「人に黒歴史あり」。人間生きていれば、楽しい思い出ばかりじゃない。隠しておきたい過去もある。そんな自分の「黒歴史」グッズを持ち寄って、みんなに公開した後で、そのグッズをプレゼント交換するイベントが開催された。

誰だってある?黒歴史
東京・池袋の雑居ビル。この日、年代も職業もさまざまな人たち20数名が集まった。みんなの共通点は、手に「黒歴史グッズ」を持っていること。中身が見えないようにラッピングしてある。どんなグッズが入っているのか?



まずは自己紹介を兼ねて「自慢話」をすることに。進行役のホリケンさん曰く「ステイタスのある人が残念な黒歴史を話すと、そのギャップが面白いじゃないですか?」

高級住宅地に住んでいるとか、起業しているとか、高学歴だとか……。自慢するのは、黒歴史を話すより実は照れる。



順番を決めてグッズの入った袋を選ぶ。選ばれたグッズを持ってきた人がみんなの前に出て、黒歴史を話すという流れ。順番を決めるためにクイズが出題された。

黒歴史という言葉が生まれてから、およそ何年経ったでしょう?」という問題で、答えた数字が正解に近い人から選んでいく。

ちなみに答えは「22年」。アニメ番組内で使われたんだとか。




いよいよ黒歴史を話す時
まずはホリケンさんの黒歴史グッズの紹介から。昔、学生団体で作成したタオル。作ったけど全然売れなかったそう。

しかし黒歴史はそこではなく、その学生団体の崩壊の原因がホリケンさんを中心にした男女の「三角関係のもつれ」だったこと。大学生のサークルが上手くいかなくなる原因の多くは男女関係ということらしい。




男女関係の黒歴史グッズがエスカレートしていく
元旦那が使っていたマグカップ。同棲していた元カレが置いていったゲームソフトなど、過去の恋愛に関するグッズが次々と選ばれる。

そして、医学部の学生さんが出してきたのは、大人のラブグッズ。「彼女が住んでいたシェアハウスのリビングでも事におよび……。結果、そのシェアハウスを出禁になりました!」確かに黒歴史。このラブグッズが使用済み品だと分かると、もらった男性も引き気味に。




さらには壊れたドアノブも出品された。「元カレが部屋に押しかけてくることが分かり、怖くて外出したんです。そして帰宅したら、空手黒帯の彼にドアノブが折られてました」

怖い。笑えない。でも話した人は笑顔でさらりと、捨て方が分からなかったと言うが、色んな思いがあったのだろう。もらった人は「念が強そうなので、お祓いしてから処分しますね」と笑顔。いい人にもらわれたかも。



さらには男女関係だけでなく、男男関係も。「元カレの浮気がわかった時の品々です」という男性。“ヘアゴム、塩、軟膏など”。「浮気の証拠が捨てられなくて、引き出しに入れていたら、引き出しがいっぱいになっちゃいました」。次は浮気しない彼を見つけてください。




仕事にもある黒歴史
こちらは某社製品によく似たスマートウォッチ。「中国で安く売っていたので、日本で販売しようと買い込みましたが、失敗しました」。ちなみにこの後、時計のバッテリーが膨れてきたのだ! 爆発しなくてよかった。



こちらは詐欺師にもらったボールペン。投資話に乗せられて、借金までしたそう。でも本人は「当時の私は自分の金儲けのことしか考えていなかった。これをきっかけに、他人の役に立つ仕事をしようと思って転職し、今に至ります」と語る。黒歴史だが、会場内は「いい話聞いたなあ」という雰囲気に。



黒歴史を話すことで気持ちもグッズも成仏できた
こちらは女の子にフラれて初めて行った風俗店の会員証。次回の割引券がついていたので、本人ちょっと名残惜しそうながらもプレゼント。



かわいいもの集めがやめられない30代女性。ウサギの耳あてを持ってきて、今日からかわいいものを卒業しますと宣言。



女性声優の声を集めたCD。オタクグッズは黒歴史になりやすい!? 結婚を機に手離すことを決めたそう。



笑える思い出、恥ずかしい思い出、辛い思い出。誰かに話すことで思い出も、グッズも成仏できたようで、交換会の後はみんなスッキリ笑顔に。

最後はもらったグッズを見せ合ったり、追加のエピソードを聞いたりで、初めて会った人同志でも不思議と連帯感が生まれていた。開催予定時間がオーバーしてしまうほどの盛り上がりで、「黒歴史」交換で年末の楽しい夜となった。

(前田郁/イベニア)

使用済みのラブグッズは、もらった人も困り顔