東京をはじめ、都心部のママ達にはあまり知られていませんが、ママ達の間で「2人目の壁」となっているものの1つが「2人目が産まれたら上の子は退園」問題です。
保育園から転園?「幼稚園」に預けたいママが増えている!? いまどきママたち本音事情
ひと昔前に比べこの退園問題は改善されつつあると言われていますが、いまだにこの問題に頭を抱えるママは少なくありません。
最近では「女性活躍社会」や「育休期間延長による時間の有効活用」も叫ばれていますが、子供を預けられなければ「それどころではない」といった声もあがっています。
もはや退園問題は他人事ではなく、社会全体が関心を持って取り組まなければ、日本が今抱える少子化問題の解決にはつながりません。
そこで今回は2人目が産まれたら上の子は退園問題を筆頭に、「2人目の壁」について率直な意見をママ達に聞いてみました。
預けるところがないのに復帰しろ!復帰できなければ退園しろ!は矛盾だらけ?
若い世代の心を掴むため、子育て支援に力を入れる自治体は増えていますが、あいかわらず保育園の待機児童問題は解消されておりません。
待機児童問題の解決策として今問題となっているのが「2人目が産まれたら上の子は退園問題」。
下の子の育休中は「ママが働いていないのだから、上の子は保育園に預ける必要なし」と言わんばかりに、育休中ママの上の子が退園させられてしまうというものですが、そもそもなぜそのような問題が起こってしまっているのでしょうか。
調べてみると、2015年4月から始まった「子ども子育て支援新制度」が関係しているようです。
この制度により育休の扱いが各自治体によって異なるようになり、「第1子の保育を継続した自治体」もあれば「3歳以下の子は退園させるとした自治体」もあらわれるようになりました。
3歳以下の子を退園させて待機児童を入園させても、退園させた子供がふたたび待機児童となってしまっては、根本的な解決策にはなっていません。
これでは「預けるところがないのに復帰しろ!復帰できなければ退園しろ!」と言っているようなもので、仕事を辞め保育園も辞めるしかないのか、と落胆するママは少なくないのです。
少し前は常識だったことが今は常識ではない!安心して子供が産めない「2人目の壁」
1人目が保育園に入園できれば、下の子も入園しやすいというのが少し前の常識でしたが、今はそうはいかないケースも多いようです。
上の子を保育園に預けられるから2人目も安心して産めるというのに、少し前とは違って2人目保活の苦悩が「2人目の壁」にもなっています。
では実際にどんなことがママ達にとって大変なのでしょうか。聞いてみました。
両親フルタイム「満点」は当たり前
両親フルタイムで、保活において重要とされる保育園のポイントが「満点」であることはもはや当たり前。みんなが満点で横並び状態の中、優先順位がつけられていきます。
上の子が既に同じ園に在園していれば1歩抜け出せますし、既に他の園や認証保育所などに在園していても半歩は抜け出せますが、満点+αの「α」が入園を左右するようです。
0~2歳児保育園から5歳児保育園への転園
上の子が5歳児まで預けられる保育園に入れず、0~2歳児の小規模保育園に在園していると、下の子に兄弟ポイントが付かず苦戦するということもあります。
上の子の保活で苦戦し、下の子でも苦戦するというパターンにはまり、苦労するママは少なくありません。
上の子在園中にパートに転職すると…?
上の子在園中にパートに転職すると「減点」
「上の子が保育園に入れたからもう大丈夫」と、フルタイムを辞め、時短のパートに転職して家事と育児の両立をはかろうと考えるママもいます。基準を満たしていれば上の子が退園させられることはありませんが、下の子の保活においてはそれが減点となってしまう可能性があります。
フルタイムは両立が大変ですが、下の子のことを考えるとフルタイム勤務は欠かせないのかもしれません。
0歳児クラスがない保育園、0歳児クラスの延長保育がない保育園
もともと0歳児クラスを設けていない保育園や、0歳児クラスに延長保育がない保育園はあります。そういう保育園に上の子が在園していて、復帰のタイミングで下の子が0歳児だと、兄弟で別々の保育園を考えなければならない場合があります。
上の子の転園申請と下の子の新規入園申請が同時に通ることはまれなようで、上の子が在園する保育園によって下の子の保活にも影響が出ることもあるようです。
*
このように「2人目が産まれたら上の子は退園問題」をはじめ、2人目保活の大変さによる「2人目の壁」の現実をお伝えしましたが、このような問題は少子化問題を解消するどころか妨げになっていると言っても過言ではありません。
少しでも多くの女性が安心して子供が産める環境を整えることが先決です。それが叶ってこそ女性活躍社会が実現するのだと多くのママ達は言います。
自分の住んでいる地域は恵まれている、自分には関係ないではなく、社会全体としてみんなが関心を持ち、いつかこのような問題がなくなることを心から願うばかりです。
コメント