Credit: Daniel Oran
Point
おむつの尿パットには、体積の1000倍もの水分を吸収できるポリアクリレートと呼ばれる素材が使われている
■吸水して膨らんだポリアクリレートに蛍光分子をレーザー好きなようにくっつけた後で、脱水することで好きなようにナノ素材を作れる技術が開発される
■必要な道具も単純で済むため、応用範囲は広い

あらたナノテクノロジーの革新が、意外なところから起こりました。研究とはあまりイメージが結びつかない、託児所でよく見つけるアレ。そう、おむつです。

MITの研究チームが、おむつの尿パッドで使われる高吸水性素材を使い、短時間・低コストで物質をナノスケールへと縮められる技術を開発しました。MITはこの製造技術を「インプロージョン・ファブリケーション(縮小製造)」と呼んでいます。研究は「Science」で発表されています。

縮めて作る方法

使用するのはポリアクリレートポリマーと呼ばれる、おむつの尿パッドで使われている高吸水性素材です。インプロージョン・ファブリケーションの最初の工程は、ポリアクリレートポリマーに吸水させ膨らませることです。

次に、レーザーを使って蛍光分子をポリアクリレートに好きなデザインで配置。この蛍光分子は、ナノスケールに物質を縮める際の基準となるアンカーポイントになります。このアンカーに、ナノ素材に持たせたい好きな材料をなんでもくっつけることができます。量子ドットであれ、DNA断片であれ、金の粒子であれなんでもです。

それから、酸を使って土台となるポリアクリレートから水分を抜き取ります。その過程で、取り付けられた様々な材料とともに、ポリアクリレートは1000分の1にまで縮みます。

小さくても大きな可能性

おそらく、インプロージョン・ファブリケーションのもっとも素晴らしい特徴は、簡単に利用できることです。多くの生物学や材料化学の研究室には必要な道具はすでにそろっているので、自力でナノ材料を作り始めることができます。

 

MITのチームは、この技術の潜在的利用者をすでに探しており、光学やロボットの分野で応用される予定です。しかし、その応用可能性に限度はありません。いろんな物を小さく作ることが可能となるでしょう。ナノテクノロジーの汎用化によって、可能性の扉は大きく開かれたのです。

 

「生物学的なウィルス」を活用した高速コンピューターを開発

 

referenced: Science Alert / written by SENPAI / edited by Nazology staff

 

物体をナノスケールまで縮小できる技術をMITが開発! その鍵は「おむつ」