昨年9月にこの世を去った、日本を代表する女優・樹木希林。彼女の代表作のひとつといっても過言ではない富士フィルム株式会社のテレビCM歴代268本の中から厳選された作品を集めたスペシャルムービー「樹木希林さん 2018年末特別」篇が、現在富士フイルムの公式サイトおよびYouTube公式チャンネルで公開されている。

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78年の初登場から40年にわたり、「お正月を写そう」「フジカラープリント」「写ルンです」「PHOTO IS」など、富士フイルムの広告・テレビCMに出演した樹木希林さん。80年に放映された「お名前篇」での「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに」というフレーズは当時の流行語に。

その後も多摩川などに現れて社会現象を巻き起こしたアゴヒゲアザラシの“タマちゃん”や、トリノオリンピック金メダルを獲得した女子フィギュアスケート荒川静香選手の“イナバウアー”、上野動物園パンダシャンシャン”など、その時々のトレンドを描写しお茶の間に強いインパクトを残してきた。

今回制作されたスペシャルムービーは、時代の流れを映してきた作品の中から27本を厳選し、樹木さんへの感謝を込めたメッセージとともにまとめ上げた約1分間の映像に仕上がっている。懐かしいものから、こんな作品もあったのかという驚きのものまで凝縮されているこの映像を観ると、きっと誰もが樹木さんのユニークな姿に笑い、そして自然と涙がこみ上げてくることだろう。

またこのスペシャルムービー公開にあたり、15年から富士フイルムテレビCMで樹木さんと共演した広瀬すずをはじめ「お正月を写そう♪2019 それぞれのウォールデコ」篇から新キャストとして出演する石原良純長嶋一茂DAIGOが樹木さんとの思い出を語るインタビュー映像も公開。

平成最後のお正月は、日本中に笑顔を届けた名女優の活き活きとした姿で“それなりに”、いや“超それなりに”楽しい時間を過ごしてほしい。このスペシャルムービー「樹木希林さん 2018年末特別」篇は1月31日(木)まで公開されている。

<「お正月を写そう♪2019 それぞれのウォールデコ」篇キャストコメント>

広瀬すず

「私もこんな女優さんになりたいと初めて思った方が、初めて出演した映画でご一緒させていただいた樹木さんでした。富士フイルムさんの撮影で毎年お会いできるのが楽しみで、元々のコンテになかった演技プランを現場で提案してくださって、実際にその内容でCMが作られたことがとても印象に残っています。私が生まれた頃から見ていたCMや、実際に共演した作品も入っている今回のスペシャルムービーを拝見して、改めてご一緒できたことを光栄に思います」

石原良純

「TVCMに出ている樹木希林さんを見て、『あ、お正月だ、写真撮るか......』と、高校生のぼくは、兄弟で写真を撮りました。映像を見て、そんな思い出がよぎりました。30年ぐらい前、ドラマで初めてご一緒した時、希林さんは、じっとぼくを見ていらっしゃいました。そうしたら撮影の3、4日目にスッと近付いて来られて、『有名人の息子ってのは大変なのね』とおっしゃいました。周りの人を観察されていて、疑問に思ったことを、直球でスパーンと投げかける、とても気持ちのいい方でした」

長嶋一茂

「野球をやめてすぐの頃『樹木さんからアドバイスをもらったら?』というある人の勧めで、一緒に食事しました。 そこで、樹木さんが『テレビはね』って、いろんなこと的確に教えてくれて。『で、一茂くんはどうなの?』と聞かれて、俺、答えられることが全然できなかったの。それを悔いているというか、今回の映像を見て、ちょっと思い出しました。『それなりに』とか、当時は他にあんな自虐的なCMはなかった気がします。15秒、30秒の中で、本当に面白いと感じた、素敵な作品でしたね」

DAIGO

「樹木さんのご自宅に一度、番組のロケでお邪魔したことがあって、ちょうど僕と奥さんの報道が出た時で、『きれいな人と一緒になれて良かったね』とおっしゃってくださったことを覚えています。毎年、樹木希林さんのCMを見ると、日本のお正月を感じますよね。懐かしい映像とか、まだ物心がついていない頃の映像とかもたくさん入っていて、今見ても心が温まるCMばかりだなと思いました。40年ということは、僕が0歳の時からということですから、本当にすごいことですよね」(Movie Walker・文/久保田 和馬)

樹木希林さんの懐かしのCMがよみがえる!