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 1日の始まりはダークで芳醇な香り漂うコーヒー?それとも爽やかですっきりとした味わいのお茶?

 朝コーヒーを飲まないと始まらないという人もいれば、お茶、もしくは紅茶と言う人もいるだろう。

 実はそのどちらを好むかは、苦味をどのように感じるかを決める遺伝子によってあらかじめ決められているものだという。

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一日に飲むコーヒーやお茶の量と遺伝子の関係

 コーヒーやお茶は一般にどちらもほろ苦い風味がする。それは例えばばカフェインのような苦味を感じさせる化学物質が含まれているからだ。

 ほかにもトニックウォーターの苦味を与えるキニーネや人工の苦味剤プロピルチオウラシルなども苦さを感じさせる素だ。

 これまでの研究から、人が1日に飲むコーヒーやお茶の量には遺伝的な要因が関係していることや、カフェインを消化する能力が関係していることが明らかになっていた。

 しかし、飲む量と苦さを感じさせる遺伝子にも関係があるかどうかはわかっていなかった。

 そこでオーストラリア・クイーンズランド大学の研究者らは、イギリス人男女(37~70歳)40万人分のデータを分析して、コーヒーやお茶の消費量と苦味物質の検出に関係している苦味レセプター遺伝子との関係を調べてみた。

コーヒー派はカフェイン苦味レセプター遺伝子が多い

 その結果、平均的な人に比べてカフェインを感じる苦味レセプター遺伝子を多く持つ人たちは、コーヒーをたくさん飲む(1日に4杯以上飲む)傾向にあることが判明した。

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 カフェインの苦味レセプター遺伝子が1つ増えるごとに、コーヒーをたくさん飲む率が20パーセント高まったのだ。その一方で、こうしたカフェイン”敏感舌”の人たちのお茶を飲む量は少ない傾向にあった。

 カフェインはコーヒーの苦さだけでなく、力強さや舌触りにも関係する。そのためカフェインを敏感に感じ取れる人ほど、コーヒーの豊かな味わいをよりいっそう楽しめ、それゆえに飲む量が増えるのかもしれない。

お茶派はキニーネ/プロピルチオウラシル苦味レセプター遺伝子が多い

 対照的に、キニーネやプロピルチオウラシルの苦味レセプター遺伝子を多く持つ人は、コーヒーよりもお茶を好む傾向にあった。

 平均的な人と比べた場合、キニーネ/プロピルチオウラシル苦味レセプター遺伝子が1つ増えるごとに、お茶をたくさん飲む(お茶を1日に5杯以上飲む人)率が4~9パーセント高まった。

 そうしたキニーネ”敏感舌”の持ち主は、カフェインが欲しくなったとき、お茶を選ぶことだろう。おそらく、そのほうがもっと苦味を強く感じて、お茶の風味を楽しむことができるのだ。

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両親から受け継いだ遺伝子

 このようにコーヒー派かお茶派かを分けているのは両親から受け継いだ遺伝子であるようだ。あるいはもしかしたら祖父母の影響もあるかもしれない。

 だが安心してほしい。遺伝の影響でコーヒーやお茶があまり好きではない人も、その芳醇な味わいを一生楽しめないわけではない。

 子供の頃や今現在コーヒーやお茶があまり好きではなかったとしても、味の好みや食習慣は年を追うごとに変わっていくものだからだ。

 今は美味しそうにお茶やコーヒーを飲む人たちを眺めるしかないのだとしても、いつの日かその風味を楽しめるときが来るかもしれない。

 実は私も父親の影響からか子供のころは紅茶派だった。でもアメリカに住んでからというもの、どこにいってもコーヒーなのでコーヒーを飲み続けるうちに、今ではすっかりコーヒー派になった。

 とは言え、薄いタイプのアメリカンコーヒーが好きなのでスタバよりマックのコーヒーが大好きなんだけどね。

 この研究は『Nature』に掲載された。

References:Understanding the role of bitter taste perception in coffee, tea and alcohol consumption through Mendelian randomization | Scientific Reports/ written by hiroching / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52269767.html
 

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