日本代表は5日、AFCアジアカップUAE 2019に向け、アブダビ郊外の練習場でUAEのクラブチームであるアル・ワフダと、35分×2本の練習試合を非公開で実施。南野拓実の2得点と原口元気の得点で3-0と勝利をおさめた。

 完全非公開だったため、結果がチーム広報から伝達された以外は内容が不明となるが、試合前の冒頭15分のみ公開された練習では権田修一酒井宏樹、三浦弦太、槙野智章、長友佑都冨安健洋柴崎岳堂安律南野拓実原口元気、北川航也がピッチを上げたウォーミングアップをしていたため、この11名が先発したものとみられる。

 日本代表は守田英正がアブダビ入りしてからの負傷により離脱が決定。さらに遠藤航が発熱により、合流が遅れているため、現在中盤の底を主ポジションとしてプレーしている人材が不足する状況となった。前述の11名が出場したと想定すると、4バックで冨安をボランチとして起用している公算が大きい。

 冨安は練習後、「非公開なので」と、ポジションについて言明はしなかったが、アビスパ福岡時代や育成年代時代にはボランチでのプレー経験がある。「サイドバックもシント・トロイデンで時々やりますし、どこをやるにしても、監督から『やれ』と言われたポジションでやるのが、あるべき姿だと思います」と、あくまで一般論としての心構えを話したが、CB以外での起用も十分想定される。

 また、追加招集された塩谷司も、現所属のアル・アインボランチ起用経験があり、大学時代も同ポジションでプレーした経験がある。そして、サンフレッチェ広島時代に森保一監督の指導を受けているため、監督の基本的な考え方もわかっており、ボランチに入る可能性もある。サイドバックとしてプレーできることも強みだ。

 森保監督は練習試合後、「ポジションを移してやってもらった選手がいたのは確か」と口にし、冨安のボランチ起用を暗示すると、塩谷についても「守備のポジションであればどのポジションでも」と、状況に応じた起用をしていく可能性も示唆する。

 大迫勇也は臀部の負傷から別メニュー調整が続き、中島翔哉ポルティモネンセの試合での負傷が原因で離脱(乾貴士が追加招集)と、開幕前からトラブルが続いているが、日本代表として数多くの大会を経験している長友は、「本来のポジションではないところでプレーする選手ももちろんいる。でも、何も言い訳はできない。日の丸を背負ってピッチに立つ以上、どんなポジションであろうと、どんなコンディションであろうと、100%の力を出すということを心掛けてやらないといけない。うまくいかない時にサポートできるメンバー、助け合えるメンバーがそろっていると思うので、全く問題ないです」と、強調。総力戦で決勝までの7試合を戦い抜く覚悟を示している。

取材=小松春生(編集部)

5日の練習試合前、ウォーミングアップをする冨安健洋