もしあなたの勤め先の会社が「来年から英語を社内公用語化」する方針を打ち出したらどうしますか?
昨年は楽天やファーストリテイリングなどが社内コミュニケーションを英語化する方針を打ち出して話題になりました。武田製薬ではTOEICの最低点数を入社試験の足きりに使うと表明しました。この流れは今後も続くと思われます。
仕事で使う英語というと高度で難しいもの、ほとんどネイティブに近い語学力がないといけないように思いがちですが、『すぐ使える仕事英語―英語公用語化、外資系のリアル』(KKベストセラーズ/刊)の著者で、英語文化・ビジネスコーディネーターの関栄介さんは、「ビジネスで使える英語=ネイティブの英語」ではなく、案外簡単なものだといいます。
今回は、社内で英語が公用語化した時に覚えておくと重宝するフレーズをビジネスの場面ごとに紹介します。
■場面ごとに見る「仕事英語」の使い方
書類を渡す時は「どうぞお受け取りください」という意味で、
“This is for you”
と言い添えましょう。
渡された書類を持って帰っていいかと尋ねる時は、
“May I keep this?”
と言います。
「なあんだ」と思うくらい簡単な英語ですが、これを知らないと、奇妙な沈黙に気まずい思いをすることになります。
さて、会社で英語を話す機会と言えば、会議です。
とっさに何か返答をしなくてはならない時は、まずこう言って話し始めると自然と頭の中が整理されて話しやすくなります。
“There are three reasons. The first one is ….”
つまり、まず「3つあります」と言ってしまうこと。
そうして一つ目を話していると、自ずと二つ目、三つ目も出てくるものです。
どうしても二つしか思いつかなかったら、
“Sorry, I forgot the third one”.
と言ってトボケてしまう手もあります。
英語でプレゼンテーションをしていて、突然頭の中が「真っ白」になってしまったらどうしましょう。
そんなときは、
”Well”、“Let’s see”、 “OK”、“All right”
といった言葉を口にしてみると、冷静な自分を取り戻すことができます。
■「仕事英語」の書き方のコツ
「書く英語」の出番は何と言ってもEメールでしょう。
日本語のビジネス・メールでは「いつもお世話様です」といった挨拶を入れますが、英語のビジネス・メールでは省略するのが普通で、すぐに用件を書きます。
ただし、何か具体的にしてもらったことへの感謝の言葉や、うれしいお知らせであることを知らせる言葉はお忘れなく。
新しい仕事の依頼であれば、
“I am pleased to inform you of a new project”
と書き起こすのをお勧めします。
もうひとつ、「書く英語」の出番は履歴書です。
終身雇用が守られていた時代は終わり、会社を変わることが、キャリアの次の階段に登ることに繋がるようになりました。
外資系企業に転職することも、これからは当然の選択肢になるでしょう。
英語で履歴書を書く時に、必ず埋め込んでおきたい、「魔法の言葉」があります。
そのひとつがこれ。
“thanks to my team”(チームのおかげで)
今まで挙げてきた功績の説明にこの言葉を入れておくと、あなたのリーダーシップを効果的に訴えてくれます。
意外なことかもしれませんが、外資系企業が求めているのは、自分本位の一匹狼ではなく、仕事もチーム・ビルディングもできる、バランスの取れた人間です。
「ビジネス英語=高度な英語」
という観念を捨てることがビジネス英語習得の第一歩。
本書には、今回紹介したものの他にも、社内で使える英語表現やちょっとした便利フレーズが数多く紹介されていますが、ほとんどが基礎的な表現です。
仕事で使える英語を覚えたいと思いつつも、その道のりの困難さに尻込みしてしまっている人は一度手にとってみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部/山田洋介)
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