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 さて前回、カナダには21世紀の現代においても、魔術偽計罪なる法律が存在しており、その法律が廃止する動きがあることをお伝えした(該当記事

 そしてついに、その法律は2018年12月13日をもって廃止されることとなったようだ。

 ところが、12月11日カナダ、オンタリオ州在住のある女性がエセ魔術を使った容疑で逮捕されたのだ。わずか2日後には魔術偽計罪が刑法から削除されるというタイミングだった。

 容疑者は「北の白い魔女」の通り名で知られるティファニー・ブッチ(33歳)で、呪いを解く引き換えに金銭を要求したという。

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魔術偽計罪が有効なら直前でもそれに従うという警察

 カナダ・ティミンズ市警の担当者は、警察と検察は犯行の時点で有効な法律に基づき行動していると話す。

 「古い刑法かもしれないが、それが適用されるなら、警察や検察はそうのように動く。」(ティミンズ市警)

 ほんの数日で法律が廃止になることは、その行為が違法行為であるかどうかの判断に影響しないという。検察と協議した結果、今回の事件には魔術偽計罪がもっともよく当てはまると判断したのだそうだ。

 「今回の事例において、容疑者は被害者に家族に悪いことが起きるという不吉な印象を与え、それを未然に防ぐために神秘的な儀式を行わねばならないと思い込ませた。」(ティミンズ市警)

 そして逮捕の2日後となる12月13日C-51法案に対する裁可が下り、刑法第365条魔術偽計罪の廃止が決定した。この法律は以前よりあまりにも時代遅れで「ゾンビ」と揶揄されてきた条文だった。

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ブッチ容疑者はあくまで無実を主張

 一方、ブッチ容疑者は容疑を否認しており、ほかの霊能者によってはめられたと主張している。CBCニュースが電話で取材を申し込んだところ、次のように答えたという。

 「私を魔女と称え、愛称をくれたのは周囲の人たちです。私は魔女ではなく、霊能者なんですが。」(ブッチ容疑者)

 彼女によると、「北の白い魔女」という呼び名を受け入れたのは可愛らしかったからだそうだが、自身が魔女のように振る舞ったことはもちろん、金銭を要求したこともないという。

 「嘘じゃないですよ。誰が私をはめたのか知りませんが、10月以降の顧客から苦情があったことはありませんし、返金を求めてきた人だっていません。」(ブッチ容疑者)

 ブッチ容疑者は弁護士を雇い、あくまで身の潔白を証明する予定でいる。公判は1月22日に開かれる。

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魔術偽計罪で逮捕された「北の白い魔女」の通り名で知られるティファニー・ブッチ(33歳)

 なお10月には、オンタリオ州ミルトンでも、詐欺、ゆすり、魔術を使っているよう装った廉で自称占い師の女が逮捕されている。

・え?21世紀なのに?カナダで女性が魔法を使い魔女の嫌疑で逮捕される事案発生。その真相は? : カラパイア

 ティミンズ市警では「千里眼や超能力者」と称する人物による「良くないことが起こるという主張」には十分注意するよう呼びかけている。

カナダ刑法の大幅な改正を求める専門家の意見

 カナダ・ダルハウジー大学の法学者ステファン・コフラン教授は、魔術偽計罪などの時代遅れの条文を整理するC-51法案について、有用だが控えめな一手と評する。

 同法案では、こうした古い条文を廃止するほか、容疑者が自身の無罪を証明しなければならない「立証責任の転換」を定めた条文も廃止する。

 ところが、最高裁で違憲であると判断されたいくつかの条文(中には25年以上前に判示されたものもある)は相変わらず残ることになるという。

 さらに一貫性の欠如や重複もあるために、犯行時点での精神状態といった重要な事柄について指針を得ることができないのは相変わらずのままだ。

 刑法を軽くいじくりまわした程度では、必要とされる根本的な変化は成し遂げられないそうだ。

 カナダの刑法は1892年に制定され、1950年代および70年代に大幅な改正を受けたものだ。

written by hiroching / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52269306.html
 

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