2018年もあっという間に12月末。振り返ってみると今年は『千銃士』(LINE、マーベラス)、『オンエア!』(coly)『DREAM!ing‏』(コロプラ)、『あやかし恋廻り』(ボルテージ)など数多くのアプリゲームがリリースされました。

 その一方で、サービスの更新停止や配信終了の発表も相次ぎ、早いものは配信開始から終了までわずか半年というタイトルも……。

 なかでも、多くの人を驚かせたのは、2013年3月14日にKONAMIから配信された『ときめきレストラン☆☆☆』(以下、『ときレス』)のアプリサービス終了の知らせだったことでしょう。
 その一報がファンに知らされたのは、5周年目を迎えさまざまな企画で盛り上がっていた2018年6月15日の出来事でした。

 この発表はあくまでアプリサービスが2018年8月31日を持って終了するというもので、『ときレス』のコンテンツがすべて終了するというものではありません。

 事実、『ときレス』のコンテンツは現在も稼働しており、2019年1月には「3 Majesty × X.I.P. LIVE -5th Anniversary Tour in Sanrio Puroland-」、3月には5周年のファイナルツアーライブ「3 Majesty × X.I.P. LIVE -5th Anniversary Tour FINAL- ~WITH YOU~」が決定しています。

(画像は2019.01|3 Majesty × X.I.P. LIVE -5th Anniversary Tour in Sanrio Purolandより)

 しかし、アプリを起動すれば当たり前のように会えていたアイドルたちにはもう簡単に会えなくなりました。
 心の中にはたくさんの思い出が残っているものの……終了から数カ月が経過した今でも動かなくなったアプリを消すことができず、寂しくてたまらない気持ちを抱えているファンも多いのではないでしょうか。

 それもそのはず、5年間という決して少なくない時間をずっと一緒に過ごしたのですから……。
 だからこそ、女性向けスマホゲームの躍進に大きくかかわったタイトルのひとつである『ときレス』と共に歩んだ5年間の軌跡を、ここに残していこうと思います。

  大好きなゲームのサービス終了は、やはり寂しいものですが、キャラクターたちと過した日々はかけがえのないものでした。
 すべてのゲームに「楽しい思い出をありがとう! 忘れないよ!」と感謝を込めて……。

【2018年サービス終了、更新休止】
『ときめきレストラン☆☆☆』(2013年3月〜2018年8月/KONAMI→コーエーテクモゲームス)

『5人の恋プリンス』(2013年12月〜2018年8月/KADOKAWA)
『下天の華 刻の詩』(2014年1月〜2018年8月/コーエーテクモゲームス)
『ハニー×トラップ ~誘惑のキスは恋の罠~ 』(2014年6月〜2018年3月/フリュー)
『マフィアモーレ☆』(2015年7月〜12月下旬/エイタロウソフト)
『恋する夜のシンデレラ』(2015年9月〜2018年3月/フリュー)

『私たち、結婚しました』(2015年11月〜2018年1月/Donuts)
『ドリフェス!(ドリフェス!R)』(2016年4月〜2018年5月/バンダイ)
『コロミィ』(2016年5月〜2018年2月/フリュー)
『枕男子~甘い夢のつづき~』(2016年7月〜2018年3月/エイタロウソフト)
『バンドやろうぜ!』(2016年10月〜2018年7月/アニプレックス、ソニー・ミュージックエンタテインメント)
『結ひの忍』(2017年3月〜2018年3月/ビジュアルワークス)
『君と霧のラビリンス』(2017年7月〜2018年6月/スクウェア・エニックス)
『ディアマジ ―魔法少年学科―』(2017年8月〜2018年10月/カエルエックス)

『ひらがな男子 いつらのこゑ』(2017年10月〜2018年4月/タボット)
『スタレボ☆彡 88星座のアイドル革命』(2017年10月〜2018年6月/Rejet)
『あやかしむすび』(2017年12月〜2018年6月/NHN ハンゲーム)
『Bloody Chain』(2017年12月〜2018年12月/DMM GAMES)

『カクテル王子』(2017年7月〜2018年7月/ギークス、gumi)
『ダッシュ!』(2018年5月〜2018年11月/ウェイブ)
『Wiz;Alice』(2018年9月〜2018年12月/セプテーニ・クロスゲート)


「恋愛ドラマアプリ」シリーズ(ボルテージ)より『花ざかりの君たちへ~Boys love you~』(2017年1月〜2018年7月)の他、2018年8月に『恋café』『恋愛上等!イケメン学園』『新選組が愛した女』『深夜0時素顔の執事』『容疑者たちの甘いたくらみ』『あの夜からキミに恋してた』『おかえり、僕の好きな人』『スイートルームで悪戯なキス』『恋人は公安刑事』『特別捜査密着24時』10タイトルが終了した。



【2019年サービス終了発表】

『ラブヘブン』(2014年2月〜2019年1月8日/アンビション)
『夢色キャスト』(2015年9月〜2019年1月15日/セガゲームス)
『マジカルデイズ』(2016年12月〜2019年1月25日/サイバード)
『Youと恋する90日間』(2017年4月〜2019年1月25日/UUUM)
『ライブラリークロスインフィニット』(2018年1月〜2019年1月8日/オトメイト、Wright Flyer Studios)


【2019年にリニューアル予定】
『なむあみだ仏っ!』(2016年3月〜2018年7月/2019年に『なむあみだ仏っ!-蓮台 UTENA-』として再開予定/ビジュアルワークス→DMM GAMES)
『オトメ勇者』(2017年12月〜2018年10月/2019年2月に『天惺のイリュミナシア〜オトメ勇者〜』として再開予定/レベルファイブ)
『魔王さまをプロデュース! 〜七つの大罪 for GIRLS〜』(2018年1月〜2019年1月/2019年春に再開予定/ホビージャパン)


