アジアカップを控える日本代表に緊急事態だ。
アジア勢で唯一ロシアワールドカップで16強入りし、大会の優勝候補筆頭とも目されていたが、開幕当日の5日、森保ジャパンの象徴となっている「10番」中島翔哉、また昨年、新人ながら川崎フロンターレのJ1連覇に貢献し、代表に定着した守田英正の二名が離脱することとなり、暗雲が立ち込めている。
その離脱した2名の代わりに招集されたのが乾貴士(ベティス)と塩谷司(アル・アイン)。昨夏のワールドカップで主役となった乾はこれがそれ以来、塩谷は2015年以来約3年ぶりの選出となる。
両者ともに現在シーズン中、塩谷にいたっては開催国のUAEでプレーしていることから、おそらくは国内組に比べてコンディション面が整っていると判断されたのであろう。
乾は中島に比べると得点力こそ劣るものの、全体を動かす能力や経験値において一日の長がある。ベティスで出番を失っているが、プレースタイル的にも現時点で中島の代わりになれる唯一の選手だ。
塩谷は森保監督が指揮しJ1を3度制したサンフレッチェ広島の中心メンバーであり、年末のクラブワールドカップで印象的な活躍をしたことは記憶に新しい。
その意味では非常に合理的な判断といえるが、気になるのがボランチ(とウィングバック)である守田の代替がDFの塩谷だったという点だ。
広島時代に右ストッパーとして大きく飛躍した塩谷は、昨年から所属するアル・アインでボランチとして起用されたことがあるものの、基本的には両サイドバックでプレーしている。
つまり通常ボランチとしてプレーする選手が柴崎岳、遠藤航、青山敏弘の3人だけとなってしまったのだ。
この3人も、ヘタフェで出番を失っている柴崎は試合勘が懸念されおり、遠藤は発熱でUAE入りが遅れ、青山は激しいコンタクトが特徴で怪我が多く、それぞれが不安を抱えている。
3バックを採用することも考えられるが、布陣を変えてもボランチの枚数が変わるわけではなく、決勝まで辿り着けば最大7試合をこの3枚プラスアルファで戦わなければならない。
森保監督は塩谷に加え、アビスパ福岡で頭角を現した際にはMFであった冨安のボランチ起用も計算しているのだろうか。
どちらにせよ、この限られた戦力をどのようにやり繰りするのかその真価が問われるところであろう。
コメント