プレミアリーグ第18節、エバートンvsトッテナムが23日にグディソン・パークで行われ、アウェイのトッテナムが6-2で圧勝した。

リーグ戦8位のエバートン(勝ち点24)と、3位のトッテナム(勝ち点39)によるクリスマス前最後の一戦。

リバプール相手のショッキングなダービー敗戦後、ニューカッスルワトフォードと2戦連続ドローとなったエバートンは前節にマンチェスター・シティに敗れ、直近4試合未勝利とここに来て調子を落とす。シティ戦に続く上位勢との対戦となったトッテナム戦に向けては先発2人を変更。ミナとベルナールに代えてトム・デイビス、ウォルコットを起用し、[3-4-3]から[4-2-3-1]の布陣に戻した。

▽一方、前節のバーンリー戦を試合終了間際のエリクセンの劇的ゴールで勝ち切ったトッテナムリーグ戦3連勝を達成。さらに、ミッドウィークに行われたEFLカップ準々決勝では今季リーグ戦で敗れたアーセナル相手に見事にリベンジを果たした。そのダービーからは先発3人を変更。GKにロリスが復帰したほか、ローズに代わって先月初旬からハムストリングのケガで離脱していたダビンソン・サンチェスが約1カ月半ぶりに復帰。直近2試合でセンターバックを務めたベン・デイビスが本職の左サイドバックに戻った。また、ルーカス・モウラに代わってエースFWケインがスタメンに戻った。

▽共に守備時に2トップが最終ラインにプレッシャーをかけるアグレッシブな入りを見せた中、立ち上がりはコンディションで勝るエバートンが相手のビルドアップをけん制しながらペースを掴む。10分には右サイドシグルドソン、ウォルコットのコンビで崩してサイドから中央に絞ったリシャルリソンがフリーでヘディングシュートもこれは枠の右に外れる。

▽一方、やや受け身の入りも時間の経過と共に相手のプレッシングに順応したトッテナムは11分、右サイドハーフウェイライン付近からトリッピアーが入れた浮き球のフィードに抜け出したケインが飛び出したGKのポジションを見てボックス右からループシュートを狙うが、これは惜しくもサイドネット。直後にはエリクセンのスルーパスに抜け出したソン・フンミンがボックス左ゴールライン際で折り返すと、ファーでフリーのトリッピアーがワントラップからニアサイドを狙った右足のシュートを放つが、これはGKピックフォードの好守に遭う。

▽その後は完全にトッテナムが押し込む状況が続いたが、エバートンワンチャンスを生かして先制点を奪う。21分、DFズマのヘディングでのクリアに対してウィンクスが被ってボックス手前左のシグルドソンにボールが渡ると、元スパーズの司令塔はボックス左に走り込むキャルバート=ルーウィンに短いスルーパス。ゴールラインギリギリでマイナスに折り返すと、ゴール前に走り込んだウォルコットが右足ワンタッチでニアに流し込んだ。

▽敵地で先制を許す難しい入りとなったトッテナムだが、失点直後にケインの強烈な左足のミドルシュートで反撃の姿勢を見せると、相手のミスから早い時間帯に追いつく。27分、自陣のエリクセンから斜めのパスを受けたケインダイレクトパスを最終ライン裏のスペースに出すと、ソン・フンミンと並走してクリアを試みたDFズマとエリア外に飛び出したGKピックフォードが痛恨のお見合い。すかさずこぼれ球に反応したソン・フンミンがボックス右角度のないところから見事なミドルレンジの右足シュートをゴール左のサイドネットに突き刺した。

▽1-1のイーブンに戻った試合はここから攻守が目まぐるしく入れ替わるオープンな展開に。切り替え、プレー精度で勝るアウェイチームがペースを掴むと、35分には高速カウンターが発動。中盤でのボール奪取からデレ・アリとのパス交換で前に持ち出したムサ・シソコがボックス左に走り込むソン・フンミンへ絶妙なラストパス。韓国代表の左足のグラウンダーシュートはGKピックフォードが何とかはじき出すが、こぼれ球に反応したデレ・アリが冷静にゴール右へ流し込んだ。

▽前半のうちに試合を引っくり返したスパーズは一息つくことなく動揺する相手を攻め立てる。すると42分、ボックス手前右の好位置で得たFKの場面でキッカーのトリッピアーが壁の外側から内に巻く右足のシュートを放つと、右ポストの内側に跳ね返ったボールに詰めたケインがワンタッチで流し込み、対エバートン戦4試合連続得点を記録すると共に今季リーグ戦ゴール数を「10」に乗せた。

▽2点リードで前半を終えたトッテナムは前半終了間際の接触で足を痛めたデレ・アリをベンチに下げてラメラを後半頭からピッチに送り込む。すると48分、右サイドのトリッピアーからのフィードに抜け出したケインの右クロスのこぼれ球に反応したエリクセンがボックス手前から抑えの利いた見事な右足のハーフボレーをゴール右下隅に突き刺し、後半も開始早々にゴールをこじ開ける。

ハーフタイムでの修正も実らず、さらに点差を広げられたエバートンだったが、古巣対戦のシグルドソンが意地を見せる。51分、左サイドのリシャルリソンからペナルティアーク付近で足下にパスを受けたアイスランド代表は巧みなターンで2枚のDFを振り切り、さらに斜めのドリブルでボックス右まで持ち込んで右足のシュートをゴール左に決めた。

▽ここからエバートンの反撃かと思われたが、直後にアンドレゴメスが筋肉系のトラブルでプレー続行不可能となり、シュナイデルランの緊急投入を余儀なくされると試合はここから再びトッテナムペースに。

▽61分、カウンターから相手陣内中央を持ち上がったラメラがゴール前に走り込むソン・フンミンへグラウンダーのスルーパス。ややオフサイド気味だったもののソン・フンミンがGKの股間を抜くシュートで決め切り、5点目を奪取。さらに74分には左サイドのベン・デイビスからのワンタッチの縦パスに抜け出したソン・フンミンからの折り返しをゴール前に飛び込んだケインがスライディングシュートで流し込み、ソン・フンミンと共にこの試合2点目を記録した。

▽その後、意地を見せたいエバートンはリシャルリソン、シグルドソンを下げてベルナール、トスン、トッテナムは今後の過密日程を考慮してソン・フンミン、ムサ・シソコを下げてスキップルーカスピッチに送り出して試合をクローズにかかる。

▽75分までに8ゴールが生まれるオープンな一戦だったが、試合終盤の15分はスコアが動かぬまま6-2のスコアでタイムアップ。ファンタスティック・フォーの活躍で今季最多の6ゴールを奪って敵地で大勝のスパーズがリーグ戦4連勝を飾った。一方、今季最多失点で完敗のエバートンは5戦未勝利と不振を脱することはできなかった。

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