文/近藤智子
構成/かなぺん


手持ちのスマホが非対応!?  機種変更に走った2013年

 『ときレス』がリリースされた2013年ごろの女性向けゲーム市場といえば、ボルテージの恋愛ドラマアプリや、サイバードの『イケメンシリーズ』、サイバーエージェントの『ボーイフレンド(仮)』など、GREE、Mobage、mixi、Amebaどのプラットフォームでプレイできる恋愛アドベンチャーが台頭し、iPhoneやAndroidで遊べるスマートフォンアプリ版の配信が始まった頃でした。

 これらのゲームは、ゲーム機を必要とせず手軽に楽しめることから、ゲームを遊ぶ習慣のなかった10代〜30代の女性を中心に盛り上がりをみせ、恋愛ゲームを楽しむ女性数を拡大させたといわれています。

(画像は【公式PV】新章イケメン大奥◆禁じられた恋 – YouTubeより)

 一方、従来からゲームをたしなんでいた女性たちにとってはプレイステーション・ポータブル(PSP)の全盛期。2013年に発売された女性向け恋愛シミュレーションゲームは『下天の華』(コーエーテクモゲームス)、『NORN9 ノルン+ノネット』(アイデアファクトリー/オトメイト)、『うたの☆プリンスさまっ♪AllStar 』『うたの☆プリンスさまっ♪MUSIC2』(ともにブロッコリー)など、コンシューマータイトルのヒット作が相次いでいました。

 2011年10月に登場した、シナリオと音声ドラマパートを楽しむモバイル用ノベルゲーム『明治東亰恋伽』が、PSP版となってブロッコリーより発売されたのも2013年でした。

 たった5年前の出来事ですが、2011年12月に発売したプレイステーション・ヴィータ(PS Vita)ではなく、PSPの全盛期だったのも、今からすれば「えっ? そうだっけ?」と不思議な感覚を引き起こすかもしれません。

(画像はうたの☆プリンスさまっ♪All Star | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイトより)

 2018年の今でこそ高い普及率のスマートフォンですが、2013年の個人保有率は39.1%! 流行に敏感な高校生で51.1%、大学生で68.5%、社会人でようやく70%といった状態でした。

 つまり、「ゲームをスマホ対応で出すよ」と言われても、スマートフォンの所持率が低かったことに加え、ゲームに対応している端末が少なかったこと、iPhoneとAndroidでサービス開始時期が異なっていたこともあり、簡単に「すぐ、ダウンロードしよ!」と言えない時代だったのです。

(画像は左:総務省 通信利用動向調査(出典)/総務省|平成29年版 情報通信白書|数字で見たスマホの爆発的普及、右:2013年2月20日発表/スマートフォン利用と依存傾向 ―総務省情報通信政策研究所との共同研究からより)

 KONAMIが『ときめきレストラン☆☆☆ 恋のレシピでつかまえて』のアプリゲーム展開を発表した2012年11月20日は、この時期だったのです。

 作品の舞台が2002年にKONAMIから発売され、多大な人気を博した恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル Girl’s Side(以下、『ときメモGS』)』シリーズと同じ“はばたき市”。設定がリンクしていることもあり、『ときメモGS』のファンの間でも「歌と食がテーマーの“ときめき”新シリーズって何?」と、ざわり……。

『B’s LOC』2012年11月20日発売号。『ときレス』のキャラクターたちが表紙を飾っているが、雑誌発売日まではシルエットしか公開されていなかった。
(画像は【ビーズログ1月号】(11月20日発売)掲載内容はコチラ!【ビーズログ.com】より)

 事前登録が開始となった2012年12月14日からは、ゲーム内に登場するのアイドルグループ「3 Majesty(スリーマジェスティ)」「X.I.P.(エグジップ)」のアイドルたちによる「ときめきレストラン☆☆☆ デビュー前センター争奪戦」が、公式サイトほか4カ所にて開催されました。

 さらに、動画サイトにてアイドルたちのインタビュー&所信表明映像を配信。アプリ事前登録者を対象として「ときめきメモリアル Girl’s Side DAYS 2013」のイベントチケット先行抽選販売を実施するなどの展開があり、『ときレス』はゲームの配信前から大きな話題となっていたのです。

(画像はムービー|ときめきレストラン☆☆☆より)

 そして、2013年3月14日ときめきレストラン☆☆☆』は、いよいよサービス開始に。2013年4月に10万ダウンロード、10月には30万ダウンロードを達成しています。

 この数字は、あっという間に100万ダウンロードを突破する【※1】タイトルが次々と登場している2018年現在の感覚からすると、やや遅いように感じてしまうかもしれませんが、スマートフォンの普及率の違いに加え、リセマラ(リセットマラソン)【※2】の要素がゲームにないなどの違いがあることでしょう。

※1 100万ダウンロードを突破
2017年〜2018年に配信されたタイトルの100万ダウンロード突破日数は、『A3!』(リベル・エンタテインメント)と『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』(ブロッコリー)が5日、『オンエア!』は4日。
なお、スマートフォン所持率が50%を超えた2015年ごろにリリースしたアプリの場合、『夢王国と眠れる100人の王子様』(ジークレスト)は約5カ月、『あんさんぶるスターズ!』(Happy Elements)は約6カ月、『アイドリッシュセブン』はサービス開始から約1カ月、『夢色キャスト』は約8カ月となっている。

