中国の急速な経済発展に伴って都市部の生活環境は大きく変化し、人びとの意識にも影響を与えている。中国人は民度向上の必要性を認識するようになってきたが、中国メディアの捜狐は8日、日中の教育方法を比較し、「日本では中国のような愛国教育が一切行われていないことが日本人の民度の高さにつながっているのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、今や中国人の間で日本人の民度の高さは「周知の事実」となっていると指摘。そして、注目すべきは「日本の教育現場では中国のような愛国教育をしない、『非愛国主義教育』がなされていること」だと主張した。ここで指摘した「非愛国主義教育」とは、子どもたちに「政治的な思想を教え込んだり、『国のために』、『愛国』といった言葉を一切使用せずに教育を行うこと」だと説明した。

 中国の教育は「愛国が中心」にある愛国主義教育であり、日本とは全く異なるものだと言える。中国では愛国心を基盤として、道義的な教育を行なうゆえに、「日本はそれをせずに、どのようにして国民に道義を教えているのか」と素朴な疑問が湧くという。

 続けて、日本の教育について説明し、子どもたちに国家や民族主義について理解させる前にまず、「自分達が生活している社会や環境について理解させる教育」を行うと指摘。具体的には、自分たちの出したゴミの回収、処理の過程について、また環境についても植林活動とその目的などを見学や体験を通じて学ばせることで、子どもたちは「世界で最も自分の住む環境と、地域を愛するようになってゆく」と主張した。これが自主的な行動につながり、結果的に愛国教育となっているのだと紹介した。

 現在の中国では環境汚染問題が深刻化しているが、企業に対する規制を強める一方で、個人の環境保護に対する意識を高めることはなかなか難しい課題となっている。国や地域ごとに教育制度は異なり、重視する部分や方法も異なるが、中国とは全く異なる日本の教育とその成果には、考えさせれるものがあったようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

愛国教育を行っていない日本、「どうやって民度の高さを実現しているの?」=中国メディア