカン航空の協力で、男性と連絡を取ることができたという。

男性の名前はジェイソンさん

The Sunによると、仕事がら飛行機を利用する機会が多いというジェイソンさんは、アメリカン航空のエグゼクティブプラチナ会員なのだという。ケルシーさんが引いている荷物が酸素ボンベだと気づくと、フライアテンダントにこう申し出たそうだ。

「もし彼女が私の席の方が快適に過ごせると思うのなら、席を交換したい」

ケルシーさんからお礼を言われたジェイソンさんだが、「正しいことをした」と感じているそうだ。

ジェイソンさんの優しさを、ルーシーちゃんが理解するのはまだ先のことだろう。「今日の出来事を、ルーシーに伝える日が待ち遠しいです」とケルシーさんはコメントしている。

飛行機で赤ちゃんのためにエコノミークラスからファーストクラスへの席替えを申し出た紳士