日本の悪循環を乾が指摘 「中に行き過ぎていた」「自分たちで状況を悪くしていた」
日本代表は9日のアジアカップ・グループステージ初戦トルクメニスタン戦で先制される苦しい展開のなか、最終的に3-2と薄氷の勝利を手にした。10番のMF乾貴士(ベティス)に出番は訪れなかったが、昨夏のロシア・ワールドカップで2ゴールを叩き込み、FIFA(国際サッカー連盟)が選ぶ「ブレイクスター5傑」に選出された男は、ピッチの外からチームの戦いぶりをどう見たのか。試合翌日のトレーニング後、「中に行き過ぎていた」「自分たちで状況を悪くしていた」と分析している。
前半の日本は攻守両面で苦戦を強いられた。ミスも重なり思うように崩せず、中途半端な形でボールを奪われてカウンターを食らう悪循環に陥り、前半27分にはトルクメニスタンMFアルスラン・アマノフに強烈なミドルシュートを叩き込まれた。1点を追うなかで迎えた後半11分、同15分にFW大迫勇也(ブレーメン)が連続ゴールを決めて逆転に成功すると、同26分にはMF堂安律(フローニンゲン)が追加点。その後にPKを決められたが、日本が3-2で逆転勝利を収めた。
初戦の4日前、MF中島翔哉(ポルティモネンセ)に代わって追加招集が決まった乾はベンチスタートとなり、試合途中から他の選手と一緒にウォーミングアップをしながら試合を静観。日本の戦いぶりに課題を見出していた。
「ちょっと中、中に行きすぎていた。それは外から見ていて思った。それで(ボールを)失ってカウンターで、自分たちで状況を悪くしていた」
前半終了後、乾は日本の問題点を他の選手たちと共有したという。ポイントはサイドの活用法だ。中央には大迫やMF南野拓実(ザルツブルク)が待ち構えており、サイド攻撃が上手く機能すれば打開できると見ていた。
左右への揺さぶりが功を奏し… 乾が強調「とにかく幅を取らないといけない」
「サイドからもうちょっと攻めたほうがいいよと言った。サコ(大迫)もいますし、拓実も合わせていける能力がある。そういうプレーを増やしたほうが相手も嫌がると伝えた」
実際、日本のゴールは両サイドを広く使った攻撃から生まれている。前半のように無暗に中央へのパスは狙わず、中長距離のパスを両サイドへ供給。相手の陣形を左右に揺さぶりながら、サイドから打開の隙を窺った。
「とにかく幅を取らないといけない。まず相手を広げて、そこから空いてくるところが絶対できる。(前半は)わざわざ自分たちからきついところに行きすぎていた。ああいう形で失う形が多いと思う。真ん中で取られてカウンターという形だった。それは初戦でみんなが反省できたところだと思う」
苦戦しながらも白星発進を飾った日本。13日に第2戦オマーン戦、17日に第3戦ウズベキスタン戦と続くなか、どのような修正を見せるか注目が集まる。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)
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