1月4日(金)に新春ドラマスペシャル「釣りバカ日誌 新米社員 浜崎伝助 瀬戸内海で大漁! 結婚式大パニック編」(夜9:00-11:18 テレビ東京系)が放送される。

【写真を見る】大御所だが結構ゲラ!? 濱田岳と西田敏行のアドリブ合戦は注目!

今回は主人公・ハマちゃんこと浜崎伝助を演じる濱田岳に役作りや“釣りバカ名物”のアドリブシーンについて語ってもらった。

――みち子さん役の広瀬アリスさん、スーさん役の西田敏行さんをはじめ、共演者の皆さんと久しぶりにお会いされていかがでしたか? (取材当日に「釣りバカ日誌ー」の記者会見が行われた)

勝手知ったる仲間たちなので、ほっとするし、自然といつもの感じに戻ります。もちろん大先輩方ですが、緊張しないというか、“仲間感”がとてもある先輩方です。今をときめくアリスちゃんも一緒に頑張った仲間という感じがして、期間が空いてもほっとしますね。

――どんなお話をなさいましたか。

みんなでアリスちゃんのドレス姿をいじりました(笑)。

――撮影中もたくさんお話なさいましたか。

おしゃべりばっかりしていますね。

――他の作品の現場と「釣りバカ日誌」の現場の違いはありますか。

スタッフもキャストも壁がありません。僕らはそれが居心地良くて、「釣りバカ」を作るにはベストな関係性。でも、ストイックな人から見たら、なあなあにしか見えないかもしれないですね(笑)。それくらいみんなとの距離が近いです。「釣りバカ」を作る上では、必要な環境だと思っています。“家族感”というか、“友達感”というか…。だから、キャスト席、スタッフ席みたいなものは、分かれていないです。みんなグチャッとなっています。

■ 「僕らなりのハマちゃん、スーさんに」

――濱田さんにとってハマちゃんはどんな存在なのでしょうか。

憧れます。何にも影響されない人だし、マイペース。だからサラリーマンの方々にとってはうらやましい存在だと思います。美人の奥さんがいて、趣味に没頭して、それなりの建設会社に入って…。まあまあ良いお給料をもらっているんですよ! ハマちゃんは(笑)。

――濱田さんと似ている部分はありますか。

僕と西田さんは台本通りには話していないので、僕らなりのハマちゃん、スーさんになっているんじゃないかと思います。どの役も僕といえば僕な気がするんです。

――ハマちゃんとみち子さんのラブラブなシーンは印象的です。

恥ずかしいですけどね(笑)。イチャイチャのシーンも照れながら演じるとみんなも照れるんです。でも、映画「釣りバカ日誌」の西田さん、浅田(美代子)さんを見ていると、とてもイチャイチャしているけど、嫌な気持ちにはならない。それって、しっかりお芝居されているからだと思います。

(「釣りバカ日誌」に関わらず)どこからどこがお芝居かというのは、僕も明確には分からないです。「あれは良い芝居だった」と言う人がいますが、よく分からないですからね。

でも、しっかり作品に向き合って生み出したものであれば、見ている人も、嫌な気持ちにならないっていうのを先輩方が証明して下さっている。“広瀬アリスとイチャイチャする”っていうワードだけだったらすごく恥ずかしいですが、「釣りバカ」の空気感、そしてハマちゃん、みち子さんでカメラの前に立っていると、ラブラブなシーンはそこまで恥ずかしくないです。

アドリブは「相手を思いやっていないとできない」

――アドリブがとても多い現場だと聞きました。

それはもう、うちの師匠が(笑)。

僕ですら西田さんが次にどんなアドリブの球を投げてくるか本番まで分からないです。でも、絶対におもしろい。アドリブを西田さんが投げると、ボールはこっちに向かって飛んできているんです。だから、受け手の僕がこぼすと僕のNGになるんですよ(笑)。そういった意味では“アドリブ合戦”は、とっても責任重大。西田さんはアドリブで有名ですが、ストーリーから逸脱していることを言ってるわけではないし、正解を投げているんです。

「(アドリブ)すごいから大変なんだよ」って言う人は、それは西田さんのせいではなく、取り手の問題だと僕は思っています。銀幕のスターの球を取れるっていうのは、いち若手俳優として最高の環境です。でも、その分(良い球を)返してやろうって思いますよ!