※2 リセマラ
アプリゲームのプロローグ時点で、レアなカードやアイテムを入手するため、インストールとアンインストールを繰り返す行為のこと。2012年ごろに「リセットマラソン」という言葉がネット上で略され浸透し始めた。

 『ときレス』は、まさにフィーチャーフォンとスマートフォンの過渡期というタイミングにサービスが開始しました。

 結果、『ときレス』はスマートフォンへの切り替えに悩んでいた女性たちの背中を押しただけでなく、すでにスマートフォンを持ってはいたものの非対応端末だった女性たちは「『ときレス』を遊ぶためなら機種変更する!」と決意するまでに至りました。『ときレス』は、まさに「これからはゲームを遊ぶためにスマートフォンが必要な時代」と言うことを周知させていったのです。

スマホゲームでも男の子は動いてくれるんだ! リアルな吐息にドキドキの1年め

 配信当初のゲーム内容は、レストランを経営している主人公が、隣にある芸能プロダクション「Prince Republic(プリンスリパブリック)」に所属する3人組アイドル「3 Majesty」「X.I.P.」の男の子たちと恋愛を楽しむものでした。

 アイドルたちには食べ物に好き嫌いがあり、好きなものを提供し親密度が深まると、特別なイベントが待ち受けていました。

3 Majesty(右から辻魁斗、霧島司、音羽慎之介)とX.I.P.(右から神崎透、伊達京也、不破剣人)
(画像は右:【ときめきレストラン】「Show up!」ショートVer. / 3 Majesty – YouTube、左:【ときめきレストラン】「CHEAT DANCER」ショートVer. / X.I.P. – YouTubeより)

 たくさんのレシピを集めたり、可愛らしい家具やアイドルグッズを集めて店内をレイアウト。イベントでアイドルたちを応援したり、恋愛イベントを発生させたりと、簡単操作ながらゲーム性も備えていたのです。

 特徴的だったのは、2012年3月にKONAMIから発売されたPSPソフト『ときめきメモリアル Girl’s Side Premium 〜3rd Story〜』に導入した画像技術「Live2D」を『ときレス』も取り入れたことです。

(画像はときめきレストラン☆☆☆ ゲームPV – YouTubeより)

 女性向けアプリゲームに「Live2D」が使用されたのは、2012年11月17日に配信された、恋愛ストーリーと占い、スキンシップが楽しめる『2/2彼氏 -天使とアクマ-』(リブレ※配信終了)がすでにありましたが、iOSのみの配信にとどまっていたなど、まだまだ珍しいものでした。

 『ときレス』には、滑らかに動くアイドルとタッチでコミュニケーションできるドキドキの「スキンシップモード」があり、触れるたび照れたような甘いボイスを囁くアイドルを前に、「移動中はとてもできない!」とファンはニヤニヤを抑えきれませんでした。

(画像はゲーム紹介|ときめきレストラン☆☆☆より)

 女性向けスマホゲームといえば、レアリティの高いカードをガチャで集め、レベルアップさせる育成要素と、ランキングを競いレアアイテムをゲットするイベント要素からなるゲームが多いという特徴があります。
 『ときレス』にはカードガチャや育成要素はありませんでしたが、ユーザー同士で競い協力するイベント「VSライブ」と「センター争奪戦」がありました。

 「VSライブ」はキラキラ王子様系アイドルユニット「3 Majesty」とセクシー&ジェントルな「X.I.P.」のどちらか好きなグループを応援するイベント。
 グループエールメッセージや、タップ操作のミニゲームをクリアして手に入るポイントでアイドルにエールを送ります。勝ったグループのみが見られる「ビクトリーライブ」のムービーにはランキング上位者の名前が刻まれました。

 「センター争奪戦」は、「3 Majesty」の音羽慎之介、霧島司、辻魁斗、 「X.I.P.」の不破剣人、 伊達京也、神崎透の計6人のアイドルから、グループ内でセンターにしたいアイドルを選ぶのものでした。
 ここで言う“センター”は、“グループのリーダー”という意味ではなく、楽曲でソロパートが増える、コラボ企画でメインビジュアルに描かれるなど“特別なポジション”が与えられるということです。

 これにより、グループの中心となるアイドルが定期的に変化。楽曲もその時のセンターに応じて「曲名+<アイドル名>センターバージョン」となり、イベントのストーリーでも選ばれたセンターのアイドルが中心となっていました。
 こうした特別なイベント期間は、好きなアイドルをより一層力強く応援したものです。

 「VSライブ」「センター争奪戦」では、ランキングによって好きなグループやアイドルをイメージした特別な家具が貰え、好きなアイドルの家具でレストランを染め上げることで「どれだけアイドルのことが好きか」をアピールするため、誰もがこぞって上位を目指したのです。

 また、ゲームの人気と同時にアイドルたちも人気となり、2014年3月26日に発売したアルバム「Royal Trinity(ロイヤルトリニティ)」と「Naughty!!!(ノーティー)」はオリコン10位以内にランクインしています。

 併せてJOYSOUNDとのタイアップキャンペーンや、コナミデジタルエンタテインメントが提供する音楽シミュレーションゲーム「pop’n music ラピストリア」、ゲームアプリ「ポップンリズミン」、音楽ゲームアプリ「REFLEC BEAT plus」「jubeat plus」に楽曲が登場するなど、音楽面でもさまざまな展開が行われました。

(画像はアーカイブ|ときめきレストラン☆☆☆より)

