現役引退発表を受け、自身の公式ブログで「圧倒的な存在」の小笠原について言及
鹿島アントラーズの元日本代表MF小笠原満男が、27日に現役引退を発表した。常勝軍団の顔として君臨してきたベテランMFの決断に、サッカー界にも衝撃が走ったが、長年しのぎを削ってきた川崎フロンターレの元日本代表MF中村憲剛も、自身の公式ブログで「鹿島アントラーズとの対戦はイコール小笠原満男との戦いだと思っていた」と思いを綴った。
小笠原は27日、1998年から続けてきた21年間のプロキャリアに終止符を打つことを発表。鹿島の後輩である日本代表MF柴崎岳(ヘタフェ)も「知らなかった」と話すなど、サッカー界に衝撃を与えた。
今季、ヴェルディ川崎、鹿島、横浜F・マリノス、サンフレッチェ広島に次ぐ史上5チーム目のJ1リーグ2連覇を成し遂げた川崎のバンディエラ中村は、自身のブログに小笠原への思いを792文字にわたって綴った。
「満男さんとの対戦は2004年、J2優勝の勢いのまま勝ち上がっていった天皇杯、アウェイで逆転負けをしたのが最初だったと記憶しています。そこから今までずっと自分にとって鹿島アントラーズとの対戦は、イコール『小笠原満男』との戦いだと思っていました」
鹿島戦では、同じボランチで1学年上の小笠原を常に意識してきたという。「対個人でモノを語るのは基本的には無しだと今でも思っている」としながらも、中村にとって、小笠原はスポーツマンとしての信条を超えた存在だったのだ。
「フロンターレの前に常に立ちはだかる鹿島の先頭にはいつも満男さんがいました。俺は勝手にこの人を自分が超えなければ勝つことができないと思ってここまで戦ってきました。その考え方に異論がある人ももちろんいると思います。でも正直にいえばそれだけ自分にとっては圧倒的な存在なんです。『小笠原満男』は。俺にとって毎試合目の色を変えて削りに来る満男さんをいかにして超えるかお互いせめぎ合う、それが自分にとって対鹿島の全てだったと言っても過言ではありません」
「残された側として満男さんの分も頑張りたいと勝手に思っています」
自身の力を引き出してくれる実感があったことを明かしつつ、「満男さんの存在がなかったら今の自分は無かったと思います」と言い切る中村。他の選手たち同様、小笠原の引退が発表されたことに驚きを隠せなかったという。
「突然のことで正直驚いています。プレーする上での張り合いがひとつ無くなった、はっきり言ってそんな気持ちです。それでも残された側として満男さんの分も頑張りたいとそれも勝手に思っています。今後ピッチ上で満男さんと戦うことはもうないのかと思うと今は寂しさしか感じません。それでもここまで満男さんが辿ったサッカー人生には尊敬の念しかないです。同じ時期に同じJリーガーとして何度も戦えたこと、嬉しかったです」
鹿島が手にした20冠のうち、17冠に貢献してきたバンディエラに敬意を表し、最後に「偉大なる鹿島のキャプテン。満男さん、本当にお疲れ様でした」と綴った中村。小笠原の思いも背負い、2019年も第一線で戦い続ける。(Football ZONE web編集部)
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