西田さん、大御所ですが結構“ゲラ”なんです(笑)。だから、(面白いアドリブを)やり返すと喜んで下さるんですよ。

アリスちゃんもそれをゆうに越えてきます。「何この子!?」って思うときも多々ありますし、素晴らしいです。

――アドリブは柔らかい状態でいることが大事なのでしょうか。

(台本に)書いてある文字だけしか覚えていないと対応できないかもしれないです。シーンの前後や台本の流れが頭に入っているかとか、相手がどんなキャラクターかとか。僕はアドリブが好きだし、お芝居に必要なことだと思います。決して迷惑なことではないし、相手を思いやっていないとできないことでもあると思うんです。

――突拍子もないことを言うわけではないのですね。

(突拍子もないことを言うと)シーンが成立しないですからね。相手をつぶそうと思えばつぶせてしまう。そうじゃなくて会話劇を楽しんでいただくためにアドリブは必要なエッセンス。西田さんを側で見て、それを教えていただきました。

――ハマちゃんの役作りでどういったことを意識されましたか。

ハマちゃんを演じる上で一番は、毒を抜く作業。ハマちゃんは言葉的には結構乱暴なことを言っているんですよ(笑)。だけど、乱暴なことを言って不快感を与えてしまったら、僕の憧れるハマちゃんではなくなってしまう気がするんです。

たぶん佐々木課長(吹越満)もあんなに生意気言われて、悪態つかれているけど、ハマちゃんのことをすごく好きだと思うんです。それは吹越さんの表現のおかげではありますが、それに頼りっきりだと関係が成立しない。大先輩・吹越さんの受け手としてのすごさ、あれに甘えっきりではなくて、僕も毒を抜かないと2人の関係は良くならない気がします。

ハマちゃんとスーさんがいかに仲良しだと言っても、毒っ気が強すぎると見ている人は気分が悪くなると思うんです。若いやつがおじいさんをいじめてるみたいになるから(笑)。それだけは避けたい。乱暴なことを言っても、相手を嫌な気持ちにさせない、そこを目指しています。

■ 大先輩・西田敏行は「どなたにも優しい」

――釣りに熱中するハマちゃんですが、濱田さんご自身が熱中されているものはありますか。

最近ジムに行き始めました。部活感覚を久々に思い出して楽しいです。あ、でもそれも西田さんに誘われたんです! 「行こう!」って言われて。

――仲良しですね!

一番遊んでいる芸能人は西田さんかもしれないですね。2人でよくご飯に行きますよ。もちろん大先輩ではありますが、話す内容は「最近どう?」みたいなことです(笑)。お酒がすすんでくると「2人で映画やるならどんなやつやる?」とか。男子校のちょっとした会話のような、“もしも話”をよくやっています。

――演技論を交わすことはないのでしょうか。

全然ないんです。だから大好きな先輩なのかもしれないです。西田さんは、ちょっとも説教がない。どなたにも優しいですし、すごく良くしていただいています。

――続編があるとしたらどんなエピソードをやってみたいですか。

もし続くとなったら、鈴木建設の中でもまあまあな年次の社員になると思うので、そこを使って会社をグチャっとさせたいです(笑)。

――役職も上がったり?

役職は上がらないかなぁ(笑)。だけど3課の中でも、わりと中堅になってくると思うんです。例えば、すごく嫌ってくる後輩がいるけど、ハマちゃんはなんとも思っていないとか(笑)。ハマちゃんのマイペースさはいろいろなことで表現できると思います。そこまで進んでいくと、よその課でもまあまあ有名な迷惑社員だと思いますし(笑)。それもなんとも思わず、佐々木課長だけが胃が痛いっていう光景が楽しくてしょうがないです!

■ 映画「釣りバカ日誌」シリーズ1作目の舞台、四国・香川へ

――今回は舞台が四国・香川です。

映画の最初が香川で原付バイクに乗っている西田さんから始まるんです。そこに僕らの「釣りバカ日誌」として行くことができました。表敬訪問です! 映画は結婚したお二人から始まっているので、その前のエピソード・ゼロのようなものを僕らでやれるというのはすごく贅沢。「釣りバカ日誌」ファンとしては、またひとつ夢がかなったという感じです。

――皆さんでお食事には行かれましたか。

みんなで行きましたよ! ゲストの方々もみんなそろう時に。小澤(征悦)さんが映画に出演されたときのエピソードをお話されて、それに西田さんが答えるっていうのも、ファンとしてうれしかったです! 貫地谷(しほり)さんは、すてきなカラッとした女性なので、飲みの場もすごく楽しく入ってくれますし、吹越さんは変わらずひょうひょうとしています。みんなそろうと楽しいです!

――作品のみどころを教えて下さい。

普通に結婚式挙げようと思ったら挙げられるんですが、「釣りバカ日誌」の世界の住人が普通のことをすると、どうしてこうなっちゃうのっていう(笑)、「釣りバカ」らしいストーリーになっています。ただでは結婚式に向かえないっていう(笑)。そうそうたるゲストが出て下さっているのでそれは見どころです。映画ファンは本当に楽しいと思います! 「『釣りバカ日誌』と言えば三國連太郎さんだよな」って思っている方でも、楽しんでいただける要素はたくさんあると思います!

――ファンの皆さまへメッセージをお願いします。

人それぞれではあると思いますが、1月4日はお休みの方も多いと思います。みんなで一緒にテレビを見る機会は減っていると思うので、みんながそろうタイミングで見ていただければ何よりの“釣りバカ冥利”に尽きます。

新年早々お騒がせしますが、みんなで見てくれたらうれしいです!(ザテレビジョン

『夢がかなった』濱田岳主演「釣りバカ日誌」が四国・香川へ