衝撃の移管! 2014年、運営がKONAMIからコーエーテクモゲームスへ

 こうした多方面での展開に喜んでいたものの、2014年を過ぎたころ……ゲーム内イベントに参加しても「以前と同じ時間をかけたプレイなのに、順位がかなり上がっている」という感覚がしばしば。

 『ときレス』は、料理を作るときに必要になる体力をフレンド同士で補える要素があるなど、フレンドとの交流も盛んなゲーム。少しずつログインしなくなるフレンドが増えていく現実に「料理作りやレストランのレイアウトに飽きちゃったのかなぁ?」とプレイヤーは寂しさを感じていました。

 しかし、今回あらためて2014年前後のブームを振り返ってみると、この頃、女性たちを虜にしていたのは、ゲーム……ではなくTVアニメだったのです。

 水泳部が題材の「Free!」(2013年7月〜10月・第1期放送)の爆発的な人気に加え、自転車競技部を描いた「弱虫ペダル」(2013年10月〜2014年6月・第1期放送)、さらにバレーボール部の「ハイキュー!」(2014年4月〜9月・第1期放送)といった男子高校生スポーツ作品ブームが到来
 さらには2012年よりTVアニメが放送されていた「黒子のバスケ」「K」「PSYCHO-PASS」「マギ」などの依然とした人気や、第2期の放送開始など……女性たちを誘惑した作品は枚挙にいとまがありません。

 思い返せば、この頃TVアニメに釘付けとなり、男の子たちの筋肉美に萌えていた女性も多いのではないでしょうか。
 女性向けゲームはコンシューマー、アプリともに、TVアニメの人気にやや押されていた時期だったのです。

 そんな折、2014年7月10日に『ときレス』の運営がKONAMIからコーエーテクモゲームスへ移管されることが発表となりました。ファンたちからすれば、まさに青天の霹靂

 2018年の今となっては『夢色キャスト』(セガゲームス→マイネットゲームス)、『B-PROJECT 無敵*デンジャラス』(S&P→MAGES.)、『SHOW BY ROCK !!』(ギークス→エディア)などの例があるように、運営移管は珍しくなく、サービスもしっかりと引き継がれるイメージがあることでしょう。

 しかし、アプリゲームがようやく身近になり始めたころの2014年……。ファンたちは“移管”が示す言葉の真意がわからず、「運営移管って何? 結局どうなるの?」「ネオロマンスシリーズの仲間入りするってこと?」「ときめき無双!?」 と右往左往していたのです。

(画像は運営移管に関するお知らせ|ときめきレストラン☆☆☆(ときレス)より)

 ドキドキの運営移管でしたが、これが『ときレス』の新たなスタートであると身をもって感じたのは間もなくのことでした。

 ファンたちが不安にかられているなか、2014年8月1日に『ときレス』初となるインターネット番組「ときめきレストラン☆☆☆スペシャル生放送」がニコニコ生放送で配信開始。運営移管直前の生放送をファンたちは固唾を飲んで見守ったものです。

 パーソナリティはネオロマンスのイベントMCでお馴染みの久遠一さんとコーエーテクモゲームス広報の桂毅さん。
 番組開始直後、久遠さんが「はばたき市のスタジオにいる音羽くん?」と、特別ゲストとして音声出演をしていた音羽慎之介に語りかけると、「はい、こんばんは。音羽慎之介です。みんな元気?」と応え、神崎透が「同じくスタジオの神埼透です。今日はなんか大事な話するらしいけど」と返した瞬間、ファンは変わらぬアイドルたちの声に感涙しました。

 さらに、桂さんから“世界観やキャラクターの魅力はそのままにファンはプレイし続けられる”ことが発表されると、「よかった!」「ほっ」といったコメントがモニター一面に溢れました。

(画像は【音羽慎之介&神崎 透ゲスト出演!】ときめきレストラン☆☆☆スペシャル生放送 – 2014/08/01 21:00開始 – ニコニコ生放送より)

 さらに、番組ではコーエーテクモゲームスの襟川恵子代表取締役会長からのビデオメッセージも!

 襟川会長は1983年に『信長の野望』が発売された頃に女性向けゲームを作ろうと思ったこと、1994年に『アンジェリーク』を発売し、2014年でネオロマンスシリーズが20周年を迎えたことなどを紹介。そんな折に出会った『ときレス』は、魅力的なキャラクターや優れたゲームシステムのスマホゲームで、ゲーム開発者としてショックを受けるほどの衝撃だったことを告白しました
 運営移管後には、KONAMIとコーエーテクモゲームスの強みをゲームに反映させるだけでなく、メディアミックスコンテンツの予定があることにも触れるなど、女性向けゲーム業界を切り開いてきた襟川会長の力強い言葉は、ファンを安堵させました。

 また、ゲーム内イベントに加え、コミックマーケットなどのイベントにおけるグッズ発売、「ネオロマンス20thアニバーサリー」へのゲスト出演、新曲リリースについての発表もあり、ファンは「よかったよかった」「大切にされるんだね」と『ときレス』の今後が不安ではなく希望であることに拍手を送りました。

(画像は2014/8/1放送「ときめきレストラン☆☆☆ スペシャル生放送」【期間限定公開】 – YouTubeより/期間限定で配信されていた番組のスクリーンショット)

 こうして、ファンは『ときレス』がKONAMIで生まれた作品である思い出として、声の出演、収録曲、企画、キャラクターデザイン、シナリオ、グラフィック、スクリプトなどのスタッフが記載されている「クレジット」画面を記念保存

