生理前のイライラや便秘を引き起こすPMS

PMS(月経前症候群)とは、月経開始3〜10日前に起こる、精神的または身体的症状のこと。排卵後〜次の月経開始の間の、最もプロゲステロンが増える黄体期にむくみ、眠気、情緒不安定、食欲の増加などさまざまな症状が出たり、感情の起伏を感じたりします。月経が始まると改善されるのが特徴です。

そんな生理前の精神的な起伏や体の不調を整えるのに、ヨガが向いています。ヨガは、呼吸に合わせてリズミカルに動いていくことで、乱れている自律神経を整え、血流などを促すからです。

生理前のイライラには胸を開いて交感神経を刺激

精神的な起伏を整えるのに、中でもオススメは「魚のポーズ」。胸を突き出す姿勢によって、日常生活で縮こまりがちな胸を大きく開いて、交感神経を優位にします。胸椎にアプローチすることで、やる気にスイッチが入ります!そして、肩のコリの緩和にも。

ポーズを解いた後、全身に血液が巡って、停滞していた心身が流れ出すのを感じます。流れ出すとスッキリしてくるでしょう。

◇魚のポーズ

1:仰向けになり余計な力を抜く。肩、お尻、太ももの裏側などが、どのように床に着いているか感じよう。

2:肩甲骨を寄せ、両手を、手のひらを下にしてお尻の下に入れる。

3:息を吸いながら、ヒジで床を押して胸を突き上げ、ノドを伸ばして頭頂を床に着ける。両脚はそろえて伸ばしておく。お尻は床から離さないで、背骨を反るように。視線は鼻の頭へ。

4:息を吐きながら、姿勢を戻す。

月経前の腸のむくみ(便秘)にはねじって腸を刺激

月経前に便秘が起こる人には「ねじりのポーズ」をご紹介。ねじる=子宮をねじると誤解されやすいのですが、直接働きかけられるのは骨のない部分です。肋骨と骨盤の間(つまり、ウエスト部分)をねじることで、腸管に影響を与えることができます。

◇ねじりのポーズ

1:右脚を前に伸ばして置く。ヒザを折って左脚を立てて、足先を右脚の外側に置く。

2:右脚を内側へ折り、足先は左のお尻へ近寄せる。骨盤を立てる。

3:骨盤を立てて、右腕で右ヒザを抱えるようにして、一度息を吐き切って、息を吸いながら体を左へねじる。左右のお尻が床から離れないように。

4:吐きながら体を戻して、反対側も行う。

ヨガで対策して、生理前でも気持ちよく過ごしたいですね。

ライター:幸雅子
出典:『Yogini』vol.51/「「ヨガ総合病院」へようこそ!」
『ヨガのポーズが丸ごとわかる本』/「毎日練習したい基本のポーズ28」
監修:高尾美穂:女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長。産婦人科専門医。婦人科スポーツドクター。診療の他、近年はヨギーニ向けに講義をし、医学普及に努める。

生理前のイライラやむくみ、便秘をどうにかしたい!あなたにオススメのヨガ