企業のボーダーレス化が進むなか、海外で通用する人材の育成は会社にとっても急務。

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 なかにはワーキングホリデーやバックパッカーの経験を通して、「語学力」などを身につけたい人もいるだろう。一般社団法人日本ワーキング・ホリデー協会が、全国の20代~40代のワーキグホリデーを経験した男女402人を対象に調査を行った。

 それによると、「ワーキングホリデーを通して身についた能力」の第1位には「外国語能力」(38.8%)が選ばれた。以降、「コミュニケーション力」(31.1%)「国際感覚」(29.4%)「対人能力」(28.9%)と続く。

 だが、外国を知っているはずのワーキングホリデー経験者や元バックパッカーに対する企業の評価は、決して高いものではないようだ。

大学留学以外は、ほとんど評価されない?

「自由に生きてきた人って印象はありますね。それでいて海外にいたから自己主張が人一倍強そう。会社みたいな組織でちゃんと働けるのかは疑問」(39歳・化学)

「同じ海外でも現地の大学を卒業した人に比べると、ワーホリもバックパッカーも私からすれば“就職せずに好きなコトをやっていた連中”。古い考えかもしれないが、どうしてもそう見てしまう」(45歳・精密機器)

 バックパッカーはあくまで旅行ということもあり、採用担当者の多くは批判的なのだ。ある意味、予想通りの反応かもしれないが、驚いたのは働きながら語学を学ぶワーホリに対しても同じように捉えている人が多かったこと。

「ウチの基準だと、20代で職歴の空白期間が年単位である場合、こちらが納得できるだけの理由がなければマイナス評価。長期の海外旅行なんて論外ですし、ワーホリもTOEICスコア850点以上の語学力を身に付けてきたなら別ですが、ちょっと会話ができる程度では評価に値しません」(43歳・教育関連)

「中途採用の募集でワーホリ帰りの方の面接を何度か担当したことがあります。語学力を確認しようと、いくつか英語で質疑応答をしましたがいずれも1年も住んでた割にはお粗末のものでした。だから、イメージは正直悪いですね」(38歳・機械)

仕事を辞めて海外に渡った人に厳しい意見も

海外旅行

 また、仕事を辞めて海外に渡った人については、それに対する懸念を口にする担当者も。

「なかには大変優秀な方がいるのも事実です。でも、せっかく採用しても何年か経ったら転職されてしまいそうで不安です。長く勤めてくれる可能性もありますが、履歴書や面接だけでそこまで見極めるのは難しい。途中で辞められるリスクを考えると二の足を踏んでしまいます」(41歳・食品)

 ちなみにこれは高校中退者や大学中退者に対する評価に似ている部分がある。採用担当者によっては「辞め癖がついている」と判断する人もいるからだ。ただし、こういった理屈を抜きに彼らを嫌っている人も少なくない。

「自分たちが毎日汗水流して働いている間、海外で楽しくやっていたわけですよね。個人的には共感できません」(44歳・不動産)

 もはや単なるやっかみだが、これに近い感情を抱いている人は多そうな気がする。

旅行業界、ベンチャー企業は大歓迎!?

 しかし、その一方でワーホリやバックパッカー経験者を高く評価する企業もある。なかでも旅行会社がそのひとつだ。

 採用担当だったこともある大手旅行会社の男性(46歳)は「旅行経験が豊富なら窓口や法人営業でも自らの経験を交えてセールストークができます。そもそも旅好きが多いため、ツアーなどを扱う旅行会社向きの人材」と言う。

 ほかにもベンチャーのような新興企業にも好意的な会社が多い様子。

外の世界を見てきた経験値はバカにできませんし、いろんな視点から物事を見ることができそう」(35歳・バイオ関連)

「社長は20代のころ、海外を放浪していた人なので、そこの部分の偏見はありません。実際、ワーホリ帰りと元バックパッカーの社員も何人かいますよ」(37歳・ウェブサービス

「以前に比べればマシになってきた」

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 さらに海外進出している企業のなかにも積極的に採用するところがある

アジアアフリカなどで展開しているため、貧乏旅行の経験があるバックパッカーは弊社向き。これだけで採用にはできませんが、プラス材料のひとつにはなります」(専門商社・42歳)

 結局のところ、ワーホリもバックパッカーもどう判断するかは会社次第。彼らに対する評価は決して良いものばかりとは言えないが、「以前に比べればマシになってきた」と話す人もおり、少しずつだが状況も変わりつつある。

 とはいえ、帰国して就職先がなかなか見つからないという状況は避けたいもの。もし海外に行くのであれば、帰国後の生活もちゃんと考えておいたほうがよいだろう。

TEXT/トシタカマサ>

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