 KONAMIとして最後に開催されたイベント「幸せのレストラン」では、プレイヤーが経営するレストランがアイドルたちにとって“オアシス”であることなどが語られました。
 そして、ボーナスクエストの課題は、“「塩むすび」573個以上作る”というもの。「573(=コナミ)!?!?!」とその数字に目を丸くし、笑い、クリアに苦戦しつつ……長時間のメンテナンス後、無事、運営は移管されました。

2015年は内田明理氏と先崎真琴氏のコナミ退社に驚き……

 運営移管後は、アイドルたちがエールスコアを競い合う「VSライブ 7Days of Summer」「X’mas サンクスフェスタ2014」そして「2周年 スペシャルキャンペーン」などゲーム内イベントが行われ、『ときレス』は順風満帆。
 ファンはアイドルたちに毎日会える楽しみと嬉しさを噛み締めていました。

(画像は2周年スペシャルキャンペーン|ときめきレストラン☆☆☆より)

 しかし、またしても青天の霹靂が……。

 2015年3月15日に『ときメモGS』のプロデューサーでもあり『ときレス』のシニアプロデューサーを担当していた内田明理氏のKONAMI退社が明らかとなりました。
 『ときレス』の運営はコーエーテクモゲームスに移管された後とはいえ、この衝撃は凄まじいものでした。

 と同時に、ファンが気になったのは『ときレス』のキャラクターデザインを務めている先崎真琴氏のこと……。

 恋愛ゲームにおけるキャラクターデザインの重要度の高さは想像するまでもありません。
 美麗なアイドルたちを描いてくれる先崎氏は、イラストレイターではありながら、アイドルを撮り下ろす“フォトグラファー”ともいえる存在だったのです。

 「どうなる……どうなったの?」ファンたちがドキドキと成り行きを見守る中、先崎氏が8月20日にSNSでイラストの続投とKONAMIをすでに退社している旨を報告。ファンは、これからも先崎氏のイラストに出会えることに、ホッと大きく胸をなでおろしたのです。

 2013年のサービス開始から2年……。ときにファンの想像を超えるような出来事もあった『ときレス』ですが、2015年にはアバターゲームアプリ「ポケットランド」(ジークレスト)やハローキティとのコラボイベントを実施するなど新たな展開でファンを楽しませてくれました。

『ときレス』はゲームアプリのサービスが終了するまでに、アバターゲーム『ポケットランド』(ジークレスト)、『イケメン戦国◇時をかける恋』(サイバード)、『のぶニャがの野望』(コーエーテクモゲームス)、5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』(バンダイカード事業部)、ミュージカルリズムゲーム『夢色キャスト』(セガゲームス/マイネットゲームス)とのコラボを実施した。
(画像はアバターゲームアプリ「ポケットランド」 「ときめきレストラン☆☆☆」とコラボレーションキャンペーンを開催! | 株式会社ジークレストより)

 とはいえ2015年は、社会現象を巻き起こしたブラウザゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』(DMM GAMES)の配信開始に加え、『あんさんぶるスターズ!』(Happy Elements)、『アイドリッシュセブン』(バンダイナムコオンライン)など育成ゲームが爆発的に増えてきた時期です。

 恋愛ではなく“育成”というブームの到来に、「『ときレス』は大丈夫?」とファンがチラッと未来を考えた頃、『ときレス』ではアイドルたちがなんと“現実化”。誰も想像できなかった展開でファンたちを喜ばせるようになりました。

 ここから『ときレス』は新たな挑戦へと突き進み、“リアル”というゾーンへ女性たちを誘ってくれたのです。


「ときめきif」の登場に『ときメモGS』ファン歓喜

 2015年9月から、『ときレス』では大幅なシステムのアップデートが数回行なわれ、さまざまな機能が追加されるようになっていました。
 この頃になると、ガチャやクエストで手に入れたレシピや家具が増えに増え……目的のアイテムを探すのに一苦労。部屋のレイアウトを変更しようにもロード機能がなく、一大事! という状況になっており、「うぅ、つらい……」と思ったファンも少なくなかったことでしょう。

 そんなファンの要望に応えるかのように、ズラリと並んでいたレシピが並べ替えられるようになり、アルバムはメインイベント”と“期間限定イベント”の2種類に分けて保存可能に!おでかけ先から、他のお店への移動もスムーズにできるようになりました。

(画像は開店2年と半年ありがとうキャンペーン|ときめきレストラン☆☆☆より)

 さらに、2016年5月30日のメンテナンス後からは、レシピにお気に入りタブが追加され、部屋のコーディネートにも「初期レイアウトロード機能」や「まとめて操作」、「並べ替え」が実装に!

 なかでも嬉しかったのは、アイドルへ応援の気持ちが伝えられる「サポーターポイント」の登場でした。

 これまでは、手に入れたアイドルグッズはレイアウトの一部として“飾るだけ”でした。しかし、サポーターポイントを持つアイドルグッズなどをお店に飾ると、効果が発揮され、好きなアイドルの来店頻度がアップ! レストランを訪れたアイドルが特別なリアクションを取ってくれるようになったのです。

 その後も、クエスト確認ページのページ切り替え機能、家具やグッズの並べ替え、アイテムまとめ機能、未読スキップにジュエル購入ボタンの追加など、「もう少しココが便利だったら……」というファンの希望が次々に叶えられ、これまで以上に店のレイアウトに没頭しやすくなりました。

(画像はアップデート直前キャンペーン!!|ときめきレストラン☆☆☆より)

 そして、2017年8月21日のメンテナンス後からは、アイドルたちとのもしもの世界が楽しめる恋愛イベント「ときめきif」が登場!
 『ときレス』は当たり前のようにキスシーンは描かれていましたが、“すごく距離が近いけれど、カレと付き合っていないし恋人じゃない”という、悶えるような状況……。

