2019年1月6日(日)に放送されるスペシャルドラマ「フジテレビ開局60周年特別企画『レ・ミゼラブルわりなき旅路』」(夜9:00-11:54フジテレビ系)で、ディーン・フジオカと井浦新がW主演。ディーンにとって今作は、2018年に放送された連続ドラマ「モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-」(フジテレビ系)に続いて、古典をモチーフにした作品となる。

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――今回の『レ・ミゼラブル』は、時代や人物が平成の30年間に置き換えられていますが、台本を読まれての印象は?

“モンクリ”に続いての名作シリーズみたいになってますが、脚本が分厚いんです! さすが、フジテレビ開局60周年特別企画だな思いました(笑)。読んで最初に思ったのは、いい意味で“モンクリ”と同じ変換の仕方をしているということ。原作と歴史的背景も社会背景も違いますが、作品のコアにある人間の精神性を現代に置き換えている。それを平成の30年間を通して描いているのですが、平成は30歳以上の人であれば、全員が共有している時代です。そういった同時代性を感じられることは興味深いと思います。

僕自身、途中日本にいない時期もありましたが、脚本を読みながら、いろいろと思い出す出来事がありました。その時代の移り変わりと共に2人の男の生きざまが描かれていて、とても引き込まれるんです。2人は運命こそ違えば、心から分かり合える親友になれたかもしれないのに、対決せざるを得ない立場に生まれてしまった。その辺の皮肉さが、まさにタイトルの『レ・ミゼラブル』(悲惨な人々、哀れな人々)通りだなと思いました。

――ディーンさん演じる純は、母親のために正当防衛で男を殺してしまい、名前を変えての逃亡生活を余儀なくされている。一方の涼介(井浦新)は父親が投資詐欺師だったことで、純に父親を殺されてしまう。どちらも自分のためではないところで、事件に巻き込まれてしまうんですよね。ディーンさんはこの純をどんな人物だと捉えていますか?

ずっと人のために生きてきた人だなと感じています。第1部で吉沢亮くんが演じる若い時代の純も、僕が演じる渡辺拓海という人間になりすまして生きている純も、ずっと自分のために生きたことがない人なんじゃないかなと。人の役に立てないのであれば、生きててもしょうがないというくらい、実は真っ直ぐな気持ちを持った人間なんじゃないかなと思って演じさせていただいています。

――少年期を演じる吉沢さんとは会われました?

実は会ってないんですよ。吉沢くんは僕のクランクイン前に撮影を終えていたので、その映像を見させてもらいました。純はなりすまして生きているので、周囲に純だとバレてはいけないのですが、吉沢くんが演じる純と深い部分でのつながりを意識したかったので。あの1部があったから、2部、3部がこう流れるんだと分かるのですが、吉沢くんが熱量の高い演技をしてくれたので、僕も安心して演技の振り幅をつくれています。若い時代を吉沢くんにやってもらって本当に良かったと思っていますし、どこかで機会があれば同じ役を演じたもの同志で、分かる話ができればなと思っています。

――それから、W主演する井浦さんとは、ディーンさんが日本で初めてレギュラー出演した連続ドラマ「探偵の探偵」(2015年フジテレビ系)以来となるんですよね。

そうなんです。新さんとはあれ以来の再会で、あの時は上司と部下かと思いきや、実は兄弟だったという演じる本人たちもびっくりの設定でした(笑)。それがこうしてまた共演できるということで、『縁があるのかな?』なんて2人で話してました。3年ぶりっていう感じがしないくらい、本当に変わんないですねー。いい意味で。すごく一緒にいて話していると、すごく安らぐっていうか。

――「探偵の探偵」での霧島(ディーン)と須磨(井浦)はとても仲良しでしたが、撮影中はオフでも親しくされていたんですか?

はい。実は僕が香港でのモデル時代によく仕事をしていた人たちが、新さんのことも知っていたんです。新さんはモデルの経験があり、アパレル業もされていますからね。国際経験も豊かな方なので、とても親しみやすくて。当時の僕はまだ日本ではお邪魔しますという感じだったのですが(笑)、新さんは器の大きい方なので、そんな僕を受け止めてくれて、現場でも楽しくお話しさせていただきました

――では、今回は対決する役どころですが、カメラが止まると途端に仲良くなる感じで?

そんなことはないですよ! もうバチバチです(笑)。カメラが止まる度に助監督さんが間に入るみたいな。そういう体になってます(笑)。

――純は素顔を隠しているので、涼介とは弁護士と刑事として関係を持っていきます。新さんとの共演シーンで楽しみにしている点は?

間で語るシーンが多いんですよ。純は素性を隠しているし、涼介も素直に生きなれない人生を歩んできているので。なので、言葉で「親友だよな」などとはっきり言いはしませんが、似た者同士なので互いを理解し合えるんですよ。それがエンディングまで続くので、最後は込み上げてくるものがあると思います。生まれる環境が違ったら親友になれたかもしれないのに、人間とはいかに置かれた境遇や運命に翻弄されてしまうものなのか。そういう『レ・ミゼラブル』らしいメッセージがにじみ出てくる物語を、新さんと演じられることが楽しみです。劇中でお酒を酌み交わすシーンがあって、あんな感じの居酒屋に2人で行ったら楽しいだろうなとも思いました。

――“モンクリ”で共演した山本美月ちゃんも、弁護士の純が助けるシングルマザー・唯役で出演します。美月ちゃんともあれ以来の再会ですか?

少し前に台湾の仕事でご一緒したんです。日本のコンテンツを台湾の方々に紹介するイベントだったんですけど、台湾でも自然と話題は“モンクリ”になりました。その時にまた縁がありそうだなと思ったら、こんなに早く実現してしまいました(笑)。今回はキャストもスタッフも「またお願いします」という方が多いので、たまにちょっとデジャブがあって。あれ?って瞬間を感じてます(笑)。

――放送は新春ですが、2019年はどんな一年にしたいと思っていますか?

まず1月30日(水)にアルバム『History In The Making』のリリースがあります。アルバムは2016年3月以来なので、その後に制作したシングル「History Maker」など15曲を収録し、それを持って香港、台湾を含めたアジアツアーをやります。今まで支えてきてくださったいろんな国のファンの方へのお礼参りにもなりますので、心を込めてライブを行なう1年にしたいなと思っています。(ザテレビジョン・取材・文=及川静)

スペシャルドラマ「フジテレビ開局60周年特別企画『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』」に出演するディーン・フジオカ