かつては100均で取り扱われていなかった、Lightningポート搭載iPhone向けの充電ケーブルが、この2~3年で続々と登場しています。

 日本ではiPhoneシェアが高いためニーズがあるのは確実ながら、これまで取り扱いがなかったのは、ひとえに正規ライセンス取得にからむコストの問題が大きいと考えられます。いま取り扱われているのは、Appleの正規ライセンスを取得せずに機能を充電だけに絞り、また特定のiOSバージョン以下でのみ動作を保証した製品です。

 これら製品のパッケージには、Lightningケーブルという表記はどこにもなく「ライトニング端子に対応した充電ケーブル」とのみ書かれています。正規にライセンスを取得したLightningケーブルとは何が違い、どのようなリスクがあるのか、実際に各社の製品を購入して調べてみました。

100均ケーブルで気をつけるべき3つのポイント

 今回購入した3つの製品は、いずれも本家のLightningケーブルにはない、複数の共通点があります。

 ひとつは表裏があること。いずれのケーブルも、コネクタの片面に「UPSIDE」という表記があり、この面を上にして挿入するよう注意書きがあります。本家のLightningケーブルのように、表裏リバーシブルで充電できるわけではありません。

 もうひとつは、充電にしか対応しないこと。通常のLightningケーブルはPCなどとのデータ転送もサポートしますが、これらは充電以外の機能をサポートしません。パッケージで「充電ケーブル」「充電専用ケーブル」と大きく銘打っているのはこのためです。

 3つ目は、iOSの特定バージョンまでしか動作確認が取れていないこと。文言は微妙に異なりますが、3製品とも「iOSの特定バージョンで動作検証済み」「以降のアップデートエラーメッセージが表示される可能性あり」といった意味の注意書きがあります。

急速充電では「エラーが起こりやすい」

 なぜ3社ともこうした、似たり寄ったりな仕様になっているのでしょうか。Appleは海賊版による事故を防ぐため、OSアップデートに合わせてこまめに仕様を変更し、正規の認証チップを内蔵しないケーブルを排除しようとしています。これらをパスしていない製品は将来的に使えなくなる可能性が高いため、その免責としてこうした注意書きがあるというわけです。

 また、急速充電をサポートするアダプタやモバイルバッテリーとの組み合わせで、エラーが起こりやすいのも特徴です。今回「iOS 12.1.1」環境で試したところ、iPhone添付のアダプタとの組み合わせでは3製品とも問題なく充電が行えましたが、サードパーティ製の急速充電規格のアダプタとの組み合わせでは、純正ケーブルが約2倍もの速度で急速充電できたのに対して、3製品の中には、まったく電力が供給できない(つまり使えない)製品もありました。

つまり100均ケーブルを使うなら「自己責任」で

 以上のような問題があるにもかかわらず、こうした製品が継続して販売されているのは、iPhoneシェアトップの日本では製品のニーズが高く、アップデートで在庫が一斉に使えなくなるリスクを差し引いても、ビジネスとしてオイシイからです。そのかわり、機能を充電のみに絞り、またサポート対象のOSバージョンを限定することで、リスクを軽減しているというわけです。

 従ってこれらケーブルでは、対象外の使い方によって機器破損などの不具合が発生しても、クレームをつけるのは筋違いです。もともとAppleが行っている認証プログラム(MFiと呼ばれます)は、そうした事故やクレームを防ぐための仕組みですので、MFi未取得の製品を敢えて使うのは自己責任となります。さまざまな問題点に目をつぶってギリギリ使いみちがあるとすれば、外出先でいきなり必要になり、ほかに製品の選択肢がない場合くらいでしょう。

100均ケーブル以外でおススメする“2つの方法”とは?

 では、緊急時を除いてこれらは使わないものとして、どのような製品を使うのが賢い方法なのか、オススメとなる製品および方法を紹介しましょう。

 ひとつは、Apple以外のサードパーティLightningケーブルの中から、MFi認証を取得した製品を探して購入することです。これならばAppleの純正Lightningケーブルと同様にiOSバージョンアップ後の動作も保証されている上、性能は同等、また純正品に比べると安価で、100円は無理としても数百円程度あれば入手できます。ただしコネクタのカバーがやや厚みがあるなど、製品によってはマイナスの面もあります。

 2つ目は、microBをLightningに変換するMFi認証済みアダプタを購入し、それらをmicroBのUSBケーブルに挿して使う方法です。MFi認証をパスしたアダプタを組み合わせれば、一般的なケーブルでもMFi取得済のLightningケーブルと実質同じ扱いになりますので、任意の長さのケーブルと組み合わせられますし、断線してもケーブルだけ交換すれば済みます。

破損の場合、まずは保証期間のチェックを!

 なお、iPhoneに付属していた純正のLightningケーブルが破損したために買い替えを考えているのであれば、なによりも先に、保証期間の残りをチェックすることをおすすめします。というのも本体の購入後1年間、あるいはAppleCare+に加入していれば2年間は、付属ケーブルは無料交換の対象となるからです。

 破損の程度や状態によっては対象外となるほか、ケーブルが返品可能な状態で手元に残っている必要はありますが、まずは保証期間が残っていないか、Appleサポートページhttps://getsupport.apple.com/)で確認するとよいでしょう。

(山口 真弘)

100均で販売されている3種類のiPhone用充電ケーブル。左から、ECoreの「L-8」、大創産業の「携帯電話No.68」、山田化学の「No.671」