 アイドルといえば「恋愛はご法度!」がセオリーですが、“やっぱり好きな人とはイチャイチャしたい”というファンの願望に応えてくれたのが「もしアイドルではなく、違ったシチュエーションで恋人だったら……」というifストーリーを味わえる「ときめきif」でした。

 これは第1回(2017年8月21日〜9月1日)の「恋人デート編〜夏〜」に始まり、「キャンパスライフ編」「2人きりの海外旅行編」「彼の愛情いっぱい看病編」「恋人たちのクリスマス編」「恋人たちのバレンタイン編」「恋人たちのホワイトデー編」「彼のお部屋でデート編」と、学生同士や、ごく普通の恋人としてなど、いろいろなシーンを楽しむことが出来ました。

(画像は各種アップデート|ときめきレストラン☆☆☆より)

 この「ときめきif」は、じつはそもそも2014年に雑誌「B’s LOG」内の『ときメモGS』の企画として開始されたもの。

 『ときレス』は『ときメモGS』と同じ、はばたき市が舞台の物語。この懐かしいif企画が再来しただけでなく、イメージビジュアルにも以前の雰囲気が引き継がれていたため、『ときメモGS』ファンが喜んだのは言うまでもありません。

(画像はときめきif~もしも、GSの王子様が×××だったら!?~より)

アイドルたちが“現実に存在”していることを確信した2016年〜2017年

 こうして、『ときレス』はゲーム内のシステムやイベントが充実する一方、ついにゲームから現実へアイドルたちが飛び出してきました

 3DCGモーションでキャラクターが動くバーチャルライブは、Vtuberなどが流行している2018年現在では、そう珍しいものではありません。しかし、2016年ごろの女性向けコンテンツ市場では「大好きなキャラクターが目の前で動く」ことは驚きでしかありませんでした。

 女性向けコンテンツにとっても大きな転機となったのは、2016年2月21日に横浜関内ホールで行われたバーチャルライブ「3 Majesty × X.I.P. LIVE -Triple Road/TRICK★STER- in Yokohama」。2次元に存在するアイドルたちがステージ上に現れ、ファンの前でパフォーマンスをしてくれたのです。
 いつもアプリの中で見ていたアイドルたちがそのままの姿で現実に降り立ち、歌い、踊り、こちらに手を振ってくれる。奇跡のような一夜に、ただただ「“3 Majesty” と“ X.I.P”って本当に実在していたんだ」と泣き崩れたファンも多かったことでしょう。

(画像はときめきレストラン☆☆☆シリーズ INFOより)

 女性向けゲームのメディアミックス展開が盛んになるつれ、2012年から定期的にライブを行っている『うたの☆プリンスさまっ♪』、2015年12月に1stライブを開催した『アイドルマスター SideM』(バンダイナムコエンターテインメント)など、声優イベントやライブも多数開催されるようになりました。

 とはいえ、それらの多くはキャラクターを演じる声優がステージでライブパフォーマンスを行う形式であり、声優とキャラクターは一心同体であり、別でもあった。

(画像は4/26発売 DVD『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE LIVE1000% 2nd STAGE』最新PV – YouTubeより)

 一方、『ときレス』ではキャラクターを演じる声優名は公開されているものの、声優本人がステージなどに姿を見せることはありません。

 この理由は、2017年Social Game Infoの取材でコーエーテクモゲームス取締役の襟川芽衣氏が、開発当初から“アイドルの実在性を大切にする”思いからなしたこと、と語っています。
 ここでは、開発チームが表に出ないことはもちろん、その表現方法として生放送でもLive2D映像でアイドルが中継出演すること、雑誌などのインタビューもアイドル自身が受けることといったこだわりも多く語られており、「キャラクターそのものが生きて、存在している」というイメージをとことん守っていく姿勢が伺えました。

DMM VR THEATERで行われたライブを観劇したファンたち。プレイヤーの名前はもちろん、自分で設定できるコメントもライブにちなんだものになっていた。コメントはファン同士のコミュニケーションツールの役割もあった。

 ライブが始まった2016年ごろは、パフォーマンスを行うときのみアイドルたちがステージに現れ、トークパートはいわゆる「影ナレ」のような状態でした。

 しかし、を重ねるごとに曲のバリエーションやダンスのクオリティがアップ! アイドルたちが歩いて袖にはけた瞬間、ステージ上でのフリートーク、ファンに向かって声掛け、トークの内容が変わる……などなど。リアルな人間が繰り広げるパフォーマンスと比べても遜色がなくなっていく過程は、まさに新境地の到来。

 ライブを通してアイドルたちの成長ぶりを目の当たりにし、それぞれの定番の決め台詞“王子たれ!”“We are X.I.P.!!”を実際にコールしたり……。
 ファンは「アイドルたち、生きている!」と涙を流してより一層のこと喜びました。

【LIVE活動の歴史とこれから】


2016年2月21日 「3 Majesty × X.I.P. LIVE -Triple Road/TRICK★STER- in Yokohama」(横浜関内ホール 大ホール)/記念すべき初のバーチャルライブ


2016年8月6日〜28日 「3 Majesty×X.I.P. LIVE -Triple Road/TRICK★STER- in DMM VR THEATER」(DMM VR THEATER)/最新鋭の3DCGホログラフィックライブが行える会場に!


