2019年を迎えた中国ではこのほど、「逢九必乱(末尾に9が付く年は必ず波乱する)」との論調が広がっている。中国当局は、国内では経済の減速、失業者の増加、社会不安の拡大など深刻な問題を抱えているほか、国外では昨年に続き、通商貿易やハイテク技術、軍事などの分野で米国・同盟国と中国との対立がさらに深まるとみられる。このため、複数の中国人学者は今年、中国の社会情勢に大きな変化が訪れるとの見方を示した。

「逢九必乱」の説は、中国道教の「陽極生陰、陰極生陽( 陽極まれば陰を生ず、陰極まれば陽を生ず)」から由来している。「九」が陽数の中でも極数に属し、「十」は満盈(十分に満ちること)を表す数で、「物事が極まれば必ず逆の方向に転じ、(水が)満ちればこぼれる。人や世の中が栄えて絶頂を極めれば、必ず衰退する」もいう意味を表している。。

中国ではこの数十年間、「9」が付く年になると、大事件が起きた。

1949年中国共産党が政権を奪い、中華民国政府が台湾に移った。

1959年、反中国共産党チベット蜂起が発生した。中国当局が軍を投入し、鎮圧にあたった。一部の報道では、当時8万以上のチベット人住民が死傷。チベット政府の首脳であるダライ・ラマ14世と一部の高官がインドに亡命した。

同じ年に、1958年から施行した農業と工業の大増産政策「大躍進政策」によって大飢饉が起き、餓死者が3千万人だったとみられる。

1969年3月、中国当局とソ連が国境のウスリー川の中州であるダマンスキー島(中国語名は珍宝島)の領有権をめぐって、大規模な軍事衝突をした。同年8月、中ソ両軍はまた、新疆ウイグル自治区タルバガタイ地区チャガントカイ県テレクチ(現在、中国とカザフスタンの国境)で武力衝突を起こした。

1979年2月17日、中国当局がベトナムに対して宣戦布告をし、中越戦争が勃発。中国当局の公表によると、同年3月に終わったこの戦争で、中国軍死亡者が6954人で、負傷者が約1万4800人、

1989年6月、中国当局は、民主化を求める学生と市民に対して、戦車や装甲車などを出動させ、軍による武力鎮圧を実行した。2014年ホワイトハウスが解禁した機密文書によると、死傷者数が4万人に上った。

1999年7月中国当局は、「真・善・忍」を理念とする伝統気功、法輪功学習者への弾圧政策を始めた。当局は、学習者に対して法輪功の修煉をやめさせるために、拘束、禁錮刑、拷問、薬物注射、さらに強制臓器摘出と様々な迫害手段を用いた。この弾圧はいまだに続いている。法輪功情報サイト「明慧網」によると2018年、全国で当局に禁錮刑を言い渡させた法輪功学習者が933人いる。うち99人は65歳以上の年配者だ。

2009年7月5日新疆ウイグル自治区ではウルムチで大規模な暴動、「2009年ウイグル騒乱」が起きた。その数日前、南部広東省のおもちゃ工場で、漢族従業員がウイグル人従業員を殴り殺したことが引き金に、ウルムチ市でウイグル人によるデモが行われ、漢族住民とウイグル人住民が衝突した。中国当局は武装警察部隊を派遣し、ウイグル人を武力鎮圧をした。当局の発表では、暴動で200人が死亡、1700人以上が負傷した。

中国当局はこれ以降、ウイグル人社会への監視・弾圧を強化した。昨年、「再教育」の名目で拘束されたウイグル人は100万にのぼると報じられた。

目下、米中貿易戦による景気悪化、巨大経済圏構想「一帯一路」に対する国際社会の抵抗、国内での抗議デモの増加、知識人による「改革」を求める声などなど、2019年中国共産党政権は厳しい政権運営を強いられる。

香港誌「アジア週刊」は、それぞれの課題が中国当局にとって深刻な問題であり、どれもが中国当局の根幹を揺るがせかねないものだとの見解を示した。

習近平国家主席は昨年12月31日に行った新年の祝辞で、中国は「100年に一度の大変革を迎えている」と述べた。

中国国内インターネット上では新年早々に、北京大学の鄭也夫教授が執筆した評論記事が大きく注目された。同教授は記事のなかで、中国共産党政権が自ら歴史舞台から去り、独裁体制を終わらせるべきだと呼び掛けた。

中国著名時事評論家の林保華氏は米ラジオフリーアジア(2日付)に対して、2019年は中国当局にとって波乱の一年になるだろうと述べた。林氏は、中国当局は3つの危機に見舞われる恐れがあるとした。

まず、中国経済の急減速と米中貿易戦の影響で、金融危機発生の可能性。2つ目は、中国当局の極左政策で、共産党内部の闘争がより激しくなり、クーデター発生の可能性。3つ目は、中国当局の覇権主義で、国際社会で孤立化が進み、米中両軍が軍事衝突する可能性。林氏は3つの危機のなかの一つが起きれば、中国社会が混乱に陥るに違いないとした。

(翻訳編集・張哲)

2019年を迎えた中国ではこのほど、「逢九必乱(末尾に9が付く年は必ず波乱する)」との論調が広がっている(FREDERIC J. BROWN/AFP/Getty Images)