産後うつを患う母親は決して少なくない。このほど香港で、2か月前に出産したばかりの母親が自宅の高層マンションから我が子とともに自殺を図ろうとしたことで、大騒ぎになった。幸いにも母親は思い止まり、最悪の事態は回避された。地元メディア『Apple Daily』『Ming Pao』『Coconuts Hong Kong』などが伝えている。

12月20日の午後、香港新界の元朗区、天水囲にある高層マンション「Tin Fu Court(天富苑)」の40階の窓から、27歳の母親リンさんが生後2か月の男児を抱いて外に出た。

マンションの窓の外にはベランダがなく狭い出張りがあるのみで、リンさんはそこで子供を抱えて自殺をほのめかし、立っていた。地元メディア『Apple Daily』によると、リンさんは往来港澳通行証(双程証)を保有している中国本土出身者で、31歳の夫は香港人とのことだ。実はこの夫、リンさんが飛び降り自殺を図ろうとしていた時にマンションの部屋にいたが、切羽詰まった様子の妻になす術もなかったようだ。

通報を受けて駆けつけた警察官や消防署員、児童福祉課の職員らは、とにかくリンさんが出張りから飛び降りないよう説得を続けた。その間、リンさんは出張りに腰掛け片脚を宙に浮かせたり立ち上がったりと落ち着きのない様子を見せており、救急隊員らは万が一の事態に備えて近辺を封鎖しマンション下にはエアーマットを敷き詰めて、必死の説得にあたった。

そしてついに午後4時40分頃、リンさんは説得に応じ窓から部屋の中へと入った。リンさんが窓に出てから実に4時間が経過していたという。その後、リンさんと男児は検査のために病院へ運ばれた。

地元メディアが伝えたところでは、リンさんは産後うつを患っており、今回の事態となる何日か前にも医師のもとを訪れていたそうだ。決して侮ってはならない産後うつ。最悪のケースには死を引き起こすこともあり得る。多くのセレブも産後うつを告白しているが、今年10月にはイギリスで、出産から2か月も経たないうちに産後うつが原因で自らの命を絶った母親のニュースが伝えられた。

画像は『Coconuts Hong Kong 2018年12月21日付「New mom ends stand-off with police after climbing onto 40th floor ledge with a baby」(via Apple Daily video)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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