色んな楽しみ方がありますよね

オタクには色んなタイプがいる。1つの評価対象のAとB、それぞれ別の良い点を同時に楽しむ奴もいれば、Aしか興味がなくBはどうでもいいと考える奴もいる。たとえば特撮オタクで言うと、主人公と怪獣どちらも好きな奴と、怪獣だけが好きな奴、もしくは特撮技術やCG表現に興味を持つ奴などに分かれる。

ではこれがアニメの場合はどうか。キャラクターが魅力的かどうかは、アニメ人気の生命線だ。しかし時には、キャラクターの魅力だけが傑出し、中身の薄いアニメもあるのではないか?とも思う。(文:松本ミゾレ)

「『まどマギ』も『メイドインアビス』もキャラ見て切った奴めっちゃ多い」


先日、2ちゃんねる「なぜアニメオタクはキャラクター性だけを重視して、ストーリーにはまるで興味がないのか?」というスレッドが登場した。観てもらうためには目を引くデザインキャラクターを創る必要があるので、見た目は大事。それはそれとして、スレッド作成者はまるで、アニメオタクキャラクターにしか目が向かず話の内容を理解していない人ばかり、と指摘しているようだ。

これは悲しいかな、そういう側面もあるにはある。このスレッドに賛同する意見を、いくつか紹介したい。

キャラデザだけ見て『キモい無理』って0話切りする連中が名作をバンバン見落とす。『まどマギ』も『メイドインアビス』もキャラ見て切った奴めっちゃ多い」
アニメに限らず少年漫画なんかもほぼキャラ性で売れてるだろ。『ドラゴンボール』、『北斗の拳』、『シティーハンターetcストーリーはその時その時で盛り上がるけど周到な伏線があったり複雑な構成で受けてるわけでもない」

実際、キャラ人気だけで長年引っ張れている作品って、アニメにも漫画にもある。特撮もそう。『ゴジラシリーズなんて、あれは完全にゴジラありきだから、そういう意味ではストーリー性よりもゴジラキャラクターが何よりも重視されていた作品とも言える。

「爆売れした作品はキャラよりストーリー重視」反論の声も

アニメオタクキャラクター性だけ重視する、という見方は、個人的には賛同できる部分もかなりある。ただ、シナリオの内容、ストーリーの伏線を終盤で回収できているかどうか、を重視しているオタクも相当数いることは指摘しておきたい。スレッドでも「爆売れした作品の多くはキャラよりストーリー重視だよ」、「脚本叩きされてるアニメ多いだろ」という声は少なくなかった。

やっぱりアニメを観るにしても、こだわりの違いから観賞目的は分かれる。つい先日最終回を迎えた『SSSS.GRIDMAN』でも、アニメキャラクターに惹かれて視聴していたオタクと、原典の『電光超人グリッドマン』を知っている世代のオタクとでは見る角度が違っていた。

キャラクターに魅力を感じて何となく視聴していた層からは「ご都合主義最終回だった」みたいな声が実際にチラホラ出ていた。しかし、厳密にはまとめに繋がる伏線は結構登場していたし、何なら『電光~』を観ていた層なら説明されなくても分かる上、かなり納得できる描写だらけだったように思う。ことほど本作は伏線を回収する楽しみを重視するオタクにはウケていた。

キャラクターだけを楽しみにアニメを観ているオタクには、到達できない深みもある。逆にストーリー性だけを重視するオタクには、キャラクターの魅力が分からない。どちらも作品の魅力をしゃぶり尽くすには片手落ちだ。

制作側がわざわざ「これはキャラが取り得だよ」とか「キャラはダサいけど内容は良いよ」とアナウンスすることなんてない。受け手であるオタク側が、キャラクターストーリーも、どっちも重視できるようになるしかないね。