2016年11月19日 「3 Majesty × X.I.P. LIVE -Triple Road/TRICK★STER- in ARIAKE」(ディファ有明)/初のオールスタンディング形式


2017年3月11日〜26日 「3 Majesty × X.I.P. LIVE -Triple Road/TRICK★STER- FINAL」(DMM VR THEATER)/アルバムツアーのファイナル


2017年8月5日〜27日 「3 Majesty × X.I.P. LIVE -SPLASH SUMMER FES 2017」(DMM VR THEATER)/6人で歌う曲を披露


2017年11月4日、5日、11日、12日 「3 Majesty × X.I.P. DREAM FESTIVAL in Sanrio Puroland」(サンリオピューロランド内 エンターテイメントホール)/サンリオキャラクターも登場


2018年3月3日〜4月1日「3 Majesty × X.I.P. LIVE -5th Anniversary Tour-」(DMM VR THEATER)/5周年を祝うアニバーサリーツアーの幕開け


2018年7月28日〜8月26日「3 Majesty × X.I.P. LIVE 5th Anniversary Tour -SPECIAL SUMMER-」(DMM VR THEATER)


2019年1月26日、27日、2月2日、3日 「3 Majesty × X.I.P. LIVE -5th Anniversary Tour- in Sanrio Puroland」(サンリオピューロランド内 エンターテイメントホール)


2019年3月9日〜3月31日「3 Majesty × X.I.P. LIVE 5th Anniversary Tour -FINAL〜WITH YOU〜-」(DMM VR THEATER)

 「アイドルの実在性」。それは2次元キャラクターでありながら、3次元アイドルとなんら変わらぬ状態であること。

 これを示すように、アイドルたちが所属する芸能プロダクション「Prince Republic」として、2017年8月にアーティストサイトが開設されました。サイトでは『ときレス』のゲーム情報は告知されておらず、アイドル「3 Majesty」と「X.I.P.」のディスコグラフィーやニュース、プロフィールが楽しめます。

(画像はPRINCE REP. | NEWSより)

 さらに、アイドルたちはインスタグラムのアカウントも開設。アイドルたちが手動で更新している投稿内容は、その日の食事、本人たちが見た景色と、仕事の様子はもちろんオフの姿を伺うことができます。

 SNSでファンと繋がり、ライブに行けば会える。それはまさに“会いに行けるアイドル”そのものなのです。

(画像は@3mj_xip • Instagram写真と動画より)

夢にみた、カレとの結婚がリアルに実現!?

 『ときレス』はアイドルの実在性を大切にする一方で、「もしも、結婚できたなら……」と誰もが一度は想像するだろう“夢の具現化”にも注力し、アイドルと結婚式場のコラボを打ち出しました。

(画像は『ときめきレストラン☆☆☆』×『エスクリ』コラボレーションイベントのチケット情報・予約・購入・販売|ライヴポケットより)

 2015年6月9日〜16日にはアイドルと一緒に結婚式場を見学する「憧れのハピネス・ブライダル」が開催され、アイドルと一緒に結婚式場を見学するゲーム内イベントが開催されました。が、これはあくまでゲーム内での話でした。

 ところが2017年6月24日〜25日に開催されたのは、「ときめきレストラン☆☆☆×アルマリアンTOKYO Sweet❤Wedding」というリアルな結婚式場でのイベントです。

 池袋の結婚式場、アルマリアンTOKYOで催されたこの企画は、ミュージックビデオの流れる披露宴会場で美味しいスイーツに舌鼓。
 さらに、バージンロードの先で待ち構える新郎姿のアイドルと記念撮影ができるという夢のようなイベントでした。

(画像はPRINCE REP. | 『エスクリ』コラボイベント第2弾より)

 ここでは、透明なクリアパネルのアイドルたちが荘厳なチャペルに登場。会場の雰囲気も相まって、やはり実在しているかのような存在感!
 結婚式にふさわしいオシャレをして訪れ、アイドルと撮影ができたファンは「ついに大好きなアイドルと結婚できた!」と大興奮しました。

 さらに、この企画には通常のプランより高価な“プレミアムプラン”が用意されていました。これは1日1人限定といったもの!
お値段10万8000円(税込)ですが、内容を知れば妥当な価格。
 なんと、プロよるヘアメイク、ブライダル専門のカメラマンによる写真撮影に加え、ドレスのレンタルも。極めつけは、チャペルで好きなアイドルをひとり選び、ツーショットで撮影ができました。 
 
 そう……つまりまさに花嫁の状態「大好きな彼との結婚式のためなら!」と多数の申し込みがあったといいます。このイベントは好評を博し、2018年1月には神戸・福岡・池袋で第2弾も行われました。

アプリの終了……最後の日は「ありがとう」で埋め尽くされた

 ライブに結婚式と『ときレス』はさまざまな方法でファンの夢を叶え続けてくれました。

 2016年2月に東京・お台場の屋内型遊園地「東京ジョイポリス」とコラボした「ときめきレストラン☆☆☆ feat.JOYPOLIS」は、2018年10月までに3回実施され、アイドルソングがオーケストラで楽しめる「GAME SYMPHONY JAPAN PREMIUM CONCERT ~ときめきレストラン☆☆☆~」が2017年9月1日、「GAME SYMPHONY JAPAN 28th CONCERT 〜ときめきレストラン☆☆☆5周年記念〜」が2018年2日1日にそれぞれ開催されました。

 2017年12月からは、コーエーテクモウェーブが展開するゲームセンター向けのVR筐体「VRセンス」にて「3 Majesty × X.I.P.DREAM☆LIVE」を提供開始。コントローラーを操作してペンライトを振ったり、アイドルの香りも堪能したりできるようになりました。

(画像は12月21日プレイ開始!『VRセンス スパークリングブルー』ゲーム説明 – YouTubeより)

 この時期の大きな出来事といえば、2018年2月10日から「プロダクションI.G」が手がける劇場アニメ作品「劇場版ときめきレストラン☆☆☆ MIRACLE6」が上映されたこと。

 2月22日には、アイドルたちの活躍を追いかける“ドラマティックライブドキュメンタリー”と銘打ったPS Vita/アプリ『ときめきレストラン☆☆☆ Project TRISTARS』も発売されました。2018年3月には「KOEI TECMO カフェ&ダイニング」ともコラボもありました。

 こうしたアイドルたちの積極的な活動を見ていたファンたちは、数カ月後に待ち受けることを、想像すらしていなかったことでしょう……。

 しかし、時はやってきました。

 2018年6月15日、『ときレス』のアプリサービスが2018年8月31日14時で終了となる知らせが舞い込んだのです。

 最後となったイベントは幸せのレストラン~All for you~」。このタイトルをみた瞬間、リリース時からゲームを楽しんでいたファンは、思わず涙したことでしょう。
 なぜなら、運営移管前、KONAMI最後のイベント「幸せのレストラン」と同じタイトルだったからです。

 現在の女性向けアプリはシナリオフルボイスが定番ですが、『ときレス』はパートボイスのみでした。
 しかし、最後のイベント「幸せのレストラン〜All for you〜」はフルボイスでした。。6人のアイドルたちがレストランを訪れ、それぞれが好みの料理を注文し、プレイヤーに向かって日頃の感謝を述べていきました。

 大好きなアイドルの愛しさあふれるボイスを聞いた瞬間、一緒に過ごして楽しかったこと、嬉しかったこと、苦しかったこと、切なかったこと……これまでの数々のイベントが思い起こされました。

 「みんなありがとう……!、これからもがんばろう!」……と。

 サービスが終了となる2018年8月31日は、やはり離れがたいのか、多くのユーザーがアクセスし、朝からアプリに繋がりにくい状況でした。

 SNSには「最後なのにアイドルに会えない!」「もう少し延長して!」と悲しみの声が溢れましたが……時は無情に過ぎ、同日の14時、ファンに惜しまれながら『ときレス』のサービスは終了となりました。

 サービス終了後、ファンたちは「ありがとう」と思いをSNSに投稿。

 数多くの女性向けアプリゲームがリリースされ、“戦国時代”とも評される2018年に至るまで、『ときレス』が約5年半という長きにわたり、ファンに愛され続けたのは、キャラクターたちの実在性を徹底的に守ってくれたこと、夢の具現化をしてくれたことなど、常に、新しいものを提案し続けてくれる先駆者精神があったからではないでしょうか。

 スマホアプリでのアイドルゲームの先駆けとして登場した『ときレス』は、確かに歴史に幕を下ろしました。しかし、コンテンツとしては継続されます。
 これもまた、キャラクターたちが実在しているからこその展開なのでしょう。まだまだアイドルたちの活動は続きます。
 今後『ときレス』がみせてくれる新たな世界には、どんな未来が待ち受けているのでしょうか。

 今回『ときレス』という作品を改めて振り返ることで、“アプリゲーム”には、ユーザーとキャラクターが同じ時間を共有し、目まぐるしくも刺激的な変化を受け入れることで、「今、この瞬間を一緒に生きている」と感じられる点が最大の魅力であることに気づかされました。

 『ときレス』をプレイしていたころ、筆者には、毎日0時前後と早朝にアプリを起動するルーティンワークが出来ていました。今でもふと0時前になると「あっログインしなきゃ、ボーナス受け取らないと!」と反射的に思っては「もうその必要はないんだ……」と心に空いた穴を感じ、寂しくなります。

 2019年もさらにゲームが生まれることでしょう。もちろん、残念ながらサービスが終了となるアプリも出てくるかもしれません。
 現在はサービス終了後に買い切りアプリやオフライン版として、作品が残るケースも増えてきましたが、まだまだごく一部です。
 
 出会いと継続。そして別れと新たな出会い。

 2次元コンテンツとはいえ、そこで感じるのはリアルな人間の出会いと別れにも等しい、“寂しさや嬉しさ”のループです。
 キャラクターたちが身近にファンに寄り添ってくれる時代だからこそ、「カレらとともに生きている瞬間を、まるごと大切にする」重要さをひしひしと感じます。

 喪失感を感じつつも「ありがとう」と言える。そしてその先も「愛して良かった」と思える優しい気持ち。それこそ……まさにファンとキャラクターがともに過ごした証拠であり、真実の愛なのかもしれません。

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『ときレス』を現在運営しているコーエーテクモホールディングス代表取締役会長の襟川恵子氏。ネオロマンスシリーズの生みの親でもある襟川氏が女性向けコンテンツにかけるアツい思いが語られている。

 
著者
AAAからインディーズ、乙女・育成ゲーまで遊ぶゲームがないと生きていけない人。好みのイケメンキャラが死にやすい、乙女ゲームですぐバッドエンドに直行してしまうのが悩み。『Gamer』、『4Gamer』ほかで、IT/ビジネス系やサブカルなど幅広いジャンルの記事を執筆中。
構成
コスプレ雑誌の編集部を経て、電ファミ初の女性スタッフとなった編集者。乙女ゲームと育成ゲームをこよなく愛し、BLゲームを嗜んでいる。2.5次元舞台の観劇とコスプレ撮影が趣味。アニメに影響されフィギュアスケートを習っている。