2019年度(平成31年度)の大学入試センター試験の確定志願者数と利用大学・短期大学数が、2018年12月7日に発表されました。志願者数は57万6,829人と前年度より5,842人減少し、現役志願率は前年度より0.6ポイント減の44.0%となった一方、利用大学数は過去最多の852校になっています。

受験生の皆さんにはぜひ頑張ってもらいたいものですが、おめでたい合格後に待ち受けるのが授業料などの経済的負担です。特に初年度は入学金や施設設備費などの費用に加え、私立大学では寄付金の納付もあります。では、大学の授業料はどうなっているのでしょうか。

私立大学の初年度納付額は

文部科学省が2018年12月26日に発表した2017年度(平成29年度)入学者の学生納付金等調査結果によると、私立大学(学部)の授業料は900,093円、入学料は252,030円、施設設備費は181,294円で、初年度学生納付金(授業料、入学料、施設設備費の合計)は1,333,418円。これに実験実習料等を含めると、初年度に納める総計は1,455,729円となります。

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授業料は上昇基調

次に、過去40数年間の授業料を文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」で見てみましょう。すると以下のようになります。

物価変動率などを考慮しなければいけないので、30〜40年前と単純比較するのは適切ではありませんが、授業料は総じて上昇基調にあります。

国立大学はもはや割安でもない?

かつては、国立大学の授業料は私立に比べてかなり割安という印象があったと思います。実際、上記の金額を見ても、1975年度の国立大学の授業料は私立大学の約2割でした。それが1980年度には約5割、1995年度以降は6割を超えるなど、その差は縮まる傾向にあります。

ただ、国立大学の授業料は2005年度からずっと53.5万円になっています。2005年度から国立大学法人化制度が始まり、各国立大学が国の定める53.5万円という標準額を基準にして自由に決定することができるようになりました。しかし、ほとんどの国立大学がこの標準額を授業料にし、それを据え置いているようです。

おわりに

日本学生支援機構などが朝日新聞に明らかにしたところによると、2016年度に国から借りた奨学金が返せずに自己破産となったケースは3451人で、5年前より13%増えているといいます。一方、少子化の影響で私立大学の定員割れが増加し、帝国データバンクの調査では3期連続赤字になった私大が約2割と、大学側の経営状態にも厳しいものがあります。

子どもに十分な教育を受けさせたいというのが親心ではありますが、その経済的負担はなかなか軽くなることはなさそうです。