このほど米コネチカット州で、12歳少年が双子の片割れである少女と母親を刺すという事件が発生した。少女は死亡したが母親は現在も入院中であり、事件を起こしたこの少年は2件の罪で逮捕されたという。『ABC News』『Fox News』などが伝えた。

コネチカット州の閑静な住宅街に住む一家に、いったい何が起こったのか。12月17日の午後3時半頃、同州ハートフォードウエストハートフォードにある一軒家で起こった悲劇は、地域住民らに大きな衝撃を与えた。

地元のセジウィック・ミドルスクールに通う12歳少年(名は非公表)が、自宅で双子の妹のブリジッド・カーティン(12歳)さんと母親ジェーンマリーマーフィーさん(56歳)を刺した。

傷を負いながらもジェーンマリーさんは911へ電話し、「自分と娘が息子に刺された」と通報した。駆けつけた警察は、家の中に2人の被害者と容疑者の少年を発見。その後すぐに到着した救急車によってジェーンマリーさんとブリジッドさんは、ハートフォードにある「St. Francis Hospital and Medical Center(セント・フランシス病院&医療センター)」に搬送され緊急治療が試みられたが、腹部と首を刺されていたブリジッドさんは病院で死亡した。一命を取り留めたジェーンマリーさんは現在も入院中だが、容態は安定しているという。

2人を刺した時に自らも軽傷を負った少年は、翌18日にコネチカット州子供医療センターで警察による罪状認否が行われ、1件の殺人罪と1件の第一級暴行罪で逮捕された。現段階では、少年の身柄は同州司法執行機関に拘束されており、警察は事件について捜査を続行しているが、少年の動機に関して警察側はコメントを拒否した。

ジェーンマリーさんは、ハートフォードの法律事務所で働くロビイスト(圧力団体の利益を政治に反映させるため、政治家や官僚に対して働きかけ、有利な政策を実行するようにさせるのを専門とする人々)で、24年以上にわたり活動を続けてきた著名な人物だったそうだ。職場からは突然の悲報を悼む声があがり、また2人の子供が通っていた学校側は「2人とも昨年は優等生だった」と述べている。

ウエストハートフォードシャーリー・カンター市長は「この地域で、このような悲劇が起こることは悪夢です。家族のことを思うといたたまれません」と話し、ジェーンマリーさんの夫ティモシーさんを含む一家からの以下声明文を読み上げた。

「今回の出来事で、我々家族は想像を絶する痛みと喪失に耐えております。私たちは美しかった娘の笑顔や笑い声を一生忘れることはないでしょう。どうか、娘がこれまで愛されて生きてきたことを忘れないであげてください。そしてどうか、プライバシーの配慮をお願いいたします。」

悲報を耳にした一家の友人チャック・コーゼイさんは、「言葉にならない悲劇。この事件については、一言では説明できない理由がきっとあるのだろうし、答えも容易には出ないだろう」と語った。閑静な住宅街で起こった突然の悲劇に、地域住民や学校なども衝撃を受けているようだ。特に12歳の子供が家族を襲うという事件があったとなれば、地域に住む子供を持つ親のほとんどが「いったいなぜ」という疑問を抱くのは必至だ。

事件の現場となった一家の前には、現在黄色いテープが張られており、家の中で凄惨な事件が起こったことを物語っているが、人気のない玄関ドアにはクリスマス用リースが飾られ、前庭の芝生にはトナカイの飾り物が一家の悲しみを代弁するかのようにひっそりと佇んでいる。このニュースを知った人からは、「これ、母親にとって一番辛いよね。自分の代わりに娘が死んで、刺したのは息子…やりきれないな」「なぜ12歳の子がこんな行動にでなければならなかったんだろう」「少年は日常から精神的な問題があったのかな」「悲しい事件だね。どうか娘さん安らかに…」といった声があがっている。

画像は『ABC News 2018年12月19日付「An ‘unspeakable tragedy’: Connecticut town stunned by arrest of 12-year-old in killing of twin sister, stabbing